伏見静 2024-05-20 07:55:48 |
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(先程の問い。伏見にとっては返答など求めていなかった声掛けであったのか、貴方の苛立ったような返答にぱちり、と瞬きが漏れる。片方の爪の斬撃を刀で軽くいなし、刃が削れる音を立てながら怪異の爪を気休め程度に切断した後─霊縛の護符を取り出した貴方をちらりと見遣った。─真面目だったり、変なものに好かれやすかったり─と、どうにも掴み難い男だと思っていたが、どうやら多少は気骨があるらしい。貴方が爪の斬撃も厭わず、懐へ飛び込む様を僅かな感心と共に、その場から足を一歩踏み出した。黒いソックスがフローリングを滑る、布と木材が擦れる音が響く。─霊縛は成功したらしく、護符に書かれた文字が青白い糸に変化して怪異を拘束した。「……ご協力どうも。」そうして、伏見は動きを封じられた怪異を横目に─手袋の指先を歯で噛んで外し、「……赦し給え」と小さく呟いた後─自身の持つ刀の峰へと青白く細い指先を滑らせる。指が峰を滑る度に、刃は伏見の肌よりも青白く冴えた光を放ち─伏見の喉からは弱々しい咳が漏れ出した。そうして、咳き込んだまま─伏見は青白く光る刃を構え、怪異の頸を一太刀で斬り伏せる。ごとん、と音を立ててフローリングに転がる首、断末魔の代わりにじりん、と一度だけ鳴り響く鈴。その傷口から頭は生えてこない─否、既に生えてくることは不可能だった。首の傷口から腕、胴、足へと─青白い炎が怪異の身体を舐めるようにぶわり、と広がり、あっという間に燃やし尽くしてしまう。怪異が燃え尽きても尚、青白く揺れる炎を昏い瞳に映しつつ─伏見は相変わらず咳いている口元を素手で覆いながら、ぼんやりとその場に佇んでいた。「……殲滅完了、ですねえ。……戻りましょうか?」ふと思い出したようにそう口を利けば、先程の炎には一切言及する気配もなく踵を返し)
(あっ、アンパン○ンのつもりで言わせたので正解です…!了解です…今回は初回ですので、かなりあっさり目に終わらせておきました…!炎を纏った刀がカッコいいので勝手に動かしてしまいましたが、大丈夫でしたでしょうか…?)
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