『蚕繭』 2024-08-25 20:21:07 |
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(/あるかも!まあでも頑張れば…めっちゃ頑張れば会話ぎりぎり成り立つので……。ええ、それ見た桑嶋が「何してるんですか。」ってすっ転んだ体勢のまま聞いて春翔さんにはちゃめちゃに突っ込まれてそう……。
解るわけ無いんだよう……真っ直ぐ言葉にしてくれるのでそれを参考に感情読むっきゃないですね。
恐らく命の危機に遭ったの一度や二度じゃ済まないですね。凄いぎりぎりの所で美術商や依頼人に見付かってる運の良さ……そして本人は起きるや否や「描きます。」とキャンバスに向かおうとする始末…本当に危機察知能力とか全く無いので……。
ですねえ……でも多分自分からはあまり描かないだけで、頼まれたらポップなのもデフォルメも描いてはくれるかと。「こういうの初めて描きますね。」とか言いながらちゃんとお金に見合うものお出ししますよ、きっと。
桑嶋本人的には沢山お話してくれて(出来てない)、一緒に展示見て回るのにお付き合いしてくれて(お金の為)、自分を守ってもくれた(不可抗力)ので好感度上がりましたね。全部桑嶋の主観ですけど……桑嶋普段は全然力無いから多分女性でも子供でも引っ張れますよ。おっ!では場面変えちゃいますね!!
桑嶋はどう考えても絵を贈る未来しか見えない気もしますがね……でも多分何かしらは違いますよ、ええ。そういう春翔さんも我の強さが夏っぽいな~とか気ままさが春っぽいな~とか色々考えちゃいますねえ……。いいえ~!むしろ是非是非たくさんやりましょ~!!)
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( 美術商に手を引かれたその後、車で家まで送られる最中までずっと説教通しだったが、耳は苛立ち声も雑言も弾いてぶつぶつ独り言。それ所か車から降りる事を忘れてしまい、気が付けば座席を引き摺り下ろされ玄関先に放り出されていた。――それから少々の日数が過ぎ。正式にあの女性から美術商を通して依頼を貰い、その構想に本格的に入る前。一人外へと出たまでは良いが、目の前を通り過ぎていった綿毛に気を取られ、それを追いかける内に外出した用もすっかり忘れて。何とか捕まえたそのふわふわの植物を指で摘まんでじっくり観察する其処は、それなりに人目もあるランニングコース付きの大きな公園。明らかな不審者を見る目を向けてくる親子連れなどを余所に、しゃがみ込んでまた暫く思考にトリップする事数時間。雲がどんより垂れ込んで、今にも雨が降ろうかという暗さになった頃に意識は現実に戻り、「……帰りましょう。」などと誰に届く事もない言葉を起立と共に落とす。その足で公園の出入り口まで来た所で――はたと立ち止まり、ゆらりゆらり頭ごと辺りを見回す事数回。「…オレの家は何処でしょう?」どちらもそちらも見覚えの無い景色に首を傾げて悩む時間は数秒程度、「ええと……此方ですか。」連絡道具も何も持たないその身一つ、一番当てにならないポンコツの直感で来た道とは全く違う方向へと、古びたサンダルの底をずりずり擦る音を鳴らして歩いていく。)
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