奏歌翔音 2020-03-03 18:33:56 ID:5762b1903 |
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>禁忌さん、烏丸桐恵さん
「そっか、禁忌が大丈夫ならいいよ。でも、一つだけ聞かせてほしいことがあるんだ。
……烏丸さん、禁忌、ごめんなさい。今から禁忌にする質問は、二人を傷つけるかもしれません。禁忌は答えたくなかったら答えなくていいし、二人が私を許せないなら、殴るなり斬るなりして構いません。……でも、嘘はついてほしくない」
そういって深々と頭を下げたあと、禁忌をまっすぐに見つめて尋ねた。
「禁忌『たち』……いや禁忌は、本物の人間になりたいと思ったことはある?人間の体で、人間として人生を送りたいと思ったことはある?」
禁忌たち、と言いかけて言い直したのは、自信がなかったからだ。つい最近まで記憶の共有をしていた禁忌なら、その片割れの答えも知っているだろう。しかしもし、ユーリが人間として生まれたいと思っていたら。正気が保てる自信がなかった。
(ユーリが人間として生きて、その過程で誰かを恋慕する。でも絶対に、その「誰か」は私ではない。だめだ、分かっていても許せない)
我ながら浅ましいな、と思わず自嘲した。
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