『蚕繭』 2024-08-25 20:21:07 |
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(/良いですね~…本人は解り易く言ってるつもりの桑嶋と困惑する春翔さん……そしてにこにこの背後…絶妙な対比かと。
魚食べてる時のカワウソか、骨ガムでえぐい狂暴な面になる犬
をご想像下さい。大体それで合ってます。それはもう是非言ってください、正直背後も思ってますので。桑嶋また首傾げるでしょうけど……。
わ~嬉しい~!!獅子の絵は『日の丸』と『夏生まれの星座』をこねこねしてみたもの……と、赤色もライオンもシンプルにイメージとして暑そうだなという単純なそれです!!私も出力出来るものならしたいですね、画力ゼロですけど。
むしろ春翔さんらしいご質問で大変宜しいです。しょうもないなんて事もありませんよ、折角ですし、この辺桑嶋との感覚の差がはっきり出るよな~と対比の描写などさせて頂きました。ふふ、とっても有難いです。私もわくわくどきどきしながらそちら様からのお返事待ってるので、ここだけの話はお互い様ですね。)
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( 誰も彼もが黙って立ち止まり、呆けて見惚れる涼やかな絵画の前。その作者である己も例には漏れず、寂寥を吐き出した後にもまたぼんやり見上げていた。しかし、ふとその例外――絵画そのものに然したる興味を見せない彼から問う声が、トリップしていた此方の意識を引き戻す。「……いくら?」そちらに顔を向け、何処と無くきょとんと面食らった僅かな上擦りが反芻に滲む。それからほんの少し固まり、「……ええと。画商さんは、三百より上で売れたと確か話していました。」淀む音の数秒後にようやっと思い出した様子。無論単位は小銭ではなく札束の額だろうそれを、何でもないような一本調子でさらりと伝え、「アンタと居た人が買った絵も、二十くらいの値段付いてたはずです。」続けて目の前の彼から連想された彼女へ渡した、大きめのノート程しかない、片腕で抱えられるサイズの水彩墨画についても序でに言及して。「…道具が買える値段で充分だと言っているんですけど、いつも聞いてもらえません。」その最後、芋づる式に掘り起こされた美術商への文句も吐き捨てて、漸く口を一度閉じ首を戻す。――と、不意に。やや遠くに聞こえていた女性の甲高い声が、二人分のヒール音と争う声を引き連れて近付いてくるのが耳に入り、今度はそちらへと視線が向く。すれば視界に入るは当然此方に向かってくる女性、それともう一人険しい顔をした老婦人。彼女らを不思議そうにまた頭を傾けぽけっと見ていると、その二人が己へ次々と激しい剣幕で言葉を浴びせてくる。どうも曰く、別ブースにある“かき氷とカラフルな果物で出来た白猫の絵”をどちらが買うかで揉め、相応しい方を作者に尋ねにきた模様。しかし当の作者はといえば、その二人の迫力に気圧されたように三歩ほど後ろへとよろめき、己が連れ歩いた彼の真後ろへすすすと引っ込む。そのまま自身よりもやや低い位置にある両肩へと諸手を置いて身を縮こまらせ、「……絵を売るのはオレじゃないです。画商さんです。」こそこそと彼の背に隠れたその陰から二人を見つつ、ぽつり返す答えは“甲乙判断付かず”。それに余計にヒートアップする口論へ小さな唸りを溢して、「……困りました。恐いです。」彼の背中越し、やはり今一つ緊張感に欠ける茫洋とした物言いで状況に困惑を示しては、更に身体を小さく折り曲げ彼を盾と頼る。)
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