魔女と巨人の物語(ファンタジー)

『主人よ、見えてきたぞ、タイタニアだ』
(大きな城壁に囲われた国が見えてくれば入り口である門の前に祭りに参加する為に集まったであろう一列に検問待ちの長い行列が出来ており『げっ、あれに並ぶのか？』とオルレアが嫌そうな顔を見せると、それとは別に門の右側にも何やら別の人集りが出来ていると「あれはなんでしょう？・・・落書き？」とアンナは呟きながら別の人集りの方を見に行くとマシラビトの言葉で大きな城壁に赤黒い色の文字で落書きがしてあるので読んでみると【今夜、夜空に打ち上がりし華と共にお宝を頂戴する。盗賊王カンダタ】と落書きの内容は盗賊王カンダタによる犯行予告であって)

カンダタね……彼が何を盗もうが正直知ったことじゃないし、あまり関わりたくないけど…盗む物によってはまた対立しなくちゃいけないのよねぇ…。
(タイタニアの入口である門の前には長蛇の列が出来ており、右の門には以前してやられたカンダタの犯行予告と言うか挑戦状のようなものが書いてあり、内容からして花火が上がったその時に何かを盗むのだろうが、その何かが分からないのと、可能性として有り得そうなのが、自分は聖女として祭りに参加する為、それ用の衣装みたいなのが恐らく用意されており、ティアにも恐らくそういった特殊な装飾品が用意されている可能性は大いにあり、流石にティアは巨人の為カンダタが大きな物でも自由に出し入れ出来るような魔法を持っているなら別だが、そう出ないなら狙うなら自分が着たり付けたりする装飾品の内の1つでは無いかと考え、それを取られても自分は何も痛くも痒くも無いと言うやつなのだが、王がなんと言うかわかったものでは無い、面倒な事になりそうな予感にため息が出るも、とりあえずあんな長蛇の列に並んで待っていたら用意する時間が無くなるから聖女と巨人専用の入門口があるだろうと思い、周りを見てみれば、案の定、聖女様と巨人様専用の入口。他の者の入門は禁ずるとマシラ語で書かれた門を見つければ、そちらへと足を運ぶと門番が数人おり、自分の姿を見れば敬礼を1つ見せ、自分の同行者に目を向けた為、自分の友人だから特別措置としてこちらで入れてくれとお願いをし)

これはこれは聖女様、ようこそおいでくださいました
(コスモス達が無事に門を通ると背の低い男が頭をぺこぺこ下げながら現れると「ささっ、聖女様、国王陛下がタイタニア城でお待ちです、どうぞこちらへ」とコスモス達はタイタニア城へと男に案内される道中、城下町は屋台が立ち並び色々な物を売っているのを見てエトワールが「あうー？」と物珍しいのか目を輝かせながら辺りをキョロキョロと見回していて寄り道したそうに「まぁま？」とコスモスの服を掴むものの「王陛下は寛大な為、式典への出席はせず城でお会いして頂ければ後は自由に祭りを楽しんでいただければと仰っておりました、ですから先ずはどうか城へお急ぎ下さい」と男が言うには式典はあれどコスモス達の参加は強要しないと王が言ってるらしく『なんだ？話のわかる王ではないか？』とオルレアは王に会えさえすれば後は自由にして良いと言われて堅苦しい式典に主人が参加しなくて良いのならと喜んでいて)

随分と私にとって都合の良い話しね……?
(自分は一旦王に会いさえすれば自由という、面倒な式典なんかは出ずに祭りを楽しんで欲しいとの言葉に、この国の前であった村に対して良い印象を抱いていないのもあり、少し不審に思うが、王がそう言うなら仕方ないかと諦めの窮地に居て。エトワールには今から自分だけ違う場所に行くが、すぐに戻ってくるからオルレア達と露店などや祭りの雰囲気を楽しんで来てと言うと、その王が待つという城に向かって歩き出し、どうせあの村で村長をしていたあの家系の者が王族としているんだろうなと大して期待せずに歩いていれば、城へと辿り着き、軍事国家だからか難攻不落な城と言ったようなどこか厳つい雰囲気を醸し出す城を見上げれば、城の門番に「聖女として呼ばれたコスモスです。王へのお目通りをお願いします」と声をかけ)

「あいー？」
(エトワールはオルレア達に抱き抱えられるとコスモスの言葉に不満があるのか首を傾げながらも返事をして一旦別れるとコスモスが王の間へ通されれば「うむ、くるしゅうないぞ？我輩がこのタイタニア国の王アルベルト・タイタニアじゃ」と長い髭で分かりづらいが間違いなく村長の息子くらいの歳の男が王冠を被って玉座に座っていると「聖女殿と巨神様には父上が大層迷惑をかけたという先ずはお詫びをしたい、大変すまなかった」と王様はコスモスに謝罪をし頭を下げ頭を上げると不思議そうな顔をして「せ、聖女殿、先程まで居なかったがその背後の赤ん坊はお主の子か？」と王様がコスモスの背後で浮いているエトワールを指差せば「あいっ！！」とエトワールは元気に挨拶をするとどうやら空間移動でコスモスへついて来てしまったらしくオルレア達は『おい！？またあの赤ん坊空間移動で何処か行ったぞ！？』「きっと御主人様のところですよ！？どうしましょう！？」と屋台の前で慌てふためいて)

え……いえ、過去の事ですし、何より貴方は関与しておりません。
ですので謝らずに、経緯はどうあれ今は幸せに暮らせておりますので。
(やはり自分が予想した通り、村長の家系の者が王をしていれば、いくら時が経ったとは言えあの村長の家系だし何よりアンナから聞いた差別主義を聞いていた為、王に対してどうせ尊大な態度であれこれ言われるのだろうと思っていれば、まさか過去の事を頭を下げて謝られれば、自分の思っていた人物像とはかけ離れた人物と分かり、困惑を隠せないながらも、その謝罪を受けいれ、初めは村長や両親を恨んだ事もあったが結果的に良い結果になったからと言っていた時に、王の視線が自分の背中へと移動し、どこか恐れが垣間見える口調で自分の子供かと問われれば、えっ?と思い後ろを振り返れば先程オルレア達といるようにと言い含めた筈のエトワールがおり、不味いと思えば言い訳を妥当なものにする為に頭が自然とフル回転すれば、自分の言葉1つでエトワールにどんな事をされるのか考えたくも無いという極限状態に近い為、これ以上無いくらい頭を働かせれば、まだエトワールの頭の部分が帽子に見えるように細工されているのが幸いかまだマシラビトに見えると判断すれば「えぇ、養子にはなりますが、私の子供です。マシラビトだとあまり無いようですが、私も含めてごく稀に魔法を使えるマシラビトがおりまして。ご存知の通り私はこの国が村だった時にいた正真正銘マシラビトですが、魔法属性を三つと恵まれた魔法の素質があったんです。この子も縁があって共に暮らしていますが、私同様に魔法の素質が高くあったようで」とそれっぽく聞こえるように自分という例がきちんといるから他種族では無くマシラビトでも人によるが魔法が使える人も居るからそんなに心配しないでと言いつつ、エトワールを抱っこすれば、一応何があっても良いように周りを気付かれないように警戒して)

う、うむ、我輩は赤ん坊は好きだ、問題はない、少し大事な話がしたい、聖女殿、もう少し寄ってくれぬか？
(王様は初めは少し驚いたが特に問題視せずに手招きしながらコスモスを呼ぶとコスモスの耳元で「実はな、聖女殿が住んでいた頃のあの村の大人達は我輩の父上含め、全員もう既に亡くなっておる・・・否、何者かに殺されたのだ」ととんでもない事実を告げれば「父上が王となりこの国を治めていたのは去年の冬までの話、この春には殺されておるし、悪政で有名だったから誰かに恨みを抱かれていてもおかしくないから不思議ではないのだがな・・・」とタイタニア国の悪い評判は全て前王が起こしていた事だと伝えれば「我輩はこの国をより良い国へと変えたいと思っているのだ、他種族や他国とも友好的にしていきたいとも思っている」と王様が自分の野望について語り始めると「その為には聖女殿・・・否、正確には魔女殿だったかな？魔女殿にはこの国をより良い国へとなる手助けをして欲しい、その為には城の宮廷魔導師として高待遇で迎え入れたいと思っていたのだが無理強いはしたくないのでな、無理なら諦めるがたまに友人として知恵を借りに行っても良いだろうか？」と王様はコスモスに再び頭を下げるとエトワールは黒い空間に手を突っ込んで自分の王冠を取り出すと王様の前に手渡して「あいっ！！」と言うので「う、うむ？我輩の王冠より随分と立派な王冠だが交換してくれるのか？」と王様は困った顔でコスモスの顔を見て)

そうだった…んですか?
それはまぁ、自業自得とも言えますが……。
とりあえず王様の考えはわかりました、流石に魔女連盟、冒険者、宮廷魔導士の三足の草鞋状態はキツイので、たまにここに来て私が持つ情報をお教えする形で許して下さればと思います。
(自分の両親を含め、あの時生きていた大人は皆この世にはいないと聞けば、流石に驚きを隠せず、この国にある評価はこの王の父、つまりあの時村長だったあの男だろうと思うが、まさか皆恨みか何かを買って亡くなっているとは思って無かった為目を丸くし。そして今代の王の考えを聞けば先程謝罪をしてくれた人とは言え、何事も信頼と言うのは築くのは大変でも崩れるのは一瞬、自分も王の言葉を聞いても心の底では自分を騙して他の種族の生態を知り、戦争をふっかけるのではと考えてしまう気持ちもあるが、他の種族の弱点になるような情報では無く強さなんかを伝えれば良いだろうと判断すれば、流石に三つの職種に子育ては厳しい為、時折様子を伺うついでに知恵を貸す形で良いならと承諾し、王冠を交換したそうなエトワールを見れば、王冠なら帽子に見えるように細工した物は落ちないしと考えると「どうやら交換したいそうなので、交換してあげて下さい」といつもと言えばいつもだがこちらの斜め上の行動を取るエトワールの様子に苦笑いを浮かべて)

それで十分だ、助かるよ
(王様はエトワールと王冠を交換し玉座へ座るとほっと一安心した表情を浮かべれば「村人の死因なんだが全員背後から心臓を剣で一突きにされていたようだよ？犯人の姿も分からないが同一人物の仕業であろうな、魔法でそのような事は可能なのだろうか？」と王様は髭を撫でながら一つ尋ねるとエトワールが興味深そうに浮きながら王様へ近づくとヒゲを引っ張り出せば王様の髭は簡単に取れてしまえば髭は付け髭である事が分かると髭のないその素顔はまだコスモスと同じくらいの年齢であり若く顔立ちも整っていれば「えへん！！」とエトワールは王様から交換してもらった王冠を被り付け髭をつけて威張るポーズをして見せてはきゃっきゃっと楽しそうにしていて)

剣でしたら、、魔法で生成可能ですね。
後背後からとの事ですが、これも特殊な魔法で習得はかなり難しいですが、空間魔法……先程のエトワールように使える者なら突然背後から現れて魔法の剣で一突きも可能ですが……空間魔法を使える者がいるかどうかまでは……。
(村人の死因を知らせられるとそんな風に死んだのかと思いはするが、悲しいとかそういった感情は出てこず、あぁ、そうなんだ位の軽い気持ちしか出てこない為少し自分が薄情に思えるような気もするが、王の質問に対して剣の生成はともかく背後からとなると空間魔法を使った可能性があるが、あれは特殊な魔法になるので習得はかなり難しく、使いこなせる者がいるなら恐らく相当の手練と答えて居た時に、エトワールがふよふよと浮き出し「え、エトワール?」と何をしでかすのだろうとヒヤヒヤしながら見ていれば、まさか王の髭を引っ張って自分に付けて胸を張るという所業にも驚いたが、まさか付け髭で王が自分とそう大して年齢の変わらなさそうな年若い男性だった事にも驚いて少し固まると、すぐに我に返り「エトワール?似合っているけど、そのお髭はその方のだからお返ししようね?」と髭を王へと返すように促して)

ふはははは、王から髭を剥ぎ取るとは何と豪快な赤ん坊だ、将来は我輩を超える大物になるやもしれんぞ！！
(エトワールがした事に王様は大笑いしながら王の真似事をするエトワールの頭を撫でながら本来なら不敬罪とかで捕まってもおかしくないのだが、赤ん坊のした事だからと心良く許すと「あいっ！！」とエトワールはコスモスに言われた通りに付け髭を王様に返すと「まぁ取り敢えず今のところは我輩の用件はこのくらいだな、魔女殿、後は祭りを存分に楽しまれよ、この国は生まれ変わるぞ？この祭りは国が新たに生まれ変わる生誕祭だ！！」と王様は手を振りながらコスモス達との謁見を終えればコスモスとエトワールはお城を出れば「まぁま、あいっ！！あいっ！！」とエトワールは浮き始めれば祭りの屋台の方へコスモスの手を引っ張りはじめて)

では、生まれ変わった国がどのように変わるのか楽しみに待っております。
(王が変われば当然政策も変わるが、国民は分からない。だが昔居た、今なら初老から老人位になっている村の時にいた人達は1人も居ないとの事なので、比較的早くこの国は他国からの印象を変えやすい状況にあるのは間違いなく、猫を被っておらずあの様子が素なのであればこの国はいい国へと変わるかもしれないと思いながら、謁見の間を後にし、城を出れば早く早くと言わんばかりに手を引くエトワールに苦笑しながら「エトワール、お店とかが気になるのはわかるけど、オルレア達を探さないとでしょ?」と言いはするが、この人数だ探すのはきっと大変だろうなと思いつつ、まずはオルレア達もエトワールがいきなり居なくなって心配しているだろうから探すのが先と言って)

『我々の索敵能力を侮ってはならぬぞ、主人』
(オルレア達を探そうとしていたコスモス達だったがオルレア達はすんなりと合流する事が出来れば「コスモスさんの使い魔凄いですね、後をついていったらすぐに合流出来ましたよ？」とアンナも二人を褒めた後で「どうでした？この国の王は？噂通りの酷い男でしたか？」とアンナが首を傾げながら王様と会ってきたコスモスに尋ねて)

あら……やっぱり私の使い魔達は凄いわね。
それが真逆だったのよ。あれが猫かぶった嘘の表情なら相当な策士だけど…。
どうやらこの国にある悪評は先代の王による政策みたいで今代の王はそれの撤廃、もとい他種族の人達とも交流を前向きに考えているそうよ。
この国は生まれ変わるって宣言した位ですし、嘘でないと祈りたいですが、エトワールがやらかした色々なことも笑って許せるくらいには懐が広いかもしれません。
(エトワールに言い聞かせていた時にオルレア達が後ろから声をかけてきて合流出来れば、やっぱり自分の使い魔は優秀と改めて再認識し。アンナの問いかけに関しては、聞いていた人物像とは真逆な性格で今他国で噂されている悪評の撤廃に尽力したいと言っていた事、今ある悪評の元になった政策は先代の王によるもので、その先代を含め村だった時に大人であった者達は皆何者かによって命を奪われているので、あの発言が嘘でないのなら直に他種族にとってもいい国へと変わりやすい状態だと答えて)

そうですか、それなら建国に協力してくれるかもしれませんね、里に帰ったら長老様達と相談してみましょう
((良い話が聞けたとアンナは嬉しそうに笑う背後でオルレアとスーちゃんは顔を見合わせて何やら話し合ってるかと思えば「あのう、御主人様？その事件、死因って背後から刃物で刺されてます？」とスーちゃんが命を奪われたとしかコスモスは言ってないのに死因を当てるとオルレアも続いて『主人よ、恐らくその犯人についてなんだが我ら心当たりを知ってるぞ？』とスーちゃんとオルレアは犯人に心当たりがあるようでコスモスの耳元で話して)

それが良いかもしれません。
是非相談してみてください、もしかしたら見方が変わるかもしれませんね。
(アンナの表情にどうやら、今はだがこの国に対しての見方がアンナから見てだいぶ変わったようで前向きな気持ちになっているのがわかり、エルフ達も建国して欲しいとこちらは思っている為、その前向きな考えはとても嬉しく。
オルレア達が話していない死因について当てれば「えぇ、その通りよ。私ももしかしたらと思ってる人物はいるんだけど…確信がない状態なのよね」と刃物のような形の傷口で、背後から襲われたと聞いた時にもしかしてと1人の少女が頭の中に浮かんだが、確信は無いし、証拠も無いから外れていたら恥ずかしいという気持ちで言えずにおり、ちなみにスーちゃんとオルレアは誰だと思うと小声で聞いてみて)

『恐らく車椅子の魔女だろうな？手口が我々を攻撃した時と同じだからな』
(オルレアが犯人は恐らくスズであると言えば確かに動機は十分にありスーちゃんも頷きながら「私達は前に襲われた時、自分達の影の中から突然剣先が現れましたが、私は後ろ髪にも目があるので避けれましたしオルレアさんも嗅覚と機動力で致命傷は避けられましたが普通の人間にはまず回避不可能ですね」とスーちゃんが前に襲われた時の手口を話すと今回の件と手口が似ている為、疑わざるを得ないでいれば『まぁ、あの魔女のおかげで国が良くなるのなら問題なかろう、主人に手を出さないという約束は守ってるわけだしな』とオルレアは楽観的に考えるとエトワールはお腹空いたのか「まぁま、まんま！！」とよだれをたらしながらコスモスの顔を見つめていて)

やっぱりそう思う?
私もそうじゃないかと思っていたのよ。
何せ今年の春辺りに皆殺られたらしくて……私達を襲ったのはそれよりも前だから、私達に手出しは出来なくても村人だった人達は別。
まぁ……一応復讐は遂げられて、国も変わって言う一石二鳥な状態に近いのかしら。
(オルレア達の意見を聞けば、自分が思い描いていた人物だった為、それならほぼ確定だろうと頷けば、王の話では今年の春辺りにという話だったので自分達を襲ったのはそれより前だった事から矛先を変えて復讐を遂げたのだろうと言葉にし。エトワールが空腹を訴えれば「それじゃあ、後は自由な訳だし、露店を回ってご飯とか色んな物を買って食べましょうか」とせっかくの祭りなのだから普段では作れなかったり食べられないような食べ物も売っているだろうし、季節が夏なのでかき氷やアイスなんかも売っているかもと言いながら、とりあえず腹ごしらえをしようと露店が並ぶ場所へ歩き出して)

『我は肉だ！！肉を買うぞ！！』
(オルレアは串焼きやら骨付き肉やらを指差しコスモスに買ってもらうと嬉しそうにかぶりつけば【くぅーん】とアンナの影の中からクロの鳴き声が聞こえればアンナもオルレアと同じ物を買い誰も見てないところで影から犬の首が現れると肉を食べさせていて「まぁま、あいっ！！あいっ！！」とエトワールは屋台から真っ赤に輝くリンゴ飴を見つけて目を輝かせながらおねだりしているともうすぐ国の中央広場で国王陛下の演説があるとすれ違う人々が話しているのが聞こえてきて)

え、りんご飴食べたいの?
………赤ちゃんにだとかなり固いというか食べさせるのに向かなさそうな食べ物だと思うんだけど…。
(オルレアには肉を、スーちゃんにも好きな食べ物をと言って露店で出ている食べ物を買えば、自分にも腹ごしらえにフランクフルトや玉せん、チョコバナナ等結構買って食べていけば、エトワールがりんご飴を指さしておねだりをし駄目ではないが、りんご飴とあるように飴でコーティングされていてかなり固いし、そもそもりんご丸ごとというのが固いのだ、いくら古代人の赤子と言えど食べるには難しそうな食べ物のリクエストに少しだけ困ってしまったが、食べられなかったら自分が食べるか、食べられるくらい魔法で砕くかのどちらかにしようと決めて、エトワールの為にりんご飴の小さい方を買うと棒の部分を持たせて食べられるか様子を見てみて。そうしていると通行人の話し声で王の演説があると聞けば「行くだけ行ってみる?アンナからもどんな人物かわかるチャンスだろうし」と声をかけてみて)