奏歌翔音 2020-03-03 18:33:56 ID:5762b1903 |
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>烏丸桐恵さん
「人から拒絶されたこと……ですか?」
すぐに思い出すことができず、問い返す。烏丸さんの悲痛な表情は、冗談でそう問いかけたのではないことを物語っていた。
「うーん……中学の頃に、そんな感じのことはありましたね。陰口や顔を見て笑われるほかに、みんなから距離を置かれるみたいな。『来ないで』って直接言われたことは少ないですが、私が近づくとどっかに行かれて。見てはいけないものを見る目で見られることもしばしばでしたね。でも……」
歴史の教科書を読むような、淡々とした口調で話していたが、一瞬言葉を詰まらせる。
「でも、一番辛かったのは……小学校からの一番の友達にそれをされたことでした。彼女は所謂『オタク友達』で、一緒に漫画の話をしたり、メカロ曲を歌ったりしてたんです。いじめが始まってからも、しばらくは話しかけてくれて、『刹那ちゃん』って呼んでくれて。彼女に『斑鳩さん』って呼ばれたとき、何かが壊れる感じがしましたね」
彼女が変えたのは呼び方だけではなかった。友人に裏切られたあとの刹那の人生は、烏丸さんも知るところだろう。
「あーっ、ごめんなさい!長々と話しちゃいました!まあ結論は『ある』でいいですかね!」
決して明るくない話に烏丸さんを付き合わせてしまったことに対して、かなり高いテンションで謝罪した。
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