東 2024-07-20 01:24:27 |
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たしかに。高一ん時とか、私が何褒めてもすっげー迷惑そうにしてたもんな~。
(けらけらと冗談めかして笑いながら、差し出された皿からピザを一切れ手に取る。逆の手でポテトフライの皿を平側に押し出し、お返しに食べなと顎で軽く合図した。
平の言う通り、数年前まではこんな風に平と仲良くしてるとこなんて想像もできなかった。べつに私は避けてたとかじゃないけど──むしろ、平の方が“近寄んなオーラ”出しまくってたよな。ウザがられてるのに気付いてはいたけど、日に日にオシャレになってく平を見てたらめっちゃ努力してるんだなーって思って……ずっと密かに応援してたっていうか、なんかほっとけなくてついつい声かけまくっちゃったんだよね。最初はあんなに迷惑そうにあしらわれてたのに、いつからこーやって普通に話せるようになったんだっけ。知らん間に受け入れられてた感じするな、私……?まあ、今でも定期的に拒絶されてんなって察しちゃうことはあるんだけど。
なんて考えて小首を傾げつつピザを口に入れる。ゴストのピザ、やっぱ美味しいな。前に食べた時と何も変わってない、安定の美味しさだ。)
──今度さ、なんかお礼させてよ。平、ここ奢らせてくれないじゃん?だから、どっか近場でゆる~く……いつでも息抜き付き合うぜ的な。
(変わらない味のピザを食べながら、ふと思ってしまった。たった数年間でこんなにも変わった私たちの関係は、今から数年後にどーなってるのかなって……。せっかく前より仲良くなれた気がしてるのに、このままいけば大学も離れてだんだん会う機会も減っていって、こんな風に話すこともなくなっちゃうのかな。──やだな。って思ったら、衝動的にとんでもないことを口走ってしまった。自分で言っといて、勝手に心臓がバクバクしてくる。いやいやいやいや、何やってんだ私。ついこの間、遊びに誘おうとして露骨に嫌な顔されたばっかじゃん。いくら近場っていっても、やってることは何も変わんない。二人で出掛けたいなんて誘っても、また同じ顔されるに決まってるって──何より、こんなことばっか言ってたら気持ちバレちゃうかもしれないだろ。しっかりしろ私。
汗がやばい。すぐさまハッとしてあたふたし始めたところで、一度口にした言葉を取り消せるはずもない。ジタバタと両手で大げさに身振り手振りしながら、せめてもの誤魔化しのために「ほ、ほら。みんなも誘って。」と付け足そうとした。)
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