草冠の恋文　

…本当？伊黒さん優しいわ…！ほら私、この髪色でただでさえ目立つでしょう？それに加えて大食いなんて…はしたない女だって、伊黒さんに嫌われてしまったらどうしようって…。
( 相手の言葉に安堵し、優しさにキュンと頬赤らめて。しかし未だ拭いきれなかった羞恥心から、ちらちらと相手の様子伺いながらぽつりぽつりと胸の内吐き出し。 )

髪色にしろ大食いにしろ甘露寺はそのままが良い。コンプレックスは誰にだってある。──...少し余計なことを口走ってしまったかもしれん、気に障っていたらすまない。
( ぽつりと話す相手の話を聞いていると思わず素直な答えを口にしていた事に気づいて。段々と顔を赤くすると額に手を当てながら述べ )

そんな事無いわ！むしろ…否定せずにいてくれたのが嬉しくて。…そうよね、誰しもコンプレックスを抱えているものよね。ありがとう伊黒さん！
…私もね、もしも伊黒さんがどんなコンプレックスを抱えているとしても、私は今のままの伊黒さんが良いなって思うの！なんて──…な、何だか暑いわね？食事はこれくらいにして早速お散歩に行きましょう！
( 自らのコンプレックスを認めてもらえた事にうっすらと瞳潤ませるほどに喜び。自分の中の率直な気持ちを話したものの、相手の赤くなった顔を見て唐突に恥ずかしくなり。同じように赤くなった顔を冷ますように手でパタパタと仰ぎながら話題変えて。 )

甘露寺が元気になってくれたのならそれで良かった。──そのままの俺で良い、か...
─...あぁ、良い頃合いだしそろそろ出かけよう。そう言えば甘露寺が行きたいところはあったりするのか？
( お礼を述べられると控えめな笑みを浮かべて。まさか自分に迄そんな事を言われるとは想像もしていなく驚いた様に瞳を見開くと相手からの言葉をもう一度独り言のように口にし、気を取り直そうと支度をしながら尋ねてみて。)

…私を、元気付けようと…？ ──伊黒さんってば、なんて優しいの…！？
うーん、そうね…伊黒さんの気分転換とネタ探しに当てもなくお散歩するのもいいかなって思ってるんだけど──…あっ、そうだわ！伊黒さんを是非連れて行きたい所があるのよ！
( 向けられた台詞と笑みに胸の高鳴り抑えられず、染まる頬を両手で抑えて。支度を始めた相手を見て、いそいそと朝食の片付けをしながら相手の問いに首を捻っていると何かを思い付いたのか顔を輝かせて。 )

師匠として弟子を助けるのは当たり前だと俺は思うが...
...！本当か？甘露寺が勧めてくれる場所ならネタが思い付く気がする、是非連れて行ってくれると嬉しい。
( 自分の優しい一面に中々納得が行かず首を傾げながら答え、迷っていたものの顔を輝かせて思い付いた提案をして来る相手を見ると、もしかしたらネタ探しに繋がるきっかけになるかもしれないと思考し笑みを浮かべて。)

えっ、あっ、そうよね！私ったら一人で舞い上がっちゃって…恥ずかしいわ…！
うふふ、尊敬する伊黒先生にそんな風に言われると弟子として気合が入るわね！じゃあ早速行きましょうか。
( 相手の答えにあわあわと落ち着き無かったが、次に続く言葉に嬉しそうに微笑み。使命感に駆られたのか珍しく敬称を付けて相手を呼ぶと、任せてという風に力こぶを作る素振り見せ。外に出てから向かったのは、人もそこそこに増えてきた大通りで。 )

...？あぁ、お互い気合が入ったところでそろそろ行こう。─甘露寺が勧める場所というのはこの近くにあるのか？
( あわあわと恥ずかしがる相手の様子を見てどうしたのだろうかと首を傾げ。家から出て行きゆっくりと足を進めながら大通りに向かっているのにふと気付くと、疑問を述べてから辺りを見廻して。)

ええ、前にお友達とお茶をしに来たときに見つけたのだけれど……あっ！あそこよ！──伊黒さんの著書の後書きでね、確かお好きだって話されていたなって。お友達と一緒に居た時は前を通っただけだから、私もお店の中までは見てないの。折角だから伊黒さんと一緒に来たくって！
( きょろきょろと、件の友達と通った道筋を思い返すように歩いていると見覚えのある店が目に入り。指差した店先には、食べるには勿体無い程丁寧に作られた飴細工が所狭しと並んでおり。自分の記憶に自信があるのかこの店を選んだ経緯を一息に話して。 )

──その後書きは大分前の巻に書いたはずだが甘露寺は覚えていてくれたのだな...本当に感謝する。─甘露寺はどの飴細工が気になるかあったりするか？
( 指が指された方向に視線を向けると色々な形が丁寧に作られている飴細工が並んでおり、まさか自分の大好物を覚えてくれているとは思っていなくとても嬉しそうに満面の笑みを浮かべると本当は近くで見たいが、遠慮し少し遠くから眺めながら尋ねて。)

( ／　急に背後失礼します...！蜜璃ちゃんの背後様は無限列車編は見れましたでしょうか？　)

もちろんよ！私、伊黒さんの一番弟子である以前に一番のファンだもの！──そうね、どれも素敵だけど…あっ、これ綺麗。桜かしら？……ね、伊黒さんも一緒に見ましょう！ほら、お店の中も。作っている所が見られるかもしれないわ！
( 相手の笑顔に内心キュンキュンしつつ、とん、と胸に手を当て誇らしげに。目の前に飾られた儚くも美しい飴細工に目を輝かせていたが離れた所に居る相手に気付き、衝動的に手を取り促すように軽く引っ張り )

( ／ お声をかけてくださってむしろ嬉しいです！当方、初日にしっかりと乗車して参りました…！主様は無事観られましたでしょうか？ )

甘露寺がそう言ってくれると凄く心強い。──本当だな、鮮やかな桜を飴細工で表現できている。他の飴細工も凄く綺麗だ。...甘露寺、あれを見てくれ。
( 誇らしげにファンだと言われると心底嬉しそうな表情で頷き、飾られている飴細工で出来た桜を興味深そうに眺めるとつい褒める言葉の数々が沢山出てきて。相手の手を掴み辺りを見回していると飴細工が作られている工程が見えて。)

( ／　それなら良かったです...！此方もなんとか無事に乗車することが出来ました。最後の方に伊黒さんと蜜璃ちゃんも出てきましたね！)

とても素敵ね、余りにも綺麗だから食べられる物だって事を忘れてしまいそう。──なあに？…わあっ！凄いわ！本当に作っている所が見られるなんて！あれは……金魚かしら？まるで生きているみたい！
( 相手の様子に同じように嬉しそうに微笑み。店内にも所狭しと飴細工が並んでおり、どれを見ても美しいそれらに目を奪われていると声を掛けられた事で視線を上げて。示された先に見えた職人の華麗な手捌きに感嘆し、きゃっきゃと子供のようにはしゃぎ。 )

( ／ おお…！お互い乗車できて何よりです！欲を言えば最低でもあと２、３回は映画館に足を運びたいですが…もう少し落ち着いてからにしようかなと…。出てくれましたねー！柱が出てくれて嬉しいのと感動と悲しさとで泣きすぎて、感情が暴走しすぎてとにかくやばかったです(語彙力) エンドロールも号泣しました…あれはずるい…！ )

そうだな、そして食べるのが勿体無いぐらいだ。─俺もまさか作られている所が見られるとは思って居なかった。...甘露寺には色々と礼をしなければならないな、何か俺が出来ることがあれば言って欲しい。
( 柔らかい笑みを浮かべながら相手の言葉に相槌を打ち、職人達が手がける飴細工の工程を見ているだけで思わず時間を忘れてしまいそうになるがはっと我に帰り。視線を上げて相手の嬉しそうにはしゃいでいる様子を微笑ましく思いつつも尋ねて。)

( ／　本当に良かったです...！此方は炭治郎の上弦の参へ言った言葉とエンドロールに負けてしまいいつの間にか目から汗が出てしまいまして...何回も見に行きたいですよね。
そういえばと今更ながらお聞きしたいのですが背後様は鬼滅の知識は何処までございますでしょうか？　)

ええ、ずっと飾っておきたいくらい！──ふふっ、伊黒さんったら大袈裟ね。そんなお礼だなんて……じ、じゃあ…っ、お家に帰るまでで良いからこのままで居ても…いいかしら？
( きらきらと夢中になりながら、相手の言葉に謙遜しつつもくすくすと可笑しそうに笑い。遠慮しようとした矢先、ふと思いついたように続いたはずの言葉が止まり、頬を赤らめ視線は未だ繋がれた手の方へと下げながらぽつりと呟いて。 )

( ／ 分かります…！炭治郎が最後叫んでいるのと同時にいつの間にか手を握りしめていました…何度も行きたいですねー！これは散財では無くお布施だと思ってます！(財布が開く音)
はっ！確かにお話を共に紡がせて頂く上で一番重要なところでした！えっと、主に原作単行本派で小説もアニメも一通り通っております。ですが余りにもSNS等で話題になりすぎたのと自分への待てが効かなくて…最終までネタバレ確認済みでございます…！ )

あぁ。──大袈裟ではない、中々ネタを思い浮かべる事が出来なかった所に、甘露寺が此処へ連れてきてくれたお陰で原稿が進められる。......甘露寺？これは...？
( もしも此処に来ずずっと家に居たとしたならばあのままネタを探す事などできなかったかもしれない。そう思えば相手に感謝しきれないほどの恩が有ると感じ。笑みを浮かべながら述べると予想していなかった相手からの呟くような答えの意味が解らず、目を瞬きさせていると今まで繋いでいる事を忘れていた繋がれている手を見ると段々と顔が赤くなっていき。)

( ／ わかります...！映画が終わった後も見れるようもし発売されるのであればDVDやBlu-rayの購入も検討してます。
此方も全くそんな感じです！単行本12月に発売されますね...！)

うふふ、お役に立てて光栄だわ！……ええっと、……そ、そう！私もネタが欲しくて！書くなら絶対に恋愛モノがいいって決めていたんだけど、その……私、殿方とお付き合いした事が無くて！こ、こういう経験は大事だなあって思っていたの！
( 尊敬する先生の役に立てたことに満面の笑みで嬉しそうに答え。自分が示した事に対する質問に、まさか意中の人と繋いでいる手を離したくない。などと本音を言えることは出来ず。頬を染めたまま、あわあわと一息で捲し立てるように誤魔化そうと。 )

( ／ 同じくですー！スクリーンでの迫力にはもちろん負けますが…やはり家でも見返したい…！
わあ、同じ感じで良かったです！ついに最終巻ですね…心の準備は出来ているんですが、やはり寂しいです…うう…。 )

......そうだったのか。確かに小説を書くに至って経験を積んでいくと言うのは重要な事だ。─...とても言いづらいのだが俺もそう言うことには慣れていなくてな、もしそれでも良いと甘露寺が言うのなら師匠として手伝おう。
( 顔から赤みが引くと、相手がもし恋愛小説を書くのであればこう言った経験も必要なのかもしれないと納得した様子で。女の人が少々苦手だった事から相手と同じくその様な経験は持ち合わせておらず。改めて何故か相手には苦手意識が無いのに対し疑問を抱きつつも師匠としての務めをと考えて。)

( ／　映画の迫力はやっぱり素晴らしいですよね...！
此方もすごく安心しました！22巻を読むのでさえも実は手を震えさせながら読んでいましたので今からすごく心配です... )

えっ、伊黒さんも？…何だか少し嬉しいわ。──じゃあ改めて、よろしくお願いします。…あのね、伊黒さんはそれでも良いならって言ってくれたけど…私は伊黒さんだから、伊黒さんが良いからお願いしたのよ。……さ、さあ！そろそろ出ましょうか！あっ、伊黒さん何か買いたい物とかは無いかしら？
( 受け入れられた事にホッとした後、慣れていない、という一言に驚きつつもその言葉に対する安堵と喜び顕にして。ぺこりと一礼すると、一拍置いて未だ頬は染まったままに素直な気持ちを伝え。自分なりに振り絞った告白紛いの台詞に居た堪れなくなり、恥ずかしさから相手の顔が見れず諸々促すように再びきょろきょろと店内見回し。 )

( ／ ですです！ただでさえ作画が素晴らしいのに、そこに迫力が加わってもう…感無量です…。
分かりますっ…！買った後から読み始めて終わるまで動悸が激しくて…！最終巻でついにおばみつが…物語が…って考えるだけで耐えられるか不安です…！ )

あぁ、経験が無かったが俺だけじゃなかった事に安心した。──......！...本当にありがとう、甘露寺。......かなりの時間が過ぎていたようで驚いた、買わずに帰るのも店の者に悪いし何か買っていこう。...俺はそうだな......
( 頷くと此方も安堵の笑みを返し、自分だからこそ良いと言われるのは予想外のことであり目を丸くするも間を置いてから柔らかく微笑んで。相手の言葉ではっと我に帰ると時間が経過していっていたのに気付き、そろそろ買って帰ろうと見渡していると最初に相手と見ていた桜の飴細工が目に止まり。)

( ／　ですね...！鬼滅は本当に映像でも原作でも泣かせてくるんですよね...
もしアニメ2期が来るなら是非刀鍛冶の里編が見たいです... )