大きな背中。( 非募 )

泣いてない。全然まったく、泣いてないから。
（顔を覗き込む彼女を掌で制しつつ更に顔を逸らし俯いて逃れようと否定するものの、言葉に反して涙が溢れてくると手で目元をごしごし擦り。「…ありがと」ついお礼を述べると共にハンカチを受け取ってしまうと使うべきかどうかを迷う様にすこしハンカチを見つめてからそれで涙を拭い。「そういえば、僕が来た時点で店には真央ちゃん一人だったよね。山猫さんや里佳子さんと連絡は取れてるの？」落ち着く為にも一呼吸しては、ふと気になった残りのチーム山猫メンバーに関する問いを投げて。）

山猫は知らないけどあの人ああ見えて寂しがりやだから。里佳子さんはもうすぐ着くってさっき…あ。
(強がりな彼の言葉と反して溢れる涙にクスクスと笑いを漏らすも礼と共に受け取られたハンカチに満足気に微笑み元の位置に戻って。彼の問い掛けに思い出した様に口を開ければ目を細めて自由な彼の姿を思い浮かべて。そのままポケットから携帯を取り出せば彼女とのやりとりの画面を開いては新しく届いたメッセージに眉を顰めて。内容は『邪魔しちゃ悪いからストレイキャット２号店に行ってるよ。山猫とカップ麺食べながら待ってます。ゆっくりおいで。』というもの。己の彼に対する恋心に気付いてた彼女らしい気遣いにほんのり頬を赤く染め隣の彼に内容を見られない様にそそくさと画面を閉じれば椅子から立ち上がって。「二人とも２号店にいるってさ。私たち間違っちゃったみたい。行こう。」携帯をポケットにしまいリュックを背負えば彼に声を掛けて。)

なるほど。じゃあ少なくとも里佳子さんはそろそろ来る頃…って、真央ちゃんどうかした？
（己が扉を開けた際に一瞬嬉々とした表情を見せたのはそういう理由で二人が来たと勘違いさせてしまったからかも知れないなんて今更感じ。ふむふむ頷きながら肩越しに今にも開くのではないかと扉を見つめていれば彼女が慌ただしい様子で立ち上がった為に首を捻り。「あー、２号店だったんだ。了解」しかし次いだ言葉を聞けば直接内容を見ていないといえど行動にも納得がいき此方も立ち上がって。「車と徒歩とどっちにしよっか」開けた扉のドアストッパー代わりに扉を背中で抑える形で彼女に向き直ると移動手段の意見を求める事も兼ねて折角の彼女と二人きりで話せる機会に存分に会話しようと、話したいと思うだけなら年の差なんて関係ないはずだと、そんなことを考えつつ２号店へ向かい。）

歩いて行きたい。…せっかくだから。あ、でも大丈夫かな。勝村さん一応指名手配されてるんじゃなかったっけ？
(余計な御世話だとは思いながらも嬉しくない訳がない彼女の気遣いに会ったら御礼を言おう、なんて思いつつ緩まる頬を抑えきれないまま扉に向かえばくるりと振り返る彼の問い掛けに考える間もなくハッキリと答えて。ぽそりと付け足せば俯いて。しかしハッとした様に勢いよく顔を上げれば不安げに眉を下げ表情を曇らせては不安を口にして。)

できるだけ、人通りの少ない道を選んで…リスク高すぎるかな。
（車も悪くはないけれど徒歩で行けたらと薄ら考えていた事もあり、まるで心を読まれたような気分だと彼女の返答に対して何だか嬉しさが込み上げて。尤もな不安を突きつけられては真っ先に“変装”の四文字を浮かべるも、以前のやたら悪目立ちする変装を思い出しそれは無いなと首を横に振り両腕を組み。となると己の中で残った答えはひとつだけ。不安がなくはないが提言してみて。）

…ううん、楽しそう。それより今さらだけど、勝村さんもう傷は大丈夫なの？
(己の不安を消すような提案を上げてくれる彼に同じ気持ちだったのかな、なんて胸の奥がくすぐったくなり唇をキュッと上げては数回頷きただの散歩じゃなく冒険みたいだなんて思えば緩み切る頬を隠す様に少し俯いて。そういえば、彼は山猫に撃たれたと少年院で聞いた。一年も前の事だが後遺症など残っていては無理をさせるわけにはいかないと勢いよく顔を上げては心配そうに尋ねて。)



勝村さん、返事遅くなってごめんね ( しゅん )
こんな私でもまだ相手してくれるならお返事ほしいです。待ってます。( 正座ちょこん )

あー。知ってたんだね傷のこと。…大丈夫だよ。
（心配そうな様子の彼女に対し眉を下げると実際撃たれた箇所である脇腹のあたりに手を置きそのまま軽く服の上から擦り。一年という月日が経過している事もあるし救急車に運ばれたのも撃たれた直後という事もある、そもそも撃った彼が狙ってやった事なのか偶然だったのか致命傷には至っておらず。ただ治療途中で病院を抜け出してきたのも事実な為に全く痛まないと言うと嘘になるのだろうか。「見てみる？触る？」とはいえ出来れば心配を掛けたくはなく、冗談めいた笑み浮かべつつ彼女に聞いて。）



正座…！？（ぎょ）いやいや、あんまり気にしないで。真央ちゃんが来れる時に来てくれれば満足だし、返信が遅れてしまうことは僕にもあるし。（うんうん）

っていうか寧ろ、こんな僕でよければまだお相手してもらいたいです。ど、どう、でしょう。（おず）

痛い？無理はしないで。…私には絶対、もう嘘つかないでね。
(冗談ぽく笑みを浮かべ問う彼をチラリと見れば手で擦るその場所にそっと自分の手を当てて。彼の事だ、いつもは泣き言ばかり言ってるイメージだが年下の、きっと彼は妹の様に思っているだろうから己の前では心配させまいと弱音を吐く事はないだろう。小さく息を吐けば優しい口調で問い掛け。かと思えば手を当てている怪我の部分にじっと視線を向け黙り込んだかと思えば視線を伏せたままぽつりと切なげに哀しげにも聞こえる言葉をつぶやいて。)



勝村さん、ありがとう ( にこ )

正直ここで勝村さんと話すのが癒しっていうか…あ、いや、背後の人の意見だよ？( 焦 / 頬染め ) これからもよろしくお願いします ( ぺこり )

…痛い。＿痛いし、苦しい。
（無理なんかしてないよ、と嘘を重ねるつもりが彼女の呟きによって言葉が喉につかえて出なくなり。唇をすこし噛みつつ視線を宙に彷徨わせてぽろりと一言洩らすと空いた側の手にぐっと力が入り。傷は痛むし、優しくて純粋な彼女の言動は嘘を見抜かれた様で何だか苦しい。でもそんな彼女だからこそ恋愛対象として見て貰えない筈と理解していても心惹かれてしまうのだろうなと感じて。「けど、本当に大丈夫だよ。生活に困るほど痛むわけでもないし」彼女の頭をぽんぽんとしては、ね？と首を傾げて。）



どういたしまして。（ふ）

僕の背後も真央ちゃんから返事が返ってくるのが楽しみで仕方ないみたい。あとは返事を考えてる時間も楽しいって。…俺自身も真央ちゃんと話せてよかったって思う、けど。（ぽそそ／視線逸らし）
こちらこそ宜しくお願いします！（ぺこ）

＿うん。じゃあ辛くなったら言ってね。行こう。
(彼の零した言葉にピクリと彼の傷に当てた手を引いては相手を見上げ。何て声を掛けようか、次出す言葉に迷っていれば頭に感じる温かい温もりに言葉を飲み込み。僅かに表情を和らげこくりと頷けば相手に無理をさせないように最後に念押しを。そうこうして早速部屋を出ようと相手の腕を取れば小さく笑いかけて。)

ごめん真央ちゃん、返信遅くなりそうなんだ。…しばらく待っててくれると嬉しい。です。（両手ぱちん）

連絡くれてありがとう。この時期は忙しいもんね。…もしかして勝村さんの所、地震の影響受けてたりするのかな。( おろおろ )

とにかく、私は待ってるから。( こくり ) 無理しないで、落ち着いたら返してくれればいいからね。( にこり )

結構掛かっちゃったな…。まだ、居てくれていると良いんだけど……。（不安げに眉寄せ）

勝村さん…？勝村さんだ！( 目ぱちくり ) 戻ってきてくれて嬉しい。 私はここに居るよ。おかえりなさい。( 微笑み )

地震は大丈夫だったのかな？( じー )

っただいま！（胸撫下ろし）…と。お待たせ。返事は前の続きから返せばいい？

地震については大丈夫、僕の所はなんともなかったから。（こくり）ちょうど忙しくなった時期と重なってたから判別し辛かったね。心配かけてごめん。心配してくれてありがとう。（にこ）

うん、おかえり。前のに返してくれてもいいし、新しく絡み文出してもらってもいいよ。お好きな方に。( 頷き )

そっか、ならよかった。忙しい時は遠慮しないでゆっくり返してくれていいからね。( にこ )

了解。 …いい、てんきだね。歩くのに丁度いいって言うか。
（優しさが嬉しくじんわり胸が熱くなっては小さく頷き彼女に笑い返して歩き出して。周囲を気にしつつチラリと彼女へ視線を向けると、話したいのは確かとはいえ、改めて1年振りに会う好きな人と二人きりという状況を実感してしまい年甲斐もなく緊張し始め、細く息を吸い込んで。）



新しい絡み文も考えたんだけど…真央ちゃんと散歩したくて、結局。（ぼそ）

ありがとう。真央ちゃんも自分のペースで返してね。

本当、良い天気。
(少年院を出て直ぐにストレイキャットへ向かった為、天気なんて気にする余裕などなく。外に出れば大きく息を吸い込み自由の身になったのを改めて実感して。「遠回りしちゃおうか。…なんて、欲張っちゃダメだよね。大丈夫？」想いを寄せる相手と青空の下肩を並べて歩くなんて夢にまで見た理想のシチュエーション。勝手に緩まる頬を抑えきれぬまま思わず自分本意な提案をすればすぐに我に帰り苦笑いを零せば相手を見上げて。なんとなく、先程よりもぎこちなく見える彼に眉を下げては体調が優れないのではと問い掛けて)


そっか、ありがとう。( もじもじ )

ゆっくり私達のペースで続けていけたらいいな、

…！ん、いやっ。何ともないよ。
（遠回りだなんて勘違いをしてしまいそうになるそんな言葉は確かに狡くてダメだと思う。つい嬉しさから来る驚きに目を瞬かせてしまうも変に勘違いしないようにと自分に言い聞かせて、どこか心配げな問い掛けに対し己の言葉を裏付ける如く首を横に振り。「遠回りしようよ。こんなに天気がいいんだし…ここに来るのも随分と久しぶりだから何処が近道だったか忘れちゃって」深い意味はないとしても彼女の提案は願ってもないことで。苦しい言い訳かもしれないと感じつつも笑みを浮かべて。）



でも、これからもっと色々できるといいね。…変な意味じゃなくて！（はっ）

きっと続けていけるよ。背後は続けていきたいって思ってるみたいだから。

いいの？へへ、やった。_あ！猫！
(問い掛けに対し首を横に振る彼に安心した様に微笑を浮かべ。思ってもみなかった、いや優しい彼ならそう言ってくれるかもしれないとかなりの望みはあったのだが、笑みを浮かべる彼に瞬き頬を緩め嬉しそうに笑顔を見せれば視線を逸らし。その先に野良猫の姿を見つけるとまた表情を明るくさせては声と共に駆け寄っていき。)



勝村さん、何で焦ってるの？( じろり )

ごめんね、少し間が空いちゃったね…。背後の仕事で少し遅れる事はこれからもあるかもしれないけど絶対に黙って消える何て事はしないから。よろしくお願いします。( ぺこり )