アスティ 2024-06-05 12:58:40 |
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覚えてるよ、それ見て出てきた感想が美味しそうなんて、食い意地張ってるみたいでなんだか今になって少し恥ずかしくなってきちゃうけど…思えば遠くまで…っ…!な、何…!?
(砂を掻き分けて進む船の速度は思っていた以上に速く、風に煽られ飛んでいきそうになるキャスケットを両手で慌てて押さえ相方に感謝の意を伝えるようにニッと悪戯っ子のような笑みを向けて、海で見た大きな魚、それを見た時に感じた感想まで明確に思い出すことが出来れば、食にそれなりに貪欲なのは誤魔化しようのない事実ではあるが、とはいえもう少し気の利いた感想は言えなかったものかとあの時の自分を省みて少し恥ずかしくなり、苦笑浮かべ目線遠くに向けて。不意に思い起こされた懐かしい記憶に少しばかり感傷的になりかけた思考は、辺り一帯に響く地響きにより中断させられれば少し離れた地点の砂の地面が大きく隆起していく様子を視認して)
…!あれがターゲットの……!…っ…すごい砂煙りで視界が…!
(砂の海から浮上してきたそれは、長い6本の足と一対の巨大な鎌のような形状をした長く鋭い鋏を持ち、全身を真っ赤な鉱石のようなものに覆われた全長は40m近くありそうな大きな蟹のような姿をした魔物で。鋏をドスドスと砂地に叩きつけてみせれば砂で周囲がまるで砂嵐のように巻き上がり、その激しさに思わず顔を背けて)
『いよいよお出ましか…だが、聞いていた話とは様子が違うようだが…?』
「そうですよね、明確な敵意を向けられない限りあまり攻撃性は高くないと聞いています」
(騒ぎを聞きつけた前線部隊の冒険者たちがゾロゾロと甲板に集まってきて、本作戦に向けて下調べは十分にしてきたらしいアルバスとソリスはガイアシザーの様子に違和感を覚えたようでそう漏らして)
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