狐の面 2022-06-16 12:41:30 |
通報 |
名と瞳の色を褒めて下さりありがとうございます。大変嬉しく思います。
式……で御座いますか…?
(気に入られたのかは分からないがどうやら自分は薄皮1枚と言った感じではあるがどうやら相手の機嫌を損なうような事はしなかったらしい、自分の判断力と語彙力、知識を今日ほど褒めたくなる日はきっと無いだろう、そんな事を内心思っていれば相手の手が離れ立ち上がった事でまた相手との距離が離れた。自分でも思っていた以上に緊張していたのかほんの少しだけ肩の力が抜ける。式と聞けば、所謂結婚式が思い浮かぶがこの場合の式はどのような形式なのだろうか、建築や相手の正体からすれば白無垢を着た和式の結婚式が想像つくが実際はどうなのか分からない。とりあえず廊下で待機している使用人の人達が着付けてくれるだろうと思い、部屋を後にする相手を頭を下げて見送り、足音と気配が無くなった後に自分も立ち上がると待機していた使用人達の元へと歩き出す、その時に季節の花である紫陽花が目に入り)
―――綺麗な紫陽花、彼岸花以外は季節通りに咲くのかな…
(誰の耳にも聞こえないくらいの声量で紫陽花の感想を言い、誰にも注意されない位の短時間だけその紫陽花に見とれ、ふと紫陽花の花言葉を思い出す。紫陽花の花言葉は『移ろい』『浮気』『移ろ気』と言ったあまり印象の良くないものばかり、だが人の心もまた紫陽花と同じだろうとも思う。あの方の呼び名については後ほど聞くとして、永く生きる狐の彼は人の心について人以上に敏感だろう、ここで閉鎖的な暮らしをする可能性があるのと彼の嫁、そして機嫌を損なうような不貞な事はしないと断言出来るし、今日行うという式でも宣言があるかもしれない。紫陽花のように彼以外の人を見つめることがないように気を引き締めながら支度野為にと部屋へ移動する使用人達の後ろを着いて歩き)
トピック検索 |