書物置き場

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執筆さん  2021-03-06 22:28:04 ID:f025df0b2
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  • No.1 by 執筆さん  2021-03-07 12:04:20 ID:f025df0b2

【プロローグ】~旅の門出は空き缶探し~の巻

―――空前のリサイクルブームに湧く大江戸はぐれ町。ブームに便乗したゴエモンとエビス丸は「はぐれ丘」までゴミ拾いに来ていた―――

「えっほ、えっほ…エビス丸、後少しだ!」
「ほいさっ、ほいさっ……ゴエモンはん~待って~な!」

背に大きなゴミを背負い、丘の麓と頂を何度も往復する。
そんな地獄のような作業を終えて、頂にて大の字に寝っ転がる二人。

「ふぅーっ!ここのゴミはあらかた片付いたな。」
「ホニョー、やっとでんな~。ワテもう動けまへんでぇ~。」

全てのゴミを運び終わり、ほっと一息つきたいがために天を仰いでいれば……

「ゴエモンさーん!」

野郎二人の声とは別に、一段と明るい聞き馴染んだ声がはぐれ丘に響き渡った。
何事かと起き上がれば、髪をお団子に結い上げたおみつことおみっちゃんがお盆を持って小走りで此方に向かってきている姿が目に入る。

「よぉ、おみっちゃん。」
「こんにちはゴエモンさん、エビス丸さん。わぁ~…!二人共、すごく頑張ってくれたのね!お陰でとっても綺麗になったわ。はい、これお弁当!」

にっこりと微笑みながら二人に手渡されたのは、おみつがさっき握ってきてくれたのか、まだホカホカと湯気がたっているおむすびだった。

「おおっ!こりゃありがてぇ!!」
「にょほほほ、これは天のめぐみ。いっただっきまーす!」

最近のはぐれ町ときたら、そりゃもう平和の一点張り。暫く体を動かしていなかった二人にとって、もはやこのおむすびを握ってくれたおみつは神様同然だった。
大きな葉っぱで包まれたおむすびを口いっぱいに頬張り咀嚼する。お米の甘味と塩の加減に、黙々と食べ進めていくと、おみつのいつもと違う姿に気付いたゴエモンが口を開いた。

「ん?そいつは新しい髪飾りじゃねぇか?」
「あ、わかった?これはねぇ、団子のくしでできているのよ。」

気付いてくれたことに対して満更でもなさそうな様子で嬉しそうに微笑むおみつ。

「へぇー。くしのリサイクルかぁ。うまいこと作るもんだ、似合ってるぜ。な、エビス丸。」
「ええ、そりゃもう、世界一うまいでっせ、おみっちゃん。」
「ダメだ。全然聞いちゃいねぇ。」

呆れ顔ではぁ…とため息を吐いて再びおむすびを口に運ぼうとするゴエモン。
……しかしその視線はおむすびではなく正面を向いていた。

「ゴエモンはん、どないしましたん?食べへんならそのおむすびワテが食べまっせ?」
「なぁエビ…今の、ヤエちゃんじゃねぇか?」

エビス丸の軽いジョーク(本人は本気だったらしい)をスルーして疑問を投げ掛けるゴエモン。
その口から出た名前に驚いて周囲を見渡せば、確かにヤエが丘を颯爽と走っていくのが確認できた。

「ほへっ?おーい、ヤエちゃーん!」

何故こんな所に秘密特捜忍者であるヤエが居るのだろう?と再び疑問を募らせたエビス丸は、取り敢えず声を上げて彼女を呼んでみる。が、その疑問が解けるモノが天から降ってくるなんて誰が予想しただろう。
がんっという鈍い音と共に、エビス丸の頭にはたんこぶができた。

「ほにぃっ!?誰でっか!?空き缶はゴミ箱に放りなはれ!」

空から落ちてきたのは赤色のスチール缶。それも普通のサイズとは異なり、人間と同等のサイズをした物だった。
何となく胸騒ぎがしておみつを物陰に避難させていたゴエモンは、エビス丸の怒りの源である空き缶を睨み付けてとあることに気が付いた。

「なぁエビス丸、よく見ろ。ありゃただの空き缶じゃねぇぞ。」

ゴエモンの言葉に我に返ったエビス丸も、その空き缶の様子に気付く。

「ほんまでんな。ヤエちゃんが危ないでっせ!」

何を思ったのか、互いに顔を見合わせて頷けばヤエのもとへ走りつつ懐から武器を取り出した。

「食らえ!チェーンキセル!!」
「ホニョー!正義の手裏剣!!」

次の瞬間バシンッという痛々しい音と共に、謎の空き缶は地に転がった。その上部分からは頭が生えたことは言うまでもない。

「…おのれ!ここは一度引き上げるでござんす。」

黒々として見え辛い顔はゴエモン達を睨むような姿になり、体内からバネを出してくるくると大江戸城の方角へ逃げて行った。
それを特に気にする様子もなく、二人はヤエに近づく。

「大丈夫かい?」
「ありがとう二人とも。大丈夫よ。それよりも大江戸城が大変なの!!」

ただならぬ様子で事の詳細を教えてくれるヤエ。しかしその内容に、ゴエモンは驚き、エビス丸は項垂れた。

「なにぃ!?ゴミのお化け達に大江戸城が乗っ取られたぁ!?」
「またお殿さんの所でっか…。」
「ええ…でも今回はそれだけじゃないの。ね、サスケさん。」

頷いて再び深刻そうな表情に戻ったヤエは、その背後にいる人物(?)に声を掛ける。その正体は起動からくり忍者のサスケだった。

「その通りでござる!」
「これは…サスケやないでっか。」
「今回は一人任務だったんだけど……でも私一人じゃ不安だったから、お爺さんに頼んでサスケさんを連れてきたの。」

ヤエの説明に納得した二人は、今度はサスケの言葉に耳を傾ける。

「城内を見て回ったでござるが、お殿様もゆき姫も見つからなかったでござる…。」
「どこかに連れ去られた可能性が高いわ…。」
「恐らく。…しかし、行方はさっぱりでござる。」
「手掛かり無しじゃどないしようもおまへんなぁ」

どうするべきか悩んでいる三人に、暫く黙っていたゴエモンが口を開いた。

「いや、そうでもないぜ?分からなかったら聞けばいいのさ。」
「聞く?聞くって…誰に?」
「決まってるだろ?さっきの空き缶野郎だよ。」

口角を上げてみんなを見つめるゴエモン。
コソッと物陰から顔を覗かせたおみつはというと、次の旅路が決まったらしいゴエモン一行のもとへ走り寄り、「みんな、頑張ってね!!」と声を掛けるとゴミの後処理があるからと向こうへ行ってしまった。
おみつの言葉に頷いたゴエモンの瞳は、今度は真っ直ぐ大江戸城を見据えていた。その様子に三人も頷く。

「いくぜ!みんな!ゴミのお化け達から大江戸城を奪い返すぞ!!」

そう言うが早いがはぐれ丘を掛け降りていくゴエモンの後にエビス丸、ヤエ、サスケも続く。

これが、新たな旅の門出だった______

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