吸血鬼の青年 2018-05-19 22:23:45 |
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えっ…?
( なんでそんな所に、と目を瞬かせれば頭上を相手がふわりと飛び越えあっという間に平伏せさせ。目配せされ意味を汲み取ると傍から抜けるように逃げ出し、警察に行くべきか、と交番を目指して )
( / 全然拙くないですよ!大丈夫です。 )
あァ? 此奴……
(この状況で脅されると、多くは突っかかって来るか逃げるかのどちらかで。それなのに此奴はじっと動かずにいて。今まで出会ったことのない反対にこちらが不気味さを感じていると、突然衝撃波のようなもので飛ばされ、下敷きにしていた人物がいた場所にもう人の姿は無く、渋々相手を追いかけて)
(/ありがとうございます!)
っ!…痛、
( 交番目指し走っている途中で小石に躓き、べしゃりと転んでしまい。咄嗟に地面に手を着いたため顔への負傷は免れたが、見てみれば手のひらに僅かな擦り傷と、片膝に血が滲む程度のケガをして )
何をすっ転んでんだ…あ
(ゆるゆると走りながら相手に追い付き、べしゃりと転んだ姿勢の相手を覗き込んで。吸血鬼の性か本能か、真近に血を見たことで燃え盛る炎のように勢いよく瞳の色が変わっていき、)
つ、躓いちゃって……あれ、さっきの人は…?
( 転んだ所を見られてしまったかもしれない、と少し恥ずかしくなって視線を逸らすが、相手が来たということは…と何となく予想はしつつも目を合わせ問い掛けて。すると綺麗な金色だった瞳が真っ赤に変わっていき、ポカンと目を瞬かせ。指差しながら指摘しては、先日相手が言った吸血鬼であることを思い出し、膝を隠そうとスカートの裾をぐいっと伸ばして )
その目…!…あ。
…早く手、拭いてくれないか
(いつもなら上から目線で何かしら言い返すのだが、今の自分にはそんな余裕は無く。真っ赤に変わった目のまま、血の匂いを嗅がないよう、吸血衝動が出てしまわないようにと力いっぱい右手で口と鼻を塞いで)
う、うん…。
( ごそごそ、と通学用リュックの中からハンカチと絆創膏を取り出すと、ハンカチで拭ってから手と膝に絆創膏を貼り付け。強かに打ち付けた膝を庇うように、ひょこりと立ち上がると相手の様子をちらりと伺っては )
あの、また…助けてくれてありがとう。
たすけにきた、訳じゃねえんだ
(ようやく吸血衝動も収まってきた。まだ微かに匂いはするものの視覚的に血だと認識出来るものは殆どなくなった今、もういいかと手を離して「この、くっきー…?の礼をしてェんだが」先程と同じクッキーの袋を取り出してそう告げて)
そんな、いいのに。クッキーはあの時助けてくれたお礼なんだし…。
( 差し出された見覚えのある袋にぱちくりと目を瞬かせては、意外と律儀な面にギャップを感じ、ふふっと小さく笑みを零し。首をゆるく傾げながら手作りであったことを照れ混じりに告げて )
そんなに美味しかった?…あれ、私の手作り。喜んでもらえたなら何よりです。
手作りだと!? お前すげェな!!
(初めて食べたクッキーというものは、小さくて砂のような見た目なのにいざ食べてみればどこか安心するような、優しくてふんわりとした甘さが己の口内を包んだ感動を忘れず。「すげェんだな、また作れ!」と、年頃らしく口角を上げて笑いかけ、)
お、お前じゃなくて…。私、サナです、呉山サナ。吸血鬼さんは何て名前?
( 凄いと褒められつつもお前呼ばわりされると困ったように唇尖らせて不服げに、自身に人差し指向けて名乗れば続けて名前を尋ね。少し怖そうな見た目から年頃の笑顔が見れると、そんな顔もするんだ、と惹かれてしまう自分がいて。そんなに喜んで貰えるならまた作ってあげてもいいかな、なんて気分良くしては )
えっ、命令形?…もう、仕方ないなあ。その…吸血鬼界?っていうのは、ああいう甘いお菓子ないの?
サナだな。俺ァ…魁阿って名前がある
(魁阿、そう名前を相手に告げる言い方は本名じゃないからかどこかたどたどしく。吸血鬼界に甘いお菓子はないのか問いかけられれば「なァ、そもそも甘い菓子なんざ存在しないんだわ」首を振りながら吸血鬼界にはクッキーのような菓子ではなく、ケークサレのような菓子しかないと説明して)
魁阿…、やっぱり吸血鬼だと名前もコッチとは少し違う感じだね。よろしくね、魁阿…さん?
( 名前を覚えようと反芻しては呼び名に困ったらしく疑問形で呼んで。「 へえ、そうなんだあ…人間界とはいろいろ違うんだね。普段の食べ物も、やっぱり違うんだろうな…って、吸血鬼さんは血だよね。」きょとんと不思議そうに相手の世界の話を聞くと一人結論付けては、ぽんと手を合わせて )
( / この後どうしますか…? )
血なんて滅多に吸わねェよ
(1人で納得している相手に、いつの時代の吸血鬼の話だとけたけた笑い。「まァ、今も常時血を吸いたいと願ってる奴もいるけどな」そう付け足して相手を襲ってきた輩を思い出し、神妙な顔をしながら何かをぶつぶつつぶやき始め)
(/そうですね…、買い食いしに行ったりとか、お洋服見たりとかの人間ぽいことを魁阿が体験するのはどうでしょうか)
えっ、そうなの⁉︎
( 吸血鬼といえば、という根本を覆されてはぱちぱちと目を瞬かせ。続けて呟かれた言葉を耳にすると、襲われた恐怖が少し蘇ってしまい落ち着かない素振りを見せて。二度あることは三度ある。少しの沈黙のあと、縋るような眼差しで考えた事を口にしては )
あの…魁阿さん。二度と襲われない、なんて保証はないよね?また襲われることも無くはないと思うの。だから…あなたさえ良ければ、ボディーガードになってくれないかな?もちろん無償でとは言わないから。
( / ほのぼのとした日常ですね。了解しましたっ、)
…俺が? サナの?
(相手が襲われたのは吸血鬼。自分が吸血鬼であるということを忘れているのではないかと「…別にいいけど、俺がサナを襲わない確証はないんだぜ?」わざと牙を見せながら相手にそう告げ、反応を伺って)
(/ありがとうございます! よろしくお願いしますね!)
え?…う、んん…。
でも、血は滅多に吸わないんでしょ?それにさっきみたいな人と、あなたは何か違う気がする。…上手く言えないけど。
( 牙を見せつけられては、言葉濁すようにして視線をふよふよと彷徨わせ。同じ吸血鬼であっても相手は私を襲ったりしない、なんとなくそんな気がしては思ったことを目を見つめながらそのまま告げて。真面目な表情から柔和な笑みへと変われば、)
私が無事に1日を終えたなら、その度にお菓子あげる。
( / いえいえ!こちらこそです )
わかった、まァサナも警戒心は持っておけよ?
(1日無事に終了したらその度にお菓子。それに相手は自分が脅してみても「何か違う気がする」そう言ってくれたことが嬉しくて。既に2回襲われている相手はもう完全に目をつけられているだろう、いつもより気を張って行動しようかと頭で考えつつ、「美味い菓子をもってこいよ」と、相手の肩を叩いて)
(/ではそろそろおいとまします…!
こちらから買い食い誘いますね、!)
うん、分かった。…それじゃあ、これからよろしくね。
( 忠告するような言葉に、胸元まで持って来た手をぎゅっと握りながらこくこくと何度か頷き。断られてもおかしくない、一か八かで出した提案を受けて貰えてホッとした面持ちで )
( / はい!お誘いをお待ちしつつ、こちらも失礼します )
……あ? なんだアレ?
(ほっとした表情に変わった相手を見れば何故か自分も心があたたかくなった気がして。くるりと踵を返した方向、目に飛び込んできたのは「からあげ」と描かれた屋台のような建物で。美味しそうな香ばしい匂いにつられて店の前まで行き、)
(/返信遅れて申し訳ございません!)
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