Universe Hang《SF/近未来/サイボーグ/3L/戦闘》

【いろいろ説明】

《ドレインダスト》
雨と煙に包まれた、地球最大の工業都市。とはいえ地球の悪辣な環境に長年晒され、オマケにろくなメンテナンス設けていないということで残っているのは天を覆う赤錆まみれのパイプや建物の残骸ばかり。地下にはアリの巣のように張り巡らされた地下街があり、多くの住民はこの地下街や地表の降雨量の少ない箇所に居を構えている。
中央にはセンターと呼ばれる交易塔が設立されている。

《センター》
地表から衛星軌道上まで続く軌道エレベーター兼交易塔。太陽系外から持ち込まれた物資などが運び込まれており、地球の物資と物々交換で様々な代物を手に入れることが出来る。但しそのレートは暴利も暴利。そもそもの目的が地球の僅かな残存物資を根こそぎ回収することであり、持ち込まれるのは半世紀以上前の型落ち品ばかり。それでも地球の科学水準と比べると最先端級な上に、そもそも反抗できるほどの武力も無いためこの取引が押し通されている。
尚エレベーターでもあるため、高い金を払えば衛星軌道上まで行く事が出来る。最もそこから先に行くための宇宙船は別料金であるが。

《メモリーチップ》
全宇宙きっての大富豪、ブルジョア・リッチマンがドレインダストへと落としてしまったという記録素子。中に入っているのは惑星開発計画についてのデータであるとか、或いは不老不死研究だとか噂されるが真相は不明。
機密保持の為に一年でデータが抹消されてしまう仕組みらしく、それまでにリッチマンへと届けるべくドレインダストの住民は血眼になってこれを探している。

《義体》
現在の地球は大気に有害物質が多量に混ざり、気温は常に50℃近く、オマケに空から重油の雨が降る始末であり生身での生存は確実に不可能。そのため地球に移住し続ける人類は脳を除く全てを機械の身体に置換して生活している。最もそのほとんどが現地球では整備修復困難な精密部品であり、現物はセンターでの交易からしか手に入らないような希少品ばかり。その為多くは遺棄されたジャンクパーツを継ぎ接ぎに繋げて補修する。
生命維持機能の全てもまた機械により補助されており、睡眠不要交配不能食事不能の三拍子。その為味覚を感じる機能もない。

《重装甲義体》
義体の装甲は堅牢であるが、その耐久性はIIIAレベルの防弾ベスト程度。旧世紀ならまだしも現代ではやや心許なく、そこで販売されているのが重装甲義体。
一般の義体が装甲板の上からシリコン合皮を被せるのに対して、これでもかと分厚い装甲を重ね機動力を損なわないように出力を増加させた、兵器用とでも呼ぶべき義体。
火器内蔵式の物も多く、極めて強力な物である分非常に高額。部分的にならまだしも全身を置換するとなると、その分の代金を宇宙外逃亡の資金に回した方がマシと言えるほどの大金が飛ぶ。

《娯楽》
法が無いため大規模な金銭を賭けた賭け事は暴力で有耶無耶にされがち。その為唯一残されたまともな娯楽は食事のみだが、機械の身体で取れる食事は小脳直下に差し込む栄養アンプルしか存在していない。但し過去の食事の味覚電気信号を脳に伝える味覚素子なるものが存在しており、ソケットに差し込むことで擬似的に味を感じることが可能となっている。最も、センターからしか購入出来ない高額使い切り品であるが。

《素子》
素子には味覚素子以外にも記録素子や電子麻薬素子等が存在している。
記録素子は学習データの内蔵された素子であり、差し込むことで軍人さながらの格闘技術や射撃技術を得ることも可能。また過去の美麗な地球の映像を内蔵した代物もあり、芸術鑑賞目的での価値も高い。その他には他人の記憶を抜き取り見る違法記憶素子も存在する。
電子麻薬素子は読んで字のごとく。
これらの素子には当然非正規の違法品も多く、そういったものは安価な分ウィルス感染や膨大かつ非調整のデータ流入による人格破損のリスクも高い。また、他人の記憶を宿した通称"記憶素子"により脳を"上書き"する事で肉体を乗っ取ることを画策しての記憶素子販売も稀ではなく、万が一引っかかった場合、仮に人格上書きを回避しても記憶や人格が混濁し廃人になる場合が殆ど。また、人格を書き込んだ側も素子の容量の都合上最大でも元人格の6割程度までしか人格情報を保存できない。

《ドレインダストの治安と銃火器》
治安は控えめに言って劣悪。センターから一歩でも出たなら治外法権、いつ銃弾が飛んでくるか分からないデッドゾーンであり、住民の殺し窃盗といった犯罪に対する忌避感も皆無に近しい。道の端を見れば取り敢えず誰かの義体の残骸が見つかるという始末であり、これでも地球の中ではマシな方。
手ぶらで歩けばまずスクラップになる世界の為、必然的に銃火器、それも義体の装甲を粉々に出来る大口径の代物が必需品となっている。如何に反動が大きかろうが馬力で制御出来るため、20mm弾を放つ小銃、などという非正規のゲテモノジップ・ガンは珍しくない。一方近接武器はと言うと、義体が硬い為切断、溶断はまず不可能な為刃物全般が観賞用と成り果てている。質量兵器や馬力による破砕、貫通は有効だが銃火器相手にそれをやる事自体がリスキーな為保険程度に持つ者がたまにいる程度。