名無しさん 2024-06-23 15:07:43 |
|
通報 |
( そういえば夜に音楽番組があったなー、なんて相槌を打ちながら自分たちの楽屋にたどり着くと、中に入るように促してテーブルに置かれた色紙と油性ペンを手に取る。あまり時間を費やすものでもないので実はあまり書きなれていないサインを手早く色紙いっぱいにでかでかと書いて、右上と左下には“住岡 美風くんへ、雪山 ユキより”を追加する。お笑い芸人がアイドルにサインを書くって変な感じやなぁと俯瞰していると、今度は食事に誘われてしまい瞬きを数回繰り返した。
驚きのあまり色紙から顔を上げたまま固まっていると、此方の返事を待たずに相手が謝ってくるものだから、慌てて「ええけど」と言葉を発する。)
別に変なことでは無いやろ。いや、正直ビックリしたけども。あれやな、住岡くんって案外積極的やねんな。
ちょっと待ってなー、住岡くん、今まだ携帯持ってないやろ?
───はい、これ、俺の連絡先。仕事終わった後にでも登録しといてな。
( まさか食事にまで誘われるとは到底思っていなかったのだが、まぁ、異業同士で交流するのも良い刺激にはなるだろうし、彼の言葉を聞く限り、彼は純粋に自分と仲良くなりたいと思ってくれているのが伝わるし、そんな子犬のような顔をされては無下にすることは出来ない。
サインを渡す際、そこら辺に置いてあった裏紙をちぎり、自分のIDと電話番号を書いてサインと共に差し出した。)
| トピック検索 |