アスティ 2024-06-05 12:58:40 |
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…っあ…待って…ロゼ…駄目──っ!
(あまりにも異質で悍ましい何か、人為的に作り出されたものではない…もはやこの世のものであるのかすらも疑わしいソレ。見るからに関わるべきではないモノだと一目見てわかるのに、フラフラ誘われるように近付いていく相方、本来ならすぐにでも引き止めるべきと頭では理解していながらも根源的な恐怖に身が竦み、身動きはおろか声を発することもできず、どうにかして声を絞り出せたのは人型のソレが彼に触れるその瞬間で、もう間に合わないと理解しながらも、彼を連れていかないでと哀願するように声を上げ)
(かくして、想いは天に通じたのか間一髪のところで相方の身体がラクダによって突き飛ばされ、その瞬間この場を覆っていた不気味で薄ら寒さすら感じさせていた気配が弱まっていくのを肌で感じ、相方の無事を確認して張り詰めていた緊張感が解けたことで一気に脱力し砂地へとへなへなと座り込んで)
良かった…ロゼが無事で良かったよ…もし、ロゼに何かあったら私…!
(あの瞬間に相方の目に見えていたもの、その正体こそが未だに彼の心を苛み続ける埋まらぬ隙間に突き刺さったままの杭なのだと改めて理解して。彼の相棒だなどと言いながら、自分にその杭を引き抜くことは能わず、今もこうして何もできないまま大事な相方を失うところであった。己の無力を痛感しながらも結局は相方を頼りにし、縋ってしまう、いつからこんなにも自分は弱くなったのだろうと目の端に涙浮かべながらラクダに乗り込もうとする相方の背に抱きついて)
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