匿名 2022-07-19 13:39:52 |
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…いえ。
(ふわり、と珍しい微笑みを浮かべると母親に向き直り、母親は「澪、久しぶりに帰ってきたと思ったら…こんなお客さんまで連れてきてくれて嬉しいわ。」と微笑みながら咳き込んだところで兄が三人分の茶を持ってきて)
わたしが澪の家族にお会いしたいと言ったんです
(咳き込む相手の母親を少し心配そうにしながらも、自身が望んだと言うとお茶を持ってきた相手の兄に微笑み「ありがとうございます」と言って)
「…まあ、澪がそんなことを?」
(ルカの言葉を聞くと母親と兄は顔を見合わせて笑い、浅木がばつの悪そうな表情で俯くのを見ると「澪…少し痩せたんじゃない?大丈夫なの?」と浅木を心配そうに見つめ)
…少々過保護すぎる程度ですよ。
(こちらも苦笑いを浮かべつつ小声で答えては飲み終わった湯呑を置く。母親が「今日は泊まれるの?」と問うと浅木は頷いて「…ええ」と答え)
わたし何も持ってきてなかった…
(泊まると思っていなかったため、相手の家族にも迷惑がかかると思い「家族水入らずがいいと思うしわたしはしばらくしたら帰るね」と言って)
「まあ、そんなこと仰らずに。使っていない部屋なんて沢山ありますから。」
(浅木の母親はルカの言葉を聞くと驚いたように目を見開き、人の良い笑顔のままそう提案して。浅木の兄も同調するように「そうですよ。澪が客を連れてくるなんて滅多に有りませんしね。」と笑う。浅木はルカの耳元で「…母上と兄上は、こうなると人の話を聞かないのです。お嫌かもしれませんが、泊っていってはいただけないでしょうか。」と申し訳なさそうに囁き)
嫌ではないけど…友達の家に泊まるのって初めてだから嬉しいけど緊張するな。あ…友達、ではないか、ごめんね
(相手の家族の優しい言葉に少し戸惑うように笑うと、相手に首を振って嬉しいことを伝えてから、自身は友達と思っていても仕事相手としか思っていないかもと思い言い直して)
……いえ。構いませんよ。
(微笑みがちに首を横に振り、「…では、私は風呂の準備をしてきますね」と座布団を立ち、廊下の奥側へと消えて)
…家でも澪はしっかりしてるんですね
(意外だと思ったわけではなく、澪らしいという意味で小さく呟くと「わたしも何か…あ、カップ持っていきます」と言って空いた湯呑みを持ち、相手の兄が先ほど出てきた場所がキッチンだろうと思い持って行こうとして)
「…ふふ、そうでしょう?澪は昔からしっかり者で…」
(言いかけたところで一層激しく咳き込むものの湯呑を持っていこうとするルカを見て「あら、お客さんにそんなこと…薫、持っていきなさい。」と兄に言いつけ、湯呑を下げさせようとして)
大丈夫ですか、すみません…ありがとうございます
(咳き込んでいるのを心配そうにしながら、湯呑みを下げる相手の兄にお礼を言うと相手の母の方を見て「澪のお母様もお兄様も…とても優しいですね」と言って)
「…ふふ、有難う御座います。」
(穏やかに微笑むと座布団から立ち上がり、「ごめんなさいね、咳が酷くって…」と寝室の方に歩いていき、入れ違いに浅木が「…支度ができましたよ。」と部屋に入ってきて)
……母は…戻ってしまいましたか。
(独り言のように呟くとルカに視線を戻し、「…そうですか。でしたら、お先に失礼します。」と頭を下げてまた廊下の奥へと消えていき)
……本当に落ち着く家だな
(相手が出て言ったのを確認すると小さく呟くと自分の家ではないが落ち着く、と思い座布団に座り直すと少し目を閉じ、ここ最近眠れていなかったからかそのまま器用に座ったまま眠りに落ちて)
「…ん?ああ、寝てるのか。」
(粥の入った容器を片手に応接間を覗き、浅木の兄が小さく溢して母のいる寝室へと向かう。しばらくして風呂を上がったらしい浅木が応接間に入ってきては「ルカ殿、風呂に…」と言いかけるが眠っているのを見ると静かに座布団に腰を下ろして茶を啜っており)
……ッ…しまった寝てた…
(数十分後、何か悪い夢を見たように衝動的に起きると相手がいるのに気付き「ごめん、眠ってしまったよ…」と言ってから少し伸びをして)
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