至福のひととき　／　〆　

多分、ね。っふふ、怒っちゃった？（　わかった上であえて揶揄うのも楽しい、だなんて言ったら嫌われてしまうだろうか。床を叩くその仕草が感情の動きを如実に物語っており。思わず笑みを溢してしまいつつ、頭を撫でることで相手の気持ちを落ち着かせようとして。いつの間にか、ばたんばたんと床を叩いていた尻尾がゆらりゆらりと揺れている。素直じゃない甘え方が可愛らしく、ついついそれを求めてしまう。待っていたとばかりにそのままぽふりと頭に手を乗せた後、体勢を少しだけ変えて後ろから抱き締め　）じゃあ、遠慮なく。ユキ、あったかいからいっぱいくっついてたい。（　のんびりとした時間と温もりが心地よく、こうしているだけで癒しになる。相手の存在こそがセラピーとでも言えるかもしれない。抱き締めたまま目を閉じ、ただぼんやりと思考を巡らせ。やがて思い浮かんだのは名案そのもの。のんびりとした口調にてふんわりと提案し　）そうだ。またどこか行かない？