東 2024-07-20 01:24:27 |
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──?
(やばい。何言ってんのか全然わからん。悩みとか不満とかモヤモヤとかって聞こえたから、疲れてて元気ないわけじゃなさそうだけど──じゃあなんだ?私、何かした?ここには平と私しかいないし、このタイミングで平をモヤモヤさせる要因っていったら私くらいしか思い浮かばないんだけど──心当たりがなさすぎる。私はぽかんと首を傾げちゃって、さっぱりわからんってのが顔に出まくってたと思う。
いやまあ、このタイミングに限らなかったらさっきから心当たりはありすぎるんだけど。大雨の中失くしたキーホルダーを探してて結果的に平に傘買わせる羽目になっちゃったり、元カレとの面倒なゴタゴタに巻き込んじゃったり、それで泣かせて怪我までさせちゃったり……むしろ、心当たりしかないじゃん。溜まりに溜まった不満が、時間差でいま爆発しそうになってる的な?だとしたら、まずはどれから謝ればいいんだ──平の顔を見つめながらどう声をかけようか考えてたら、先に口を開いたのは平の方だった。)
へ?あ、ああ……うん……?
(私をスッと追い抜いて歩き始めた平の背中を眺めながら、何とも言えない不安な気持ちになる。この感じ、どっかで──そうだ、あの時だ。みんなでイルミネーションを見た帰り道、あーこれ平に避けられてんなって気付いちゃったあの感じ。今だってなんか不自然に突き放されたような気がするし、やっぱ私ちょいちょい拒絶されてるよな……。ふと、今朝の出来事を思い出す。私が平の手を取ろうとした時も、思いっきり嫌がってたな……。)
…………。
(脈ナシなのはわかってる。けど、友達としてならフツーに仲良い方だと思ってたのに。時々こうやって平に距離とられてるのを察する度に胸がチクッとして、心が折れそうになってしまう。でもファミレスには行ってくれるっぽいし、嫌われてるってわけじゃなさそうなのに……平は一体、何を考えてるんだろう。何とも言えない不安と寂しさに押し潰されそうになるのをグッと堪えながら、背負っているカバンの肩紐を両手でぎゅっと握りしめる。それから、平の後を追うように私も歩き始めた。)
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