名無しさん 2021-08-27 23:46:26 |
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帰ってこないおじいさんを永遠に待ち続けるおばあさん。
おばあさんは毎日をいつも通りに過ごしながらおじいさんの帰りを待っていた。
いつしか酷く衰弱し、おばあさんは息絶えてしまった。
それでもおばあさんはおじいさんを待ち続けている。
おじいさんは不治の病を患っていた。
順調に回復していたその病は急に悪化してしまった。
だが、その事実はお婆さんには告げなかった。
おじいさんはおばあさんを悲しませたくなかったのだ。
おじいさんは山へ「死ばかり」に出かけた。
この山はいつも芝刈りに出かける普通の山ではない。
呪われた山と言われる、一度登れば決して下山できないと言われる山である。
おじいさんはこの山でひっそりと死のうと考えた。
そうすればおばあさんの悲しむ顔を見ながら死ぬことはないと。
最後に見るおばあさんの顔は笑顔のままが良いと願ったのである。
しかし、残してきてしまったおばあさんを思い続け、山の奥深くで死んでしまった後も
おじいさんはおばあさんを思い下山しようとしている。
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