puu 2021-01-26 06:46:23 |
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第2章 「先輩とバイトとネックレスと」
驚いた 。先程 、走っていった彼女は今自分がこれからお世話になる会社にいたのだから 。彼女も少し気まづいのだろう、あまりこちらとは目線を合わせてはくれない 。
だが 、先程拾ったものが彼女のものならばきちんと渡さなければいけない 。この様子だと自分のことをきっと避けて 、渡す機会がなくなる 。ならば 、今声をかけるしかないと思い発した 。
すると彼女はいきなり口を塞いできた 。もごもごする自分に彼女は小さな声で呟いてきた 。別に誰にも話すつもりなんて毛頭ないし 、だけど彼女は先走ることが多い 。少しは此方の話にも耳を傾けてほしいものだ 。そんな時 、上司が教育係にと彼女を指名した 。都合がいいと思った 。
上司を後押しするなり 、彼女のほうを向くと目をまん丸にさせていた 。そんな彼女が少しおもしろいと思った 。
ネックレスを渡すなり 、目を潤ませて泣きそうになる彼女を見て驚きと共に焦った 。と 、同時にきちんとあの時拾っておいて良かったと安堵した 。そしてまた思う 、彼女はこんなにも喜怒哀楽がはっきりしていて丸で自分とは正反対だと思った 。そんな彼女のことをもっと知りたいと思った 。
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