夜が明けるその前に (〆.)

夜が明けるその前に (〆.)

吸血鬼  2021-03-16 10:45:12 
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夜の闇に紛れて人の生き血を啜る“ヴァンパイア”と、夜の安寧を守るべく彼等を狩る特務機関の一員“ヴァンパイアハンター”。

決して相容れる事のない2人が出逢い、惹かれ合う。


〆.

 

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  • No.1044 by Theodore Glory  2021-11-03 14:46:03 



勘弁してくれ。あいつに余計な負い目を背負わせる訳にはいかないんだよ。

(腕や足を動かしても緩まない拘束に眉間に皺を寄せどうにか外そうと考えるが、楽しげに笑いながら吸い殺されることは幸せなことではないかと言ってくる相手に苦言を呈して。お互いが同意しての結果なら文句は無いのだが、この後の未来で同意無しのままそう考えてしまえば彼に余計な後悔を背負わせてしまうと考えていた。相手が手に持ったナイフをどう使うのかと少し注意しながら、倉庫の入口に現れた彼の姿を見つけると自分のことはいいから早く帰ってほしい、と叫んで)

っ・・・、クラウス、なんで来た・・・。俺のことはいいから早く帰れ!




  • No.1045 by Isabella Taylor  2021-11-03 15:27:19 



──あら、ダメよ。貴方が此処を去るなら、飢えた吸血鬼の元に彼を放り込むわ。

(クラウスが口を開くよりも前に、相手の言葉を聞いて肩を竦めると彼を此処から逃げられないよう釘を刺し。雲一つない明るい満月の光が倉庫の高窓から差し込み青い瞳を照らしていて、既に渇きが酷いのか辛そうに眉を寄せて。「…テオを解放してくれ、僕たちのいざこざに巻き込む必要はないだろう」と口を開いたものの、既にイザベラは話し合いでの解決に持ち込む気もなく相手に近づくと、手にしていたナイフを相手の首元に当て静かに引いて。傷はそれ程深くはないものの太い血管の通る首からは血が少しずつ溢れ始め、手に着いたそれを舐めると「後はお二人で楽しんで」と笑みを浮かべ2人を残して倉庫を出て行き。)

  • No.1046 by Theodore Glory  2021-11-03 16:26:50 



くっ・・・、ほんとに俺の事殺したいんだなあいつ・・・。

(自分の言葉に反撃する形で釘を刺す相手に睨みつけるとナイフを煌めかせる。クラウスの乾きは限界まできてるのが分かるが、ここで本能に身を任せてしまえば相手の思う壷だと言う前に首筋に微かな痛みが走る。線で切った痛みに僅かに声を零せばじわじわと血が滲み出るのを感じ、同時に相手が姿を消せば舌打ちをする。本気で自分を殺しにかかっているのだと理解すれば少しづつ近づいてくる相手に顔を向けて)


  • No.1047 by Claus Burton  2021-11-05 05:50:54 



───…

(その場を離れる事も叶わないまま不意に血の香りが濃く漂い始め相手の首筋から血が溢れているのが見え、それを認識してしまうと一瞬にして彼女の存在など頭から消えてしまい青かった瞳は月光の下で炎が燃え広がるように紅く染まっていて。酷い渇きは耐えようの無い程、このまま血を口にしなければ喉が焼き切れてしまうのでは無いかというほどに酷いものに変わり震えるように浅く息を吐くと、床に横たわる相手は襲ってはいけない存在だという常に保ってきた意識は徐々に飲み込まれ、相手に近づくように足を踏み出して。喉が渇いて苦しい、背中に冷や汗が浮かぶような感覚を感じながら相手の隣にしゃがみ込むと傷口から溢れる血に舌を這わせ、何処までも甘美な味わいに恍惚と溜息を吐いて。この血を全て飲み干してしまえば耐え難い渇きも癒える、相手を見下ろす紅い瞳には相手との約束も幸せな日々も映ってはおらず、慈しむように相手の頬を撫でた後に傷付いた首元に唇を寄せて。)

  • No.1048 by Theodore Glory  2021-11-05 20:48:27 



ッ・・・、ぐっ・・・!

(顔を相手に向ければ自分の血で興奮する紅い瞳が無機質にこちらを見ていて掠れた呼吸音が喉から零れる。相手から逃げようと身動きをするが、それよりも先に首から流れる血を舐め取られ体温が一気に下がった気がした。近くから聞こえる恍惚とした溜息に寒気がして、だが頬を撫でる手つきにはいつもと変わらず優しくて安心する自分もいた。しかし自分を見下ろす目は獲物を捕食しようとする吸血鬼そのもので、条件反射で銃を取ろうと動かした手は縄に阻まれ軋む音を立てただけだった。
首筋に立てられた牙の痛みと血を吸われていく感覚に声にならない悲鳴をあげる。相手から離れようと身を捩るが押さえつけられてしまい、抵抗しにくくなってしまった。しかしこのまま抵抗をやめて意識を失えば相手は自分を殺してしまうだろうと、止まるよう声をかけながら手首を動かして縄を外そうと模索して)

クラウス、頼む、止まってくれ。このままだとあいつの言う通りになる・・・っ!


  • No.1049 by Claus Burton  2021-11-08 20:53:52 



──大人しくして、

(必死の制止の声は耳に入っていても単なる命乞いとしてしか処理されず届いては居ないのか暴れようとする相手を牽制するように言葉を発しただけで、鋭い牙を突き立て逃げられないよう相手の後頭部を押さえて此方の肩に抱き寄せる体制で血を啜り飲んで行き。かつてオークションで上質な血を持つ少女を買った時のように、甘美な血に渇きの癒えていく感覚は恍惚とする程心地の良いもの。獲物を逃すまいとしっかりとその首筋に噛みついたまま喉を上下させれば、ふと欲のままに渇きを満たすこの感覚は随分と久しぶりだという意識が浮かんで。それは何故だっただろう、そんな思考に一瞬僅かに噛み付く力が弱まったものの相手を解放するには至らず、じきに力を失うであろう獲物が地面に倒れてしまう事のないようにと腰に腕を回して。)

  • No.1050 by Theodore Glory  2021-11-09 06:22:08 



(相手を止めようとする自分の声は届かず有無を言わさない声で牽制される。また、後頭部を押さえ込まれ抱き寄せられるように体勢が変われば身動きするのも封じられてより深く牙が食込み血が抜けていく。本能的な恐怖からか無意識に抵抗が止まってしまえば、体の中の血がなくなっていくことからの寒さを感じ背筋を震わせて。本当にやばい所まできているのだと考えていれば一瞬、噛み付く力が弱まった気もするが、腰に手が周り逃がさないという相手の強い意志が感じ取られ自分の行く末を何となく自覚してしまった。血が嚥下されていく音を間近に聞きながら貧血で重くなる頭と薄れていく意識に必死に抗いながら、彼女の言う通りになってしまう事に苦笑いをして。そっと顔を相手の耳元へ向ければ最期の言葉にもなり得る告白を呟き、瞼を閉じて)

クラウス・・・、愛しているよ・・・。


  • No.1051 by Claus Burton  2021-11-13 04:06:01 



(焼け付くような酷い渇きは癒え、不意に耳に入った“愛してる”の言葉に大切な相手の姿が脳裏に浮かんで。路地裏のBarで語り合ったコートを身に纏う相手の横顔、キッチンに立ち手際良く料理を作る相手の笑顔、愛おしそうに此方を見つめる優しい瞳も、気付かぬうちに抜け落ちていた記憶が突然思い出されて靄の中に沈んでいた普段の意識が浮かび上がり。ふと気付いた時に色を失い事切れた人間を腕に抱いている事はこれまで幾度とあった事、しかし視線を落とし腕に抱いた相手の顔を認識するのと同時に息が止まりそうになる。血色の無い肌、首にくっきりと残る吸血痕、目を閉じた相手の眠っているような表情も、嗚呼此れはきっと悪い夢だと思いながらも血の気が引くような感覚。腕に重みは感じているし、酷い渇きは消えていて心臓だけはバクバクと音を立てていて妙に現実離れした事のように思えて。もしかすると自分は取り返しのつかない事を、ずっと何よりも恐れていた事をしてしまったのかもしれないと思うと震える息を吐き出し、思わず相手の名前を呼んだ声は小さく掠れて肩を抱く腕に力が篭り。)

──……テ、オ…?

  • No.1052 by Theodore Glory  2021-11-13 18:13:14 



(一度瞼を閉じてしまえば、再び開けるのが億劫な気がした。血が無くなるほど体は重くなり、深い眠りに誘われるようで。このまま眠ってしまいたいと思っていれば頭に浮かぶのは走馬灯か、様々なシーンが巡っていく。Barで相手と出会った時のことや、倉庫の中で対峙したこと、一緒に暮らし始めてからの笑顔など愛おしい表情が思い出されていく。意識を失ってはいけないと考えつつ、深い微睡みに身を任せてしまいそうになった時、遠くから自分を呼びかける声がして重い瞼に力を込めて僅かに開ければ揺らぐ視界の中に泣きそうな顔をした相手が映り、緩く口角を上げて笑って見せて)

・・・やっと、目ぇ、さめたか・・・?


  • No.1053 by Claus Burton  2021-11-17 02:07:23 



──…っ、ごめん、…君をこんな風に、してしまうつもりじゃ……

(腕に抱いた血の気の無い相手が此れまで犠牲にしてきた人達と重なって見えてしまい、もうこのまま二度と目を覚ます事は無いのではないかとさえ思えて吐き出す息が震え、揺さぶって声を掛けても相手が起きなかったらと思うとそれ以上声を上げる事は出来ずにいて。しかし相手の瞼が持ち上げられ少し曇った瞳が此方を見据えると、その視線と優しい微笑みに胸が締め付けられる思いで相手を見おろし色の無い頬を震える手で撫でて。しかしこのままこうして居れば相手が死んでしまうかもしれない、少しでも体温を上げなければ、重篤な状態に陥る前に輸血が必要かもしれない、色々な事が頭を巡り相手をこんな状況に陥らせてしまった後悔の念に苛まれて。相手の背中をさすりながら救急車を呼ぶことを提案する、相手の仲間であるハンターをこの場に呼び寄せ例え自身の存在が公になったとしても今は構わなかった、相手が命を落とすような事にさえならなければ。何か手を打たなければ相手を失う事になりかねないという恐怖にいつの間にか年甲斐もなく子どものように涙を溢していて、相手の肩を強く抱き。)

…っ、テオ、眠らないで。救急車を呼ぼう、君の仲間でも構わない。このままじゃ…っ、このままじゃ、僕のせいで君が死んでしまう、

  • No.1054 by Theodore Glory  2021-11-17 20:19:41 



だい、じょうぶ・・・だ・・・。家に、帰れば、薬もある・・・し、平気・・・。

(頬を撫でる相手の手つきに心地よいと感じる反面、自分より低いと感じた体温が感じられないことに自分自身の体温が下がっていることに気づく。自覚すると途端に出る寒気に、微かに身体を震わせてしまうが相手に理性が戻ったことに安心すると余計に眠気が襲ってきてしまったため、相手の声に耳を傾けそれに抗う。また、ここで眠ってしまえば確実に息が止まってしまい、相手を悲しませてしまうだろうと切れそうになる意識を繋ぎ止めていた。相手が本能に飲み込まれてしまったのは仕方の無いことだが、自分の言葉で戻って来てくれたことはとても嬉しく、こんな状況でも頬が緩んでしまうほどだ。)

・・・、縄、取れるか・・・?

(相手から零れ落ちる涙を拭いたいのに、震える体を撫でて慰めたいのに体を拘束する縄がそれを邪魔をしていて、小さい声で頼むと緩くなる拘束に体の力を抜く。手首にある擦れた痕は少し痛むが、それを耐え相手の背中に手を回して添えると帰ろう、と伝えて)

クラウス、帰ろう・・・家に・・・。


  • No.1055 by Claus Burton  2021-11-19 02:46:24 



(縄を取って欲しいと頼まれようやく相手が拘束されている事に気付く。意識が戻った時には既に相手は力を失っていたため自由が奪われている事に気付けずにいた、きっとこの縄の所為で抵抗することができなかったのだろうと思い頷くと、縛られた相手の両腕を解放して相手を抱きしめ。小刻みに震える相手の身体を包み込みながら相手の言葉を聞き、本当にこのまま家に戻って大丈夫だろうかという一抹の不安を感じて涙を拭いつつもう一度相手と視線を合わせ、本当に家で良いのかと尋ねる。家に帰れば自分が相手の一番側にいられるが出来る事には限りがある。それを考えると近くにいるハンターに助けを求めることも選択肢の一つだろう、負傷したハンターを搬送する病院は決まっているのだろうから直ぐに適切な処置をしてもらえる筈。相手が自分の存在がバレないよう気を遣ってくれているのなら、今はそれよりも相手を安全な場所に運び辛い思いをさせない事を優先したかった。ハンターを呼べば自分は姿を隠す必要があるがすぐに相手の後を追うと良いながら、まだ冷えた相手の背中をさすり、病院に行った方が良いと言い聞かせるように言って。)

…君の仲間に助けを求めればきっと適切な病院に連れて行ってくれる。…こうしてしまったのは僕だから、せめてテオが一番辛くないようにしたいんだ、…きちんと病院で処置をして貰った方が良い。…僕は一緒には行けないけど、直ぐに追いかけるよ。…だから、ね。


  • No.1056 by Theodore Glory  2021-11-20 10:39:49 



・・・わか、った・・・。

(自分は家にある薬を飲んで相手と過ごせれば相手自身も安心するのではと考えていたが、相手はより確実な方法で回復させてあげたいと心配してくれているようだった。ここで自分が頑固な態度をとっても相手を困らせるだけだと理解すれば、同僚を呼び病院に行くことに頷いて。相手も直ぐに後を追って来てくれるのならば自分にとっても安心出来る。今夜は満月の日なため各地にハンターは配置されているはずなため、少しずつ落ちそうな意識に耐えながら近くに同僚が居ることを伝えて)

たぶん、近くに誰か・・・いる、はず・・・。

  • No.1057 by Claus Burton  2021-11-23 03:35:39 



…テオ、もう少しの辛抱だからね。

(相手が頷いてくれたことに安心すると優しく相手の髪を撫でて。ハンターに此処で顔を見られてしまうと病院で怪しまれる可能性があると思えば、相手の腰から銀色の銃を手に取り倉庫の入り口に向かうと空に向けて発砲して。銃声が響き、これで誰かが気付いて駆けつけてくれれば良いと思いつつ相手の側に戻るとその頬を温めるように包み、懺悔の気持ちを込めて相手の額にキスを落とすと、直ぐに相手の後を追いかけると約束し相手と小指を絡め、ほどなく足音が聞こえ始めたのに気付くと立ち上がり闇に姿を潜めて。)

──死んだら駄目だ、…すぐに追い掛けるから待ってて。

  • No.1058 by Theodore Glory  2021-11-23 10:00:21 



(意識の外で乾いた発砲音が鳴り、人を呼んでくれているのだとわかれば、頬を包まれ額に柔らかな感触と小指を絡めた感覚がした。少ししてその感覚は離れてしまったが、待ってて、と言われた言葉にぼんやりと寂しさを感じていれば、近づく別の足音と騒ぐ声に同僚が来たのだと理解しては意識を失って)




(倉庫から運ばれていくハンターの姿を隠れて見ていれば、息の根を止めることが出来なかったのだと驚きの表情を浮かべる。満月の夜で彼の飢えも限界であっただろうし、ハンターに抵抗できる術はなかったはずで。眉を寄せどこかに身を潜めているであろう彼の姿を探して見つければ、なぜハンターが死ななかったのかと目に怒りを滲ませながら不機嫌そうに問いかけて)

クラウス、なぜ彼は死んでないのかしら。貴方、何かしたの?


  • No.1059 by Claus Burton  2021-11-25 09:40:02 



僕じゃない…彼が、引き戻してくれたんだ。──イザベラ、もうこんな事はやめよう。僕は君の元には戻れないし、君が追っているのは過去の僕だ。…この街にはもう居ない方が良い。これが最後の忠告だ。

(倉庫の物陰から姿を表すと、未だ冷たい月明かりの降り注ぐ中相手と対峙して紅く染まった瞳で相手を見据えて。相手の策略にはまり本能のままに彼を襲った自分を引き戻してくれたのは彼だった、自分は何もしていないと首を振って。相手がこの街にやってきてから何度も吸血鬼に戻れと、昔のように本能のままに冷酷に生きる存在に戻れと言われてきたが、彼がいて自分を大切にしてくれている以上戻る事は二度と無いと断言できた。例え飢え渇きに苦しむ事になったとしても自分は彼と生きる道を選ぶ。相手を見据えるその瞳に怒りは無く、ただ真っ直ぐに見つめて静かにこの街を出て行くよう告げて。)


  • No.1060 by Isabella Taylor   2021-11-26 08:24:01 



(こちらを見つめる瞳は怒りなど滲ませず淡々と、冷静に言葉を伝えていた。ただ本心から来る言葉だと分かりながら、次は無いのだと言外に告げているのも理解出来た。きっとこれから自分が2人にちょっかいをかけても同じように淡々と答えを返してくるか、明確な殺意を持って自分を排除してくるのだろう。そこまで想像するとどんなことをしても・・・ハンターの彼を殺しても自分のところに戻ってくることは無いのだと分かれば誘うことも無駄な気がして一瞬でやる気が失せてしまった。一度目を閉じ、深くため息をつくと「・・・分かったわ」と呆れたように呟く。二人の間に割込むことは無理なのだと理解すると、興味なさげに軽く手を振って踵を返して)

もういいわ、あなた達の盲目さにはお手上げよ。お望み通りここから出てってあげる。・・・さようなら、クラウス。


  • No.1061 by Claus Burton  2021-11-27 22:49:00 




…さようなら、イザベラ。

(相手が自分たちに興味を失った事に安堵しつつ去って行くその背中を見据えて返事を返し。きっと彼女とはもう二度と会うことはないだろう、会う必要も無い筈だ。相手が去ってから倉庫を後にすると大通りに出てタクシーを拾い、ハンター達が口にしていた病院名を運転手に告げて。車窓の景色を見つめながら腕に抱いた相手の蒼褪めた顔が思い出されて手が震えそうになる、どうか何も手遅れにならないようにと考えながらじっと到着を待つ時間は酷く長く感じられて。病院に着くとタクシーを降りて正面玄関へと向かう。まだ瞳は完全に元の色には戻っていないものの本来の自分の姿を知る人がいなければ怪しまれる事は無い筈だと受付に足を進めて看護師に声を掛け。)

──友人がこの病院に運ばれたと連絡を受けたんですが…セオドア・グローリーです。面会出来ますか、

  • No.1062 by Theodore Glory  2021-11-28 12:15:13 



セオドア・グローリーさんですね。少々お待ちください。

(受付でカルテを処理していると綺麗な顔の男性が話しかけてきた。少し待って貰えるよう伝えて言われた名前を調べると救急で運ばれてきたハンターだと分かり、処置も終わっているようで面会はできるようだった。相手に面会できる旨と部屋番号を伝えると、クリップのついた面会証を差し出して)

面会証は見える位置にお願いします。また、意識は戻っていませんので起きたらナースコールを押してくださいね。

  • No.1063 by Claus Burton  2021-11-28 23:38:37 


分かりました、ありがとうございます。

(面会が出来ると聞いて安堵すると面会証を受け取ってその場で首から下げ、受付の看護師に礼を述べると入院病棟へと通じるエレベーターへと向かい伝えられた部屋番号のある6階のボタンを押して。静かな廊下を歩き告げられた部屋の前で立ち止まると扉に手を掛ける。すぐに後を追うとは言ったものの本当に来て良かったのだろうかという不安が湧き起こり扉を開ける事が躊躇された。彼を瀕死の状態に追いやったのは誰でも無い自分自身なのに。小さく息を吐いてから扉を開けると部屋の中は暗く、消毒液の匂いと一定のリズムを刻む機械音が聞こえて静かに扉を閉めて。そっとベッドの側まで歩み寄ると眠っている相手の顔を見つめて少しばかり顔色が良くなっている事に安堵して。首筋の傷口はガーゼで覆われ腕には輸血の管が繋がっていて、彼をこんな姿にしてしまったのは自分だと思うととても惨めな気持ちになりベッドの傍に置かれた椅子に腰を下ろして。)

……ごめんね、テオ……僕を許してくれ、……

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