検索 2022-07-09 20:46:55 |
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アレは被害者の場所を特定する為の作戦だ。組織にしたって彼らが求めているのはぼくの頭の知識だ、易々と危害は与えられないだろうしきみが助けてくれるだろう? …うるさいよ。 それにきみだってガラスに生身で突っ込んでこんな怪我をしている。ハードボイルドか何か知らないが毎回無茶をして怪我してきたり自分の身を顧みないきみには言われたくないね
(今回拐われたのは自分の意思であり不始末ではない。かち合った目線はそのままに表面上は冷静に見える口調はそのままで反論を返す。組織だったらという懸念は今気付いたが自分の意見は崩す気がない。それが無知故の楽観や傲慢さであることや無意識下の相棒への絶対的信頼と甘えであることには気付けていなかった。自分の発言の何かが気に障ったのか胸倉を掴まれお互いの顔が近付いた。それでも怯まずに睨んできた相棒を睨み返していたが『自分には身を守る手段がない』と言われると先程まで饒舌だった口が一度止まる。それはケーキ屋でド.ー.パ.ン.ト.と対峙した時に何度も思ったことだ。相棒みたいに喧嘩が出来るわけでもこの身体で変身できる訳でもない。だから相棒を呼ぶまでの時間稼ぎしか出来なかった。何も出来なかった。それは今回の事件全般に言えることだった。検索だってキーワードが足りずに情報を絞ることが出来なかった。あの時動かなければきっと相棒が探してくれるキーワードをこのガレージで待つことしか出来なかっただろう。それでは相棒の役に立つことが出来ない、相手と対等な相棒にはなれないかもしれない。今回だって勝手に動いて迷惑をかけてしまって、その結果が胸倉を掴む相棒の手だ。そんな無力感を肯定された気がして、そしてそれが正論だからこそ子供みたいな言い返し方しか出来なかった。だが自分の身を危険に晒すという意味では相棒だって似たような物だ。胸倉を掴む手に触れるとこれが証拠だと見せつける。ここに来てからの短い間でもカッコつけなのか背伸びなのか知らないが平気で無茶をして全身傷だらけになろうが笑みを浮かべる相棒の姿もあった。その度に胸がちくっとするし、何度か苦言を呈しても辞める兆しはない。自分なら大丈夫と思ってるのは相棒のほうだ。その事を取り上げれば突き放すように言葉を放つが自分が今怒ってるのか悲しいのかムカついてるのかも分からなくてうっすら瞳に水の膜が張り始め)
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