アスティ 2024-06-05 12:58:40 |
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ふふ、そうだね!ドワーフ謹製のお酒も楽しめるかもしれないし、楽しみだね
(合法的に昼間から飲んだくれることができるなんて、なんとも相方らしい着眼点にクスクスと可笑しそうに笑いながら賛同して、手先が器用でもの作りに長けたドワーフの酒造技術についてはそれなりに広く知られており、酒を嗜む者なら一度は楽しんでみたい逸品に出会える可能性があるとくれば、酒好きの相方でなくとも期待に胸が膨らんで)
(やがて船は砂漠の国のゲートへと到着し、外では後続部隊として祭りへと参加予定だった冒険者たちが出迎えて。その人混みの一番前に立つ威厳を感じさせる高貴な身なりをした初老の男性が前に進み出ると、船から真っ先に降りようとスロープを歩くダグラスを睨みつけて)
「ダグラス、これはどうした事だ?」
『へ、陛下!?何故このような場所へ…!?』
「先に質問をしているのはワシの方だ。まあよい、弁明があるなら後でじっくり聞かせてもらうとしよう…連れていけ」
(男性を見た途端スロープより危うく転落しそうになるほどの勢いで狼狽えるダグラス、その態度と発言から国王が直々にここまで出張ってきたのだということがわかり、とんでもない不祥事を起こした自覚があるダグラスは顔が真っ青になっていて。そんなダグラスへと冷やかな言葉と目線をなげかけた国王は側に控える兵士たちに命じて彼を連行して)
「勇敢なる戦士たちよ、ワシは国王アンドルフ。大方の事情はここに残った者たちより聞いた、此の度は我が配下の失態により其方らを危険に晒し、心より申し訳なく思う…よくぞ生きて戻ってくれた。ダグラスには然るべき処分を下す、ガイアシザー討伐の褒賞も用意しよう、ここはワシに免じてどうか怒りを抑えて欲しい」
(連行されるダグラスのことなど一切気にも留めず、生き残った前線部隊の前に立つ国王アンドルフは、一国の王でありながら自らの部下の失態を恥じ、その責を一身に背負い、冒険者に過ぎない自分たちに向けて頭を深く下げて謝罪をして。ダグラスの上に立つ者とはとても思えない心意気を示したその姿に不満をこぼす者はこの場には誰もおらず、後日恩賞も兼ねた大規模な酒宴が開催される運びとなって)
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