名無しさん 2024-06-23 15:07:43 |
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『本当ですか!では良い感じのお店探しておきますね。ユキさんとのご飯、楽しみにしてます!』
( 偶然、というか奇跡的に提案した日時と都合が合ったようで、ここまできたら神様が雲の上のどこかで僕の運勢を操作しているとしか思えない。なにもかも実力不足なところはコンプレックスだが、昔から運だけは良かった。そんな自分の強運に感謝しつつ、返信を打ってさっそく当日のプランを練り始めた )
───あ、ユキさん!!……って、大きな声出しちゃった、すみません…
( 一週間はあっという間に過ぎていき、彼との約束の日。ディナーの方が食事が終わった後にも気を遣わず別れることができるだろうと、夜の時間帯に駅前で待ち合わせをしていた。僕としてはいつまでも一緒にいようと苦じゃないのだが、彼からすればまだ知り合ったばかりの信頼が置けない奴だと思う。最初のうちは一歩ずつ進展していけばいいだろうという考えだ。なんだか恋愛テクニックでも駆使しているような不思議な気持ちになっていると、ふと彼の姿を見つけ、思わず大声で名前を呼んでしまって。慌てて声量を抑え、今度は極端に小さな声で平身低頭して謝る。昨夜上手く寝付けなかったせいで若干寝不足で疲れも出ていたが、彼を見た瞬間、途端に元気が湧き出てきた。青みがかった色付きサングラスと黒マスク越しでも隠せぬ笑顔で、彼を連れてとある店へ向かって歩き出して )
せっかくのイタリアンなんですけど、僕あのお店のたらこスパゲッティが好きで……美味しいですよね、たらこ!
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