アスティ 2024-06-05 12:58:40 |
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(彼の過去に暗い影を落とす黒い翼に緋色の瞳を持ち人の言葉を話す魔族、自身はその特徴を持つ者に一つ心当たりがあった。天界で生まれながら黒い欲望と野心に染まり自らその身を闇に委ねた大天使。風貌だけであれば他にも同じ特徴を持つ者もいるだろう、しかし彼が語ったその存在は人語を話すのだという。そして彼の故郷が破壊されたのがおよそ10年前…彼女が自分の前から姿を消した時期ともちょうど一致する、それら全部が単なる偶然の一致とは思えなかった。途中口を挟むことなく彼の語る全てを聞き終えると、夜風を浴びてくるというその背中を見送りベッドへと倒れ込む。自身にとって忌々しくもあり、温かくもあり、そして決して忘れ得ない痛み…)
違う……!違う……!私はただ……!お父さん、お母さん……みんなっ……
(自分の愛した場所、愛した人それら全てがたった一晩にして失われた、何も知らなかった…誰よりも敬愛していた彼女を信じ、言われるがまましたことがこのような結果を招くなんて考えもしなかった。無知である事は何よりも愚かな罪である…あの日突きつけられた言葉が、罪が今もこの身を焼き焦がし続ける…)
……でも、ようやく……帰れそうだよ……ふふっ……あはははっ……
(しかし、そんな苦しみからもやっと解放される、この旅の果てに自分はようやく救われるのだ…。だというのに、心は晴れない…頭にちらつくのはここまでの旅路を共にした相方の顔。わかっている、自分は彼に絆されてしまっているのだ、これまで自分が信念を持ってやってきたことの根幹が揺らいでいるのだと…。枕へと顔を押し当て、一人静かに泣き声とも笑い声ともつかない声をあげるのであった)
ううん、気にしないで。ロゼがいつもの調子に戻ってよかった、それじゃあお宝目指してしゅっぱーつ!
(自身もまた、昨晩の出来事を引きずることなく普段通りの調子で相方へと微笑みかけると、元気よく拳突き上げ出発の号令をかけて)
***
私からも核心に触れる部分はぼかしつつ過去を挟み込んでみたよ。黒翼の魔族設定を残して欲しかったのは私の過去にも絡ませたかったからなんだ。ちなみに、最初から私ともう一人堕天使を登場させたいと思っていたから、黒翼の魔族に関する設定を聞いた瞬間、これだ!って思うと同時に少し驚いちゃったのは秘密。
…と、また語り出したら長くなっちゃった。
とにかく、今後ともよろしくね!
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