アスティ 2024-06-05 12:58:40 |
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うん、もう頂上だよ。ほらこっちへ来て下を見て、凄く綺麗でしょ?
(最後のハシゴを登りきれば改めて、相方の自分のものより一回り大きく頼もしく、力強いその手を物理的にだけでなく心の結びつきをより感じようと握りしめて。繋ぎ合う手からまるで体温が一つに混じり合い溶け合っていくようなそんな感覚に薄ら頬を赤らめながら無邪気に笑いつつ、やや強引にぐいぐいと相方の手を引いて歩みを進めれば周囲を木製の柵に囲われた円形の床の上、ベンチが置かれ、そこに座って街並みを一望することもできる小さな展望台へと案内をして。幸いにも先客は他に誰もおらず相方と繋いだ手はそのままに、眼下に広がる辺り一面にオレンジの明かりの灯った美しくもロマンチックなようでもある、そんな景色へと視線を投げかけて。相方にも是非とも見せてあげたいと思っていた光景……豪快なようでいて実は楽器が得意であったり、旅先でもその地域ごとの特徴なんかを感じ取って楽しむ繊細な感性も少なからず併せ持つ、そんな彼の目にはここからの景色はどんな風に映っているだろうと口角を上げた笑みを浮かべながら、傍らで顔を見上げるようにしてその反応を窺っていて)
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