台本人間 2021-01-26 00:54:39 |
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「これこれ…。“あれら”をいじめてやるな─嫌われてしまうよ」
『そんなの関係ないね』
「まったく……気性の荒い子だ。そんな風に育てた覚えはないんだけどね」
『ふんっ…。俺はあんたの“子供”じゃない。親面しないでくんない?』
「──ふふ、悲しいことだ」
頬を撫でる風はまだ暖かくて、早く冬がくれば良いのにと願った。
活気から離れた森の奥で異種は何を思うか。
『あのまま死んでいれば良かったんだ』
「──戯れに伸ばした手に、お前の小さな手が触れたことを今でも誇りに思う」
交わる事のないこれらの小さな家族の大きな過ち。
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