名無しさん 2024-06-23 15:07:43 |
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えっ……い、いいんですか?ありがとうございます!今夜生放送終わったらすぐに登録して連絡しますね!!
( サインと一緒に渡された連絡先に目を白黒させて、それを受け取るとMV撮影でもなかなか出さないような満面の笑みを浮かべて心から礼を言った。下の名前まで覚えてくれてるんだ、しかも漢字も合ってる、すごいな……としばらく多幸感に浸ったままサインを眺めていると、楽屋の外から僕を探していたらしいマネージャーの声が聞こえて一気に現実へと引き戻される。そろそろ行かなければいけないのかと名残惜しさもあるが、この喜びを糧にすれば次の仕事も頑張れそうだ。あらためてユキさんの方へ向き直ると、深々とお辞儀をして『本当にありがとうございました。絶対ご飯行きましょうね!』と伝えて、帰り際、何度も振り返ってはへらりと笑いかけ、少し進むとまた振り返り、笑って。そんな調子でなかなか出ようとせず、最終的に痺れを切らしたマネージャーに外から引っ張られようやく楽屋から出て行った )
───『夜分遅くに失礼します。こんばんは、住岡です。本日はお世話になりました』と……んー、やっぱり事務的すぎる気もするけど…最初はこのくらいでいっか。よし、送信……!
( 音楽番組の生放送が無事終わった。どうやらユキさんとの交流でアドレナリンが大量放出されたのか、なかなか良いパフォーマンスが出来た気がする。今日のスケジュールを完遂した今は、自宅でぶつぶつと一人言を呟きながらスマートフォンと睨み合っていた。番組を見たファンの反応をエゴサするのも後回しに、かれこれ小一時間ほどメッセージの文言について悩んでいたが、ようやく送信を押す。つい数時間前までカメラの前で歌い踊って、いつもより調子良くファンサを決めていた"アイドルの住岡美風"の姿はそこにはなく、ただ彼からの返信を待ち望むしがないファンの姿だけがあった )
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