▼ 診療所について あなたはいつの間にか小さな白い箱の前に立っていた。いや、それは家だ。もっと言えば病院だ。右手に立っている看板を見ると、「診療所」と書かれている。 ……左手の畔にはイチジクの木が生えている。 ……もっと奥の湖畔の中には黄金色に脈打つ液体がたゆたっている。 あなたは「噂は本当だったのだ」と確信する。 そして一歩目を踏み出したあなたの手には、書いた覚えのない問診票が握られていた。