東 2024-07-20 01:24:27 |
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疲労っつーか苦労っつーか……いや別にたいしたことじゃねぇってわかっててもどうにもならねー不可逆性についての悩みなんだよ……そもそも何についてのアレなのかも全然わからねぇし……俺ごときが何目線で不満を抱いてんだっつー話だよな……わかってんだけどなんかモヤモヤしたもんが腹の下に積もってく感じがまた困るっつーか……ブツブツ。
(テンション上がらんって? むしろなんか下がったわ……。
俺ははぁ……とでかいため息をついた。身体の中心に澱のように濁ったソレを少しでも吐き出したかった。
ふと東が近づいていくる。俺がこの階段で疲れたとでも勘違いしたのか。さすがにこんな程度で息切らすほどヤワじゃねーよ……。
と思ったのだが。
いや顔、近っ。
俺を見上げるように覗き込むその髪からほんのりと知ってる香りが鼻腔をくすぐる。健康ランドのトリートメントかもしれない。
グレーのおり混ざった水晶石のような瞳が目尻の緩やかな流れに沿ってくりくりと動いてみえて。こいつ、睫毛なげーよな……。なんて。そんなことを思って。
一瞬――ふと湧いた衝動に俺は拳をぎゅっと握りしめて顔を軽く引いた。)
…………腹減ってんだろ。行くぞ。
(極力平静を装ってぶっきらぼうに言い放ち東の横を通り過ぎて先を歩く。
…………俺、今なにしようとした? ……触れようとした?
まさか……。いやいやいやいや。
軽く被りを振って何故か火照った顔を少しでも冷まそうと試みた。)
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