ある日おじいさんが山を彷徨っていると、目の前に大きな桃の木が現れた。 背丈は天まで届くほど、果実は人間の子供がすっぽり収まってしまうほど大きな桃だった。 古来より桃には不老長寿の力が宿るという。 老いた体でひとり残してきてしまったおばあさんへの償いに、山に囚われてしまった自分の代わりにと、おじいさんはもいだ桃に想いを託し、里へと繋がる川に流した。 それが呪われた桃であるとも知らずに。