台本人間 2021-01-26 00:54:39 |
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『あー!もう「サ」is 何!?この選択肢内に私が導き出した数字1つも無いんだけど!?』
「引退したのになんでまだ部室に居るんですか先輩…試験勉強は家か塾の方が捗るのでは?」
『うっっわ可愛くな!後輩くんが寂しいかと思っての気遣いじゃないのぉ。それに君だけは我が部のエースとして見込んでるんだよ?ほら、もうすぐ卒業しちゃう元エース部員である先輩に今の内に聞いておきたい事は無いのかね!?』
「部員、俺と先輩二人だけですけど。」
『……。』
「民間伝承部のエースって何処の進路に有利ですか?」
『……………まあ待ちなよ後輩くん。その疑問についてはまた後日受けようじゃ無いの。』
「いえ、大丈夫です。そもそも部活動なんてまともにする気無かったし、俺はもう進路に向けて動いてますし、今更先輩に聞きたい事も無いですよ。」
『なんだよもおおお!悪かったってぇ、新歓で泣きついてまで入部届書かせて1年間付き合わせたのごめんねぇ!』
「泣きすがられるのは中々に悪く無い気分でしたので気にしないで下さい。」
『こっっっわ!!前触れ無く本性のドSチラ見せしてくんの止めてくんない!?』
「あ。聞きたい事1つありました。」
『この流れで!?まぁいいけども…はいはいなんなりとー?』
「学園祭に来たOBの大学生、彼氏ですか?」
『違っっっげェわ!!!普通にただのこの部(ウチ)のOBだわ!!』
「なるほど先輩の片想いですか。」
『なんっ、…そうだよ、そーですよ!…ってゆーか、後輩くん人の惚れた腫れたに一切興味無さそうなのにどったの?ビックリしちゃった。』
「まぁぶっちゃけ誰が誰を好きとか一切興味無いですね。」
『聞いといて興味無いんかーい。もっとこう、突っ込んで聞いてみたり、応援してくれたり、さあ?』
「大体分かるんで。俺を入部させたのも、大方この部が廃部になったら接点無くなっちゃうから必死だったんでしょ?」
『エスパーかな?』
「先輩が分かりやす過ぎるだけです。」
『うへぇ…そんな分かりやすいかぁ……………ねぇ!後輩くんは恋とかしてないの?ねぇねぇ!』
「……ウッザ」
『素の反応がぶっ刺さる!!いいじゃーん!恋バナしよーよ!初恋いつだったかとかで盛り上がろうよー!』
「逃避はその辺までにして、そろそろ受験という現実と向き合って下さい。」
『ド正論過ぎてなんも言えねぇよ…うう、』
「…先輩、気付いて無いみたいなんで言っておきますけど」
『ん?なぁに』
「……………──、記入欄 ズレてますよ。」
『……マジだわ。』
「(喉まで出かかった言葉は今日も告げられなかった。)」
(/スペース感謝)
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