東 2024-07-20 01:24:27 |
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イヤだろ、娘のこと苗字で呼ぶ父親……。
(眉根を寄せて半ば呆れ気味にそう告げて俺もひひひと笑う。
……よし、うん。
フツーだよな。普通に、できたよな。
東がけとけと笑う姿を見て安心する。
ああ、やっぱりこいつはこういう顔の方が似合うよなり
中学の時とは髪型もまとう雰囲気もまるで違っていて。陽キャグループとつるんではいても悪ノリに流されたりはしないようなどこかクールなイメージがあった。
その頃のまま――そのイメージのままならきっと俺は東とは今こうして一緒に歩いてはいないだろう。
だが、である。
だからっていま俺が東の悪ノリに付き合うかといえばそれは別な話。軽妙に棒読みしてくる東に俺は思わず顔を顰めた。)
俺はどのポジションなんだよ。そもそもパパもアズじゃねーかよ……。
(じっとりと睨んで返す。別にいつまでも擦る気はないがそのパフェにアズキは入ってんだろうな、なんて思いながら。
『レストラン ゴスト』の自動ドアをくぐって内扉の取っ手を引く。からんからんとドアについた鐘がけたたましい音を立てて来客を告げる。
ここのゴストは前に来たことがあるがその時とは内装やテーブル席の配置が微妙に異なっている気がした。店員は手が離せないのか『お好きな席へどうぞー』なんて声が飛んでくる。確かに誘導が必要なほど混んではいなさそうだった。二人で使うにはアレだが俺は大きめのボックス席を東にちょいちょいと指し示した。)
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