匿名さん 2022-05-14 13:55:41 |
通報 |
【真柴 七都】
( この時間が終われば、また明日からは変わらない学校生活。同じクラスである以上接点がなくなることはないけれど、こんな風に彼女を独占することはできなくなる。胸元に触れた手を優しく取れば、するりと浅く指を絡め、普段見せないような素直な表情を覗かせて )だからじゃん。桜木さんいつも誰かと一緒にいるし、──もう少しだけ独り占めしてたい。
【麻倉 翠】
( 耳元で、抱きしめた彼女の焦ったような声が聞こえる。姉のようにあやすことも、抱きしめ返してくることもない。きっと気付かれたのだと、もう今までと同じではいられないのだと悟りながら、しかし心中はどこか安堵していた。それが、言えない想いを隠し続ける苦しさから解放されたからか、多少なりとも男として意識されていることの喜びからかは分からない。『離して』と言う彼女の声を聞きながら、しがみつくようにぎゅうと腕の力を強める。反抗する声は、いつものように落ち着いた声色ながら、どこか切なさを孕んでいて )──……嫌だ。
トピック検索 |