匿名さん 2022-04-24 11:11:17 |
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(弟の話を持ち出された途端、ただでさえ華奢な相手の後ろ姿は、今にも頽れそうな雰囲気を一瞬だけ発したように感じた。どうにかその場は持ち堪えたかに見えたものの、続く小声はこれ以上ないほど動揺が明らかだ。何か深い家庭の事情でもあるのか、それともマキマとの間に自分の知らない恐ろしい取り決めでもあるのか。責めるような露骨な視線を、無遠慮に上司に投げつける。はたして、相手の返答を聞いた上司はなぜだか満足気に微笑んだ顔。デスクから降りた彼女は、部屋の奥の夜景煌めく窓辺へと、両手を組んでゆっくり歩いていき。こちらに背を向けたまま、「それなら、和志田くんをしばらく居候させても平気だね」と、予想外過ぎる発言をかました。「──は?」と低い声が漏れたのも無理からぬことだろう。最早我慢がならず、ずいと相手の前に出て、「一体何を……」と彼女に問い詰めようとする。しかし振り返った上官は、自身の唇に人差し指を当ててこちらを黙らせ、淡々と理由を告げた。「しばらくしたら、今のホテル暮らしをやめてどこかに住まわせるという話だったね。だけど、もうそれは絶対に不可。我儘で信用のできないキミには、ウチだからこそ出せる偽の住民票や保証人書類を渡してあげるわけにいかない。忘れてるみたいだけど、キミは多数の前科持ちで、この日本でまともな暮らしなんて本来二度と手に入らない身分なんだよ」……それは、整然としていながらあまりに身勝手な言葉。かつて、公安で銃の悪魔の捜査に加わるか、それとも今すぐここで殺されるか、どちらか好きな方を選べと言って自分を引き抜いておきながら、今更咎を揺さぶってくるのだ。「カサネちゃんのところで世話になりなさい、そのための手続きならしてあげる。ちょうどいい機会だし、ウチでのやりかたを彼女にきちんと習えばいいよ。カサネちゃんも、地下にいる間に礼儀を忘れた和志田くんを先輩としてしつけてあげて」そう言って天女のように柔らかく微笑んだ女を、怒りに燃えた目で睨みつけ、「はたちそこそこの女の家に、前科持ちの俺を上げさせろと?」と当てこするように唸る。振り返り、お前もこんな話は嫌だろうと相手に表情で伝えようとした自分には──背を向けた上司の黄色い瞳が相手を鷹のように見つめていることなど、まるで気がつくはずもなく)
(/懸念事項も概ね大丈夫そうで本当に安心しました……! 弟君のイベントは自分もかなりあとの方が良いと思っていましたので、全く問題ありません。むしろありがとうございます! 主様のロルはあちこちの日本語の使い方がおしゃれでむしろ日々読むのが楽しみです、実は密かに勉強させていただいたり……。お褒めの言葉をいただいたことでついつい張り切り、マキマにたくさん喋らせてしまいましたが、これでようやくふたりの共同生活の土台が整って参りました。これからふたりがたくさんのことを共有して行くにつれ、カサネをどんどん自分の心に受け入れていくアルドを描ければいいなあと思っております。毎日物語が進んでいくのが本当に楽しいです、改めてよろしくお願いします……!)
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