匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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……う、おはよ、ございます
( 誰かの己の名を呼ぶ優しい声に呼ばれて、ゆっくり意識を浮上させる。瞼越しの朝日に顔を顰めると、目元を隠すために片手をギデオンから離して。尚繰り返される名前にやっとモゾモゾと起き上がるが、開けていない目とやけに深い呼吸音を聞けば、まだ覚醒しきっていないのは明らか。残りの片手からも、簡単にその腕を引き抜けるだろう。 )
んー、洗面所お先に失礼しますねぇ
( そのまま時間にして一分ほど、ぼんやりと尾を引く睡魔に頭を揺らしていたかと思えば徐に立ち上がり。口調こそ幾分かハッキリしたものの、普段のビビであれば朝準備の順番など些細なことこそ気を使い、最終的な順番こそ前後することはあれど、まず譲る句を口にするはずだ。まだどこか夢うつつな表情で、そんな実家の父にするような淡白な甘えを見せながら、ローブ以外の着替えを一式手に取れば、さっさと浴場の扉を閉めてしまい。たっぷりの冷たい水で寝起きの顔を清めると、ようやく意識も安定してきたようだ。小さくもよく磨かれた鏡を覗き込めば、今まで父以外の異性に見せたことのないはしたない格好に、思わず顔を背けて赤面し。──昨晩は本当にどうかしていたに違いない。こんな格好でよくギデオンに迫って、しかもその隣で熟睡出来たものだ。昨晩のことに加え連鎖的に、腕に残る逞しくも安心出来る感触を思い出せば、叫び出したい衝動を抑えるのに大変苦労する羽目となって。それでも元々いつ飛び出すことになるか分からない冒険者稼業、一般的な女性よりは素早く着替えを終えると、どんな顔を合わせれば良いのかと扉を開けるのを一瞬躊躇う。それでもギデオンだって準備があるのだ、調査について行くのであればあまり時間に余裕がある訳でもなく。覚悟を決めて扉を開けば、へらりと笑ってギデオンに投げかけた声が若干上ずって、どこか白々しく響いたのは許されたいところ。 )
失礼しましたー
昨晩はよく眠れました?……シ、シャツは洗って返しますね、
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