【  包帯越しにアネモネ一輪 / 非募集  】

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 おつかれ少年   2017-01-22 18:05:45 
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俺に声掛けてくれた善良なる幼馴染みだけおいで、さもなければ寝るぞ。( 枕持参、 )






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  • No.21 by 清崎 慧  2017-01-26 22:18:36 




最愛は俺だろうが阿呆。
(相手の笑顔が無理やり作られた物であるのが手に取るように分かり、気安く触れる事さえできない現状にもどかしさが募るまま気持ちばかり急かされていて。軽口を返す最中も頭の中は昨夜相手の身に起こった事を慮るのに忙しく、視線は何処か上の空で一点を見詰めており。そんな時に手伝いの申し出をされては「無理すんなよ」と先程から喉奥から込み上げそうになっていた言葉が咄嗟に口を衝いて出てしまうも、その刹那我に返れば「…怪我でもされたら面倒だしな」とあくまで手伝いに対しての言葉である事を印象付けるように付け足し。寒々しい空の下を歩く最中も普段に比べて無言が多く、気持ちが逸るばかりに歩調がどんどん速まっていき)



  • No.22 by  花龍之丞   2017-01-26 23:35:12 






御前は今日の晩飯に迄嫉妬すんのかよ。( 回帰してきた可愛らしいかるくちに垂れた双眸瞬かせる刹那直ぐにに表情弛緩させやや大袈裟気味に噴き出して相手のおおきな背中ばしばしと手加減しつつ敲く、という一連のリアクション披露してみせるも相手の短いことばに全て見透かされた気分になり思わず貼り付けた笑顔瞬間だけ失せ。付け足された科白に惑わされることはないが敢えて核心に触れるような真似はせず「 嘗めてるな。御前の飯が美味いからはたらかないだけで料理のひとつやふたつ俺だって出来るんだからな。 」と唯黒いだけの鬢から生えた髪冷えて赤くなる耳に掛け乍ら双眸ゆるめて文句を。其のまま帰路辿る最中相手の速まる歩幅忖度し大股で合わせるように歩いていくも校門越えて暫くあるいた後情けないことに段段と置いて行かれ。明白に浮かび上がる両脚のながさや体力面での格差等恨めしく思いつつ相手の隻腕鷲掴んで。 )───慧はやい。




  • No.23 by 清崎 慧  2017-01-27 00:30:01 




(背中に衝撃があると眉を寄せて反論するべく口を開くが、その際目にした相手の表情に言葉を飲み込むと見え透いてはいたがやはり少なからず無理しているのだろうと察し。しかし返って来たのは当たり障りのないあくまで会話の延長上の言葉であり、此処で無理に掘り返すのは得策ではないだろうと判断し「そうかよ。んじゃ頼むかな」と此方も何の変哲も無い言葉を返して。あまりに自らの思考に深く沈んでいたせいで配慮が行き届いておらず、背後から腕を掴まれると振り返り急に現実に引き戻され。我に返り一度足を止めると、相手を見下ろして「…嗚呼、悪い」と一言謝罪を口にし。それ以上掛ける言葉も見つからないまま普段と態度が違っていしまっている自覚がありながらも、ただ黙々と既に遠目に見える自宅に向かって再び歩き出して)



  • No.24 by  花龍之丞   2017-01-27 16:51:48 






───最初はぐー。じゃんけんぽん。( 普段なら何でもないような世間話に華を咲かせたり和気藹々と巫山戯合ったりしているうちに目的地である清崎宅に辿り着いているはずだがふたりの間にはアスファルトで舗装された歩道蹴るおとだけが鳴るひどい沈黙に気詰まり感じて何時もの帰路もうんと遠い道程のようで、何かはなさねばと考えれば考えるほど話題がぽろぽろと頭から抜け落ちてしまうようで結んだ口許をいっこうに開けずにいて。はんぶん諦めかけ視線の端で流れてゆく見慣れた景色に視線向けたり吐き出したしろい吐息見詰めてみたりと意識逸らすも結局は気不味さに耐えきれずに頬掻き。唐突に相手の眼前へと拳突き出したと思えば所謂 “ じゃんけん ” で御馴染みのフレーズくちずさんでからチョキのかたちに。 )




  • No.25 by 清崎 慧  2017-01-28 00:07:24 




は…?
(会話を探そうとする事もなく、ただ脳裏を埋め尽くすのは相手の傷に馳せる不安ばかり。ついでに今に始まった事ではないが一向に父親の暴力から救えない自分自身への自己嫌悪も相俟って、一人勝手に気持ちを沈ませており。ずぶずぶと沼にはまっていきつつあった時、突然隣から底抜けに明るい声が聞こえてくると状況を把握する前に眼前に拳が突き出され。生れてこの方幾度と無く聞いたフレーズが、まるで条件反射を引き起こしたように咄嗟に開いた手を出させれば、反則なまでに突然始められた勝負に負けた事を悟り。幼い頃からの癖は健全で、こういった場合己は決まってパーを出してしまう。それによる敗北が成長の無さを物語るようで、無性に癪に障ると「おい、いきなりは卑怯だろ。もう一回だ」年甲斐も無く不満を露わにリベンジを申し出て)



  • No.26 by  花龍之丞   2017-01-28 15:07:21 






( 矢張り唯一のこころの拠り所である最愛の幼馴染みには己の家庭問題のごたごたについて憂慮し曇らせた表情なんかよりも今のような不服を咋露出した表情や時折覘かせる弛緩しきった笑顔など男子高校生らしさ滲む表情のほうがうんと似合う。先程迄自己嫌悪で沈んでいた相手の整った横顔がむきになりこちらへ向いたことに満足したのかふと垂れた眦緩め「 問答無用問答無用。ちよこれいと! 」其う口遊むように述べた六文字に合わせて大股に開かれた両脚で六歩だけ地面踏みしめてひとあしさきにとずんずん進んでいき。再度頼りなくほそい体躯相手の方向へ捻り振り返れば清崎宅へと到着する迄此の幼少期相手とのかえりみちで屡屡おこなわれていた幼稚なるあそび続行させる積もりらしく、頭上へ向けて隻腕掲げてみせては距離が大股六歩ぶん離れたことで先程よりほんの少しだけ拡大した声量で「 最初はぐー。じゃんけんぽん! 」と )




  • No.27 by 清崎 慧  2017-01-28 15:40:13 




(単なるじゃんけんかと思えば突然始まった懐かしい遊びに面食らいつつも気付けば笑みが零れていて、反則なまでに大股で進んでいく相手の背を見詰め。先程まで沈んでいた気持ちも相手の手に掛かればいつの間にか晴れつつあり、無邪気に腕を伸ばす様子を遠目に見ながら“可愛い”と呑気に気分を浮上させていて。其方に気を取られていた所為で、二度目のじゃんけんでほぼ無自覚に出したのもまたパーであり)



  • No.28 by  花龍之丞   2017-01-28 16:28:03 






───ああ!負けた。( よくよく考えてみれば瞬時に出そうとする相手の手札はかならずと言っても過言ではないほどに開かれた掌だということ疾うのむかしに熟知しているにも関わらず相手に戻った笑顔に浮かれてなにも考えることなく頭上には握りしめた儘の拳が掲げられていて。相手の掌視界に入れてから思い出したのかしまった、とばかりに悲鳴にも似通った叫び声みじかく吐露するも時すでに遅し。唯のじゃんけんだろうと言われてしまえば唯のじゃんけんだが負けず嫌い発揮された己の表情には悔恨の情が顕著に滲んでおり。其のまま相手が己同様に六文字分進んでくる迄両腕腰にあてがい素直に待機し。 )




  • No.29 by 清崎 慧  2017-01-29 10:00:05 





っはは、ぱーいーんーあーっぷーるー。
(昔から相手とのじゃんけんは何故か弱かったが、それが全て偶然だと思い込んでいる節があり久々の勝利に満足げに笑うと先程の相手よりも遥かに大股で距離を詰め。その上一文字分文字数を稼ぎ七歩進む最中四歩辺りで相手に追い付いてしまうと、そこで相手の首元にがっしりと腕を回しその場から強引に連れ去り。七歩分歩いても尚足を止めずに歩き続けながら「はい、俺の勝ちー」と爽快に笑い、勢いそのままに自宅へ向かい)




  • No.30 by  花龍之丞   2017-01-29 11:59:30 






おいこら。無駄にずるいことしてんじゃ、…わッ!( 相手の唇から間延びしたリズムで紡がれてゆく反則地味た文字数に加え途轍もない大股で進む一歩一歩に思わず不服申し立ての声あげようとするもの虚しく、首許にがしりと腕回り捕らえられて仕舞えば「 歩きづらいんだけど、 」と口ではみじかい文句述べつつ無駄な抵抗することはなくずるずると連れていかれる儘にあるき。相手の表情に御機嫌に浮かぶ笑顔につられて疎雑なるあつかいに若干不満を表情に滲ませていた表情も緩まり。 )




  • No.31 by 清崎 慧  2017-01-29 12:22:44 





寒ィんだよ。早く帰って鍋食おうぜー。
(不正を指摘する言葉もさらりと聞き流し相手を連れて自宅へ向かいながら、吐き出す息が直後から白く凍り空気中に消える様子を見て体が冷えつつあるのを実感し。過保護と言われようが己よりも確実にひ弱な相手の身体がいつ不調を来すかが心配でならず、適当な理由を付けて歩みを止めないまま数分後には自宅の前に到着し。解錠し扉を開け玄関先で漸く相手を開放すると、タイマー機能で既に温まっている室内に「はー、寒かった」と安堵の溜息を吐き出し靴を脱いで)




  • No.32 by  花龍之丞   2017-01-29 13:08:54 






はいはい。( 解放され、不羈となれば相手の背後から自宅とおなじくらいに馴染みのある相手宅へと脚踏み入れ暖かな風につつまれては、五臓六腑迄ひえた躰を暖房が癒してゆくの感じてふかいふかい溜息吐き出し脱力した様子でいて。「 御邪魔します。相変わらず慧んちはあったけえし馬鹿広いし、…いっそのこと慧んちの子供になりたいわ。 」余りの居心地のよさにこのまま寝てしまいという欲求を頭蓋骨に詰まる蛋白質が訴え暢気にあくびをひとつ噛み締めながら脱いだ革靴のまえに跪くとつまさきを玄関側に向けるように左右揃え、 )




  • No.33 by 清崎 慧  2017-01-29 13:32:54 





……なァんだよ、結婚するか?
(靴を脱ぎ散らかして一足先にリビングへ向かおうと扉に手を掛けた矢先、背後から聞こえた恐らくは何の気も無しに発せられたのであろう一言が途端に全身の動きを封じたように身体を硬直させ。軽い響きを持った言葉はこの数年何度も何度も逡巡しては可能性を打ち消してきたものでこんなにも己の心を捉えるが、一方の相手はそんな言葉を自ら否定するように丁寧に靴を揃えており。その背を暫く無言で見詰めていたものの、唐突に我に返ると腰を屈めて背後から抱き着き。かと思えば細い体を両手でがっちりとホールドしそのまま持ち上げ、半開きだった扉を足で蹴り開けリビングへ足を踏み入れ。決して軽々持ち上げられたわけではないが、同じ時を過ごした男子にしてはあまりにも両腕に重みを感じず、それに危機感に似たものを感じながらも平然とおどけた風に問いを口にし)




  • No.34 by  花龍之丞   2017-01-29 15:04:39 






───けっこん、か。( 次いでに脱ぎ散らかされた相手の靴も同様に揃え立ち上がろうとするも刹那、背後から相手の気配と体温感じてはされるが儘に体重預け無抵抗に抱き上げられリビングへと運ばれていき。無論深い意味合いを孕ませたつぶやきではなかったが後頭部に降り注いだけっこんという甘美なる単語復唱し双眸数拍と瞬かせてからほんとうに其うなればどんなに幸福なことかと幾ら寝泊まりしていても言うべきではないとこころに決めているただいま、が言い合える生活に思いを馳せ「 いいけど。御互い就職して自立迄して気が変わらなかったら結婚でもなんでもしてやるよ。 」と。首斜めうえに捻り顔だけ相手の方向向けて視線合わせれば本気とも冗談とも受け取れるような曖昧な声色で述べてみせ、に。 )




  • No.35 by 清崎 慧  2017-01-29 15:47:41 





(相手の表情を見れば何事か思案しているということだけは伝わって来るのだが、それ以上を察する事はできず。しかし、敢えてそうしているのか素なのか、己と同様軽く返された言葉と添えられる悪戯な笑みは無性に胸元に靄を掛け。可能なら、もし今直ぐ親の手を離れられる程自立できていたなら、このまま何処かへ連れ出してしまうのに。やり場のない感情が駆り立てるように熱を上げ、相手の身体をリビングのソファにそっと下ろすと覆い被さるようにして唇を重ね)




  • No.36 by  花龍之丞   2017-01-29 17:06:51 






( 柔らかなソファーに降ろされ沈んでゆく心地良さに躰預けて脱力する間頬に昨夜の惨劇の名残りだと言わんばかりに痛々しく存在感を主張した青痣隠蔽するためのマスクいつの間にか視界の端で落ちているのに気付くも唇同士が触れ合うことで思考が蕩けてしまい、与えられる接吻を従順に受け入れること表すかのごとくやんわりと背中に隻腕回し、相手の下唇あまく歯立てて愛撫してみせ。其のままちゅ、と僅かながら水音立てて触れ合う唇離し。どうせ亦庇護欲や自己嫌悪の入り混じった良からぬ思考が脳味噌のなかで逡巡しているのだろうと忖度することが出来ている為回していた掌でこどもあやすようなリズムで背中叩き「 でも俺のが誕生日遅くてよかったな。養子縁組したら花慧になるところだったし、ふは。格好悪 」ひどく雰囲気のない科白微笑付きで述べてくつくつ。 )




  • No.37 by 清崎 慧  2017-01-29 17:31:39 





(軽く歯が立てられただけでもぴりぴりと背筋に快感が伝ってより一層体の内側に熱を溜め込ませていくが、ほんの少しの熱の発散によって頭が部分的に冷えたような感覚がすれば相手の方に生々しく残る青痣に気が付き。途端に昨夜相手の姿が見えなかったにも関わらず行動を起こさなかった事への罪悪感が喉元を締め付け呼吸さえ苦しく感じるが、目の前に相手の笑顔があるとそれでも今こうして腕の中で笑っているという事実に少なからず救われて。しかしだからと言って昨夜の出来事を無かった事にできるわけではなく、苦しげに表情を歪めると「…脱げ」相手の父親の事だから、きっと身体中にも暴行の痕が残っているに違いない。やり場のない苛立ちが普段よりも些か高圧的な口調で物を言わせ)




  • No.38 by  花龍之丞   2017-01-29 18:19:49 






( 唇や背中にあたえた愛撫もやんわりと逸らそうとする話題も悉く相手を落ち着かせる要因にはこと足らず左頬でいたむ内出血を恨めしく思う反面、己以上に己に関して苦渋を味わう相手の表情目の当たりにし晴らしどころのない申し訳無さに心臓がぎゅうぎゅう握られているような感覚に陥り、唯背中に回していた腕強めることしか出来ず。不意に投げられた科白に、幾度となく恋人の相手に裸体曝しているとは言え明るいところで治らずに素肌で残る打撲の痕や根性焼きなどの痛々しい損傷や昨夜の生傷を晒すことには若干の抵抗があるらしく、命令とも認識出来るような相手の要望受け入れて衣類脱いでしまうのは相手の抱える罪悪感を煽るだけであるという理解も相俟ってふるふると首横に振り。「 大丈夫だから。気にすんなっていうのは無理かもしんねえけど、…ほら鍋しようぜ、鍋 」と。 )




  • No.39 by 清崎 慧  2017-01-29 22:09:58 





(一先ずは気丈に振る舞うつもりであるらしい事を悟ると、無言で相手の上から退き洗面所へ向かい。坦々と洗面器に湯を溜めて新品のガーゼを取り出し、それを手に戻ってくればソファの前の床に洗面器を置いて。加えて救急箱を持ってくると、相手の怪我の手当ての為にすっかり周到に用意されている中身を覗き込みながら必要な物を次々とローテーブルに並べていき。「何が大丈夫なんだよ。どうせ手当てもなんもしてねぇんだろ」感情が表に出やすい性格のお陰で不満げな刺のある声色で告げると、再度服を脱ぐことを促すように相手をじっと見詰め)




  • No.40 by  花龍之丞   2017-01-29 23:22:01 






見られたくねえんだけどなあ、…これくらい唾つけとけば治るわ。( 無言で己から離れてゆく相手に憤慨させたのだろうかと云う一抹の不安が脳裏に過ぎりおもわず追い掛けようと起立するも運ばれてきた洗面器には、と腑抜けた声零れ、どんどんと用意周到に治療の準備が進められていて脱がないという選択肢が狭められて仕舞えば肺臓の中身がすべて空になりそうなほどのふかいふかい溜息吐き出して脱力し。其のまま困った雰囲気醸すように眉尻八の字に顰めながら分厚い防寒着纏めるぼたんひとつひとつ外していき肩から脚元にぱさりと落とすも突然相手の方向へと両腕伸ばし「 慧、後脱がしてよ。 」と。 )




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