僕を、飼ってください。

『…は、はい…』

《トルコキキョウ》は服を捲り、痣や擦り傷、
切り傷、火傷の痕が残る酷い腕を露出する。

とりあえずはこれで良いだろう…。
(その傷を見ては相手から離れ傷薬を取って来て、それを腕に塗り)

『…あ、ありがとうございます…』

礼など不要だ。その代わりしっかり働け。
(再びソファに座り軽く息をつき)

『…は、はいっ！』

とりあえず今日は明日に備えて寝ろ。
(隣にある寝室を指差し、顎で行けと合図して)

『は、はい…おやすみなさい』

《トルコキキョウ》はぺこりと頭を下げて
向こうへと消えた。

ああ、おやすみ。
(相手を見てそう言うとソファに横になり考え事をして)

『……………』

《トルコキキョウ》はベッドに横たわり、
ゆっくりと瞳を閉ざした。

……。
(考え事をしているうちに眠ってしまったらしく、ぐっすりと熟睡していて)

『…………あ、寝過ぎちゃった…っ！』

……。
(未だソファで熟睡しているようで)

『……起こさない、ほうがいいよね…』

《トルコキキョウ》はひっそりとキッチンへ
向かった。

ん…。寝てしまったのか…。
(かなり遅く起きたようで軽く頭を振り眠気を覚まし)

『………何にしよう……お肉かなぁ……』

《トルコキキョウ》は食材を前にして
唸っていた。

早速働いているようだな…。
(トルコキキョウの寝ていた部屋をチラリと見ると軽く頷き)

『……うん、お肉にしよう…後はサラダと…』

《トルコキキョウ》はようやく決めたらしく、
いそいそと料理を始める。

かなり手際が良いようだな。
(ふと気になり相手の様子を覗き見て)

『………っ！』

《トルコキキョウ》の手元が狂い、包丁が
指をザクリと切る。

『……ば、絆創膏…』

《トルコキキョウ》は傷口から血を
垂らしながら絆創膏を探している。

ここにある。その前に傷口をよく洗え。
(念の為絆創膏を持ち歩いておいたらしく、相手へ近付きポケットから絆創膏を出し)