【 指名制 / Remake 】耽溺のグランギニョル【 提供人外 / マルチエンド式 】

【 指名制 / Remake 】耽溺のグランギニョル【 提供人外 / マルチエンド式 】

執事長  2020-02-25 19:00:33 
通報


 それは空から降ってきたのか、あるいは地から湧き出たのか。

 あなたの手には、身に覚えのない一通の招待状が握られていた。

 艶めく黒薔薇の封蝋が、" 早く読んで "とあなたを誘う。

>―― 嗚呼、なんて美味しそうな貴方。今夜、お迎えにあがります ――

 それは、狂った喜劇を好む神様の、歪んだ悪戯だったのだろうか。

 斯くしてあなたは異界へ攫われ、人を喰らう怪物たちと一つ屋根の下で暮らす事となった。

 この世に一つだけのグランギニョル、その幕が今ここに上がる。



  ▼ 規則や世界観 ▼
【 https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/world 】

  ▼ 提供一覧 ▼
【 https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/monsters 】

  ▼ 参加方法 ▼
【 https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/welcome 】



  ▼ 概要 ▼

/ 再建トピ / 指名制 / 人外×人間 / メリバ要素、流血表現を含有 / シリアスでダークな雰囲気も、仄々切ない純愛も /
/ あなたの指名や行動でエンドが分岐、1度エンディングを迎えてもご所望の限り物語が続くマルチエンド式 /
/ 基本は登録制、ご希望の方は無登録でも勿論可 /
/ 今回より完也を推奨、当方はご挨拶の後から伽羅口調にてお返事させて頂きます /
/ お互いが楽しめてこそ、真のハッピーなりきりライフ!という信条の下、相性重視 /
/ セイチャット様および他トピ様にご迷惑をお掛けしない様、当トピの名前を他所で出す行為・当トピ内で他所様のトピを仄めかす行為・演者様(参加希望者様)以外の書込みはご遠慮ください /


  ▼ 先代トピからの変更点 ▼

①黒薔薇屋敷の秘密について、より詳細な設定が公開されました
②提供が新たに3名追加され、既存メンバーも1名変更しました
③新たに" 秘密の共犯者ルート "を追加しました




コメントを投稿する

  • No.924 by ジョネル / クォーヴ  2024-05-18 19:15:48 



>ニール(>>922)


素敵な結びをありがとう、ニール。そうそう君のことは先輩から聞いてるよ、此方こそよろしく。
独りに戻った時の様子、読んでて凄くわくわくした!――あー、いや君が苦しんでる事に対してじゃなくて、君が人間の世界で忌避されていた背景とか設定が見事に本編に昇華されててテンション上がっちゃったというか…きちんとニールって演者さんの個性が出てて嬉しい、みたいな。だから、そこもありがとう。

君の状態と時間軸、両方りょうかーい。先輩は当初の予定通りハイネから聞いて君の部屋に来るって感じにするね。あーあ、先輩は良いなぁ。だってほら…君って凄く美味しそう。今回の件で素敵な記憶もいっぱい出来るだろうし…気が向いたら僕にも少し分けてよ。
すぐ先輩が来るから、もう少し良い子で待っててね。君にとって特別な夜になりますように。


***


クォーヴ:
(最初に貴方の部屋へ訪れた怪物として、ハイネから接触があったのは今から10日以上前だっただろうか。確かにコレクターの彼が目を付けやすいであろう特別な色彩を持つ獲物だったゆえ、先を越されて悔しかったのだろう――だから貴方との約束の事も嬉々として伝えてきたのだろう。少し話しただけでも寂しがり屋さんである事が伝わってきたからこそ、約束の内容を聞いた時に真っ先に抱いたのは心配の感情だったが、貴方の様子を見に行くのにたっぷりと日を空けたのは故意。その方がきっと、より濃密な記憶に相見える事が出来ると怪物の本能が告げていた。そろそろか、と立ち上がれば満を持して貴方の部屋へと、丁寧に3度ノックしてから「 こんばんわ、ニール。僕のこと、覚えているかな 」緊迫した夜の闇を溶かすような、穏やかで柔らかい声色。特段意識したものではないそれで挨拶をして、そこに反応があってもなくても「 ハイネから約束の事を聞いたんだ。君が心配で――少しだけ顔を見せて 」そう前置きをして静かに扉を開こう。貴方がベッドに丸まったままの状態なのであれば、きゅっと悲しげな表情を浮かべてから一歩ずつゆっくりと近付き、ベッドの縁へと腰掛けて許されるならシーツの上からそっと手を添えて「 ――独りで怖かったろう 」労るような、それでいてこちらまで辛いような絶妙な声をそっと投げかけてみよう)


  • No.925 by グレン  2024-05-18 20:15:04 





>ミゲル ( >923


( 扉を開けた先彼の言葉と怯えた様子に首を傾げるも、あのダークエルフのお気に入り故の反応だとすぐに合点がいけば、けらりと軽やかな笑い声に乗せて 「 他の住人と交流すること自体は禁止されてないからキミが気にする必要は無いよ 」 鍵と称する言葉を授けられているのだから誰とどう交流を持とうと勝手なのだろうし、事実ダークエルフとの邂逅の日にも同意と取れる言葉を言われているのだが、目前の彼はそんな事は知らないはず。人差し指を己の唇の前に立て、ウインクと共に 「 それにキミは僕の招待に応じて来てくれただけ、だろう?キミがハイネに怒られる事は無いよ 」 だから、ね、大丈夫。とでも言いたげに扉を大きく開けて 「 何のお構いも出来ないのだけれど、僕の話し相手になってくれるかい? 」 彼が部屋へと足を踏み入れてくれるのなら、開けっ広げになったままのクローゼットに入った服の数々以外は他の部屋と何ら変わりない見栄えの室内の全貌が見える事だろう。もし入る様子が無いのであれば少々心が痛まなくも無いが、眉を下げたいかにも悲壮感溢れる表情を浮かべて彼の情に訴えかけるつもりで )



  • No.926 by ニール・グレイ  2024-05-18 20:46:57 



>ジョネル/クォーヴ(>924


うん、宜しくジョネル。…そう?そんなに褒めて喜んでもらえるなら、お行儀悪い格好を見せるのも悪くないかな、なんて。まあ、ちょっと照れくさいけどねぇ。

うんうん、こっちも了解。…ふふ、羨ましい?大丈夫、きっと貴方にも直ぐに会いに行くよ。オレちゃん、貴方とだって仲良くしたいからねぇ。記憶は……貴方がお腹を壊さないって思えるものなら、あげてもいいかもねぇ。それじゃあ、良い子で待ってるから。…貴方ともいつの日か、唯一の夜を。


***


(暗がりの部屋、ベッドの中央。食事や睡眠など生命らしい営みよりも、ケダモノの肚を誤魔化すばかりに手一杯になる中、牙が己が肌を離れたのは、外からのノック音の為。シーツには包まったままその音と声に意識を向けて、しかしまだじっと止まって動きは見せず。それは彼が室内に入ったと思わしき後も変わらない。――漸く反応を示したのは、僅かな重みが身体に乗った瞬間。微かに蠢く波を起こした後に、「――…クォー、ヴ?」ざらつく声が彼の名を零して。投げられる優しい言葉に、シーツの繭を解いて身を起こす。ふら、と一瞬不安定に揺れた頭を声のする方へ。…光など映さない瞳の下に、微睡むだけでは足りないと隈が住み始めて、頬や目の縁は散々溢れ流れた雫の後にベタついて。しかしそれでも、表情だけは、「……ふふ。」鋳型にでも流し込んだように、“いつも”の微笑みが作られて。「クォーヴも、来てくれたの?」喉の掠れは笑う一音に調整されて、滑らかで穏やかな言葉を彼へと届ける。「そう。オレちゃん、ずっと寂しくって…怖くって。」腕も手も、指先に至るまで己が牙の痕跡塗れ、髪だって整える事を忘れていて。それでも普段通り、のんびりとした“ヒトらしく”振る舞う所作だけ縫い込まれた、何処かちぐはぐとした言動で、「……ねぇクォーヴ。ちょっとだけ、一緒にお外に出ない?」首を傾げ、ねだる言葉を掛ける。「オレちゃん風に当たりたいんだけど、独りじゃ歩くのも難しくてねぇ。」どうかな、と答えを窺う隙間、片手はゆらふら、先程の身体に添えられた彼の重みを探して揺らめいていた。)


  • No.927 by ミゲル  2024-05-18 22:03:44 



>グレン(>>925)


え…そうなの…?
(この世の終わりかのような雰囲気で俯いていたものの、身長差の分だけ上方から注がれた注釈には少しだけ肩の力が抜け、ちろりとやや上目に貴方の顔を盗み見て。目深に被ったキャスケットのせいでそちらから目の全貌は覗えないかもしれないが、こちらからはまるでアイドルかのようなポーズとウインクがばっちりと視界に入り、同性から見ても文句なしに整っているかんばせに驚いたように、または照れてしまったかのようにまたサッと視線を下げて「 ハイネが怒らないなら… 」それでいいか、と思考がまとまりかけた所で臆病な本能が待ったをかけて。眼前に立つのは人間、信用ならない仇の種族。扉の向こう、室内にちらちらと目を遣って特に危険なものは見当たらないが、もう一声の安心材料を求めて「 どうして、僕を招待したの? 」それが使い魔と自身のミスコミュニケーションとも知らず、最も解せない点を猜疑心たっぷりの声音で問うて。先ほどは戯けた様子を見せていたのに今度は否応なしに断る事に罪悪感を感じさせる悲しげな表情――言うなれば器用すぎる表情や雰囲気の切り替えに対する違和感は現時点では自分の中で形を成さず「 そんな顔しないでよ… 」つられるように、へにゃりと情けない表情は生来の困り眉との相乗効果を生んで。ここで断ったら僕が悪者みたいだ、なんて胸中で思いながら「 僕…こわいんだ。ヒトが 」本能的に感じている恐怖、捕食者と被食者が逆転したような歪なそれを素直に伝えて様子を見ることにして)


  • No.928 by クォーヴ  2024-05-18 22:17:30 



>ニール(>>926)


ああ…ニール、
(平素よりも掠れたような声に違和感を覚えた次、孵化した蝶のようにシーツを剥いだ貴方の顔を見てそれははっきりとした実像となり、悲痛を訴える声音で一度名を呼べば両手を頬に伸ばして親指の腹で目の下あたりを優しく撫で「 たくさん泣いたんだね 」現場を見たわけではないがこれだけ状況証拠が残っていれば探偵でなくとも察しはつく。貴方をそうさせた犯人――隣人でもある怪物の顔が脳裏に去来してはその残像を消し去るようにゆるゆるとかぶりを振って「 うん…うん、 」乱れたままの髪を手櫛で整えながらゆったりとした調子で落ち着いた相槌を打ち、外出の打診には一文字気味に横倒されていた口元をふわりと持ち上げて「 もちろん。あの夜の約束、忘れていないよ 」歯型まみれの片腕、亡霊の如く彷徨うそれをそっと自らの冷たい手のひらで捕まえて「 風に当たりたいだけなら、これはどう? 」きっと少しの間ろくな栄養補給をしていないのだろう。そんな状態の貴方を歩かせるのはどうにも忍びなく、そっと立ち上がっては丁寧な動作でお姫様抱っこの形に抱き上げて「 途中で歩きたくなったらいつでも降ろすからね 」きっと交わらないであろう白黒反転した目線を腕の中の貴方へと落とし、少しだけ持ち上げては月光のような髪へとキスを落として)


  • No.929 by グレン  2024-05-18 23:16:19 





>ミゲル ( >927


どうしてって……一人が寂しかったから?
( 流されそうになっていた彼を引き留めたのは何かなんて分かるはずも無いまま、僅かに首を傾げ。彼と招待状を届けた使い魔との間のやり取りの事などつゆ知らず。言葉として発したそれが彼の疑問への回答になっているかなどは分からないも、紛れもない本心である事は確か。崩れた彼の表情は己が浮かべていた物よりも一層困った様子なのは、元から眉尻の下がった眉が問題か。なんの前触れも無く吐露された恐怖心を理解するのには数秒の時間を要し「 そっか…… 」 それでいて、どう続けるべきか悩んだ末に小さく息と共に吐き出し。この場で聞きわけ良く彼を帰すだなんて選択肢はあるはずも無く、頭の中にあるのはどうやって彼を室内に招き入れようかどうか。するりと心の内に入るのであれば愚直な程真っ直ぐに、普段より少しばかり大袈裟なリアクションを用いれば良い、だなんて頭が回ってしまうのは顔色を伺い演じる癖がついているからか。けれどもきっと彼の心に巣食う人間に対する不信感を増させてしまう結果に繋がるだろう、なんて事が分からない程の頭では無い。片手で後頭部を掻きながらその場にしゃがみ込み 「 どうやったら俺に害するつもりが無いことが伝わるだろ…。手でも縛る? 」 大真面目に巡らせる思考は小さな声ではあるものの口から漏れ出ていて。きっとハイネからの贈り物の中に腕を縛るくらいの長さのリボンか何かはあったはず。然し、初対面の客人の前でそんな姿を晒すのも、なんて考えては 「 ……どうしたらキミに伝わるかな? 」 眉尻を下げた情けのない笑みを携え、しゃがみ込んだ体勢から顔を見上げ )



  • No.930 by ニール・グレイ  2024-05-19 00:17:25 



>クォーヴ(>928


(頬に触れた冷たいもの、腫れぼったい目元にはそのひやりとした温度が心地好くて、それをゆったりと味わう瞬きを一つ。「…うん。怖くて……寂しくて、堪らなくて。」問いとも確認とも取れる一言に眉を垂らして、気弱な震え声で肯定する。それでも髪を整えられる毎に、優しい相槌を聞く毎に、表情は和らぎ弛んで、「そう、約束。良かった、覚えてたんだねぇ。」安堵に小さな吐息が洩れ、今頃ようやっと深い呼吸で肺を満たす。彼を探し、宙を惑う五指が求めたものに取らわれ、それをもっとと確かめるように緩やかに指先へ力を籠めたその矢先、「わ、っ…」ふわり、身体が浮く感覚があって。抱き抱えられたと理解したのは、彼の言葉の直ぐ後。「…ふふ、丁度良いかもねぇ。正直オレちゃん、立つのも自信無かったから。」己自身理解している、身の削れ具合を冗談めかして笑んだ次に、手探りで彼の肩に指を絡めて。受け止めた白髪への口付けで、たとえ視線が合わなかろうと彼を見上げる。「ありがとねぇ、クォーヴ。」溌剌さには欠けているものの、確かな嬉々をお礼に乗せて。「それじゃあ、お外行こう。お月さまを一緒に見れないのは残念だけど……香りとか感触、あとは音とかなら、きっと貴方と同じように感じられる、筈だからねぇ。」そのまま頭も彼の身に預け、風に当たる他、思い出の共有も目的へ足して紡いで、もう一度と彼へ外出をせがんだ。)


  • No.931 by ミゲル  2024-05-19 14:30:49 



>グレン(>>929)


じゃあ…今夜来たのが僕でなくても歓迎していたってこと?
(確かめたくないことを白日に晒すのは勇気ではなく自分を求められたいという幼稚な承認欲求のため。答えを聞くのが怖いのか語尾には傷つくことを恐れるような震えと自分を卑下するような自嘲の笑いが混じり合い、貴方から見えないよう俯いた顔には自棄になったようなやさぐれた薄ら笑いが張り付いて。「 そんなの僕にだって…、 」分からない。頭の位置が低くなったことで目が合ってしまいそうになれば反射的な動きでついと横に顔を逃がしながら、しかし害意を物理的に封じる案を自発的に出してもらった事に安易ながらも警戒心の殻には僅かずつ罅が入っていき。「 あのさ…君には、同族を…人を殺す勇気はある…? 」その問い掛けは自分の中で精一杯の譲歩のつもり。回答を得られたとてそれを100%信ずる勇気なんてないくせに、その言質に縋りたくなるほどには人間という存在そのものが恐ろしく「 それがないなら……お邪魔しよう、かな。っす、少しだけ…。 」しかし貴方の挙動言動を見ていれば、真剣に気を遣ってくれているように伝わってきてしまう。それを受け入れず頑なに拒むと本当に自分がただの分からず屋になってしまいそうで、けれど長居は無理だと先んじて伝えることで自分の逃げ道を確保しようと試みて)


  • No.932 by クォーヴ  2024-05-19 14:34:59 



>ニール(>>930)


少し軽すぎるよ、ニール。
(困ったように落とした感想は詰るような調子ではなく本当に体調を心配してのこと。使い魔からの給仕も拒んでいたのだろうか、そんな風に思いを馳せては外出を急くような貴方の言葉にふっと吐息のみでの笑いを返して「 そうだね、それじゃあ今夜のニールにぴったりの場所へ連れて行ってあげよう 」心当たりがあるのだろう、恩着せがましい感じはなく貴方を思いやるがゆえの頼もしさが滲むような爽やかな声でそう告げれば徐々に死神の足元に黒い靄が静かに渦巻いていき「 そこで君と僕だけの、内緒のお茶会をしようね 」そんなお誘いは、少しでも貴方に滋養を摂取してもらいたい為。先方の要求に応えて夜の散歩をエスコートするのだから、きっと此方からの願いも聞き届けてもらえるはず――そんな打算はおくびにも出さず、しめやかな靄は死神の腕に抱かれた貴方までをも呑み込んで刹那にして空間を跳躍し。ふと、さぁっと心地よい夜風が吹き抜けると共に運ばれてくるのは瑞々しい夜露に濡れた草花の香り。一瞬にして移動したそこはお屋敷の庭園の一角、見事な月光を遮るものはなく足元には柔らかな芝生が敷かれており、中央には手入れの行き届いた二人掛けのソファーとテーブルが置かれていて「 今は静かだけれど、もう少ししたら夜の調べが聴こえるよ 」ふふ、と笑ってはいまいち要領を得ないであろう暈した言い方を敢えて選んで貴方への未来のサプライズとしよう。一歩踏み出せば足音をかき消すほど柔らかい足場が衝撃を吸収し、出来る限り貴方に与える振動を殺してはソファーにそっと降ろした後に自身も隣へとふわりと腰掛け「 お砂糖たっぷりの温かい飲み物はいかが? 」今の貴方には少し重たいかもしれないが、砂糖が人間にとって滋養となることは承知済。とはいえ押し付けるような言い方ではなくあくまでも貴方に選択の権利を残しては横顔を見つめて)


  • No.933 by グレン  2024-05-19 15:14:02 





>ミゲル ( >931


んー……どうだろう
( 誰でも良いから、そんな風に使い魔に頼みはしたが果たして招待状を渡された相手がお腹を空かせていたら歓迎出来ていただろうか。たらればの話をしたところで明確な答えなんて出せるはずも無く、暫く頭を悩ませた後に相形を崩して 「 今の僕はキミだから歓迎してる、じゃダメかな? 」 震える語尾で言葉を繋ぐ彼を、どこか演じ偽っていない自分と似た物を求めているような彼をどうにか安心させたくて。俯きこちらへと視線を合わせないように彼がしてる以上、普段よりも柔らかな声色を心掛けて。尋ねられた事柄の真意なんて分かりはしないが、先の人間が怖いという発言からの推測は建てられる。気に入られるための回答と本心とが一致をしたからか、間髪入れずに紡ぎ出す答えは一人称の前で不自然な間を生み 「 無いね。例え…僕がどんな扱いを受けた相手だとしても殺す勇気なんて欠片も無い 」 それが舞台上で与えられた役柄であればまた別問題ではあるが、グレンという人間の中にそんな物を持ち合わせているわけも無く。勿論、殺したいとそう思う人間がいない訳ではない。もし彼が少しでもこちらを見ていたのならばすっと細めた双眸の奥深くに翳りが見え隠れした事に気付いただろうか。少しだけ、そう予防線を張られようとも室内に入ってくれる事実には変わりがない。ぱあ、と表情を輝かせれば立ち上がり彼が通れる分だけの幅を開けるために壁際の方へと寄り )



  • No.934 by ニール・グレイ  2024-05-19 17:22:14 



>クォーヴ(>932


……ごめんねぇ。
(彼からの言葉が、揶揄でも非難でもない為だろうか、返事の迷いを泳ぐ瞳に表した後に、ただ一つ小さな謝意だけを落とす。それから返ってきたねだりへの了承に、「お外のお茶会?…ふふ。良いねぇ、楽しそう。」色の失せていた頬は仄かに紅を含んで、彼の穏やかさに釣られたように声も少しずつ弾み出す。そのまま彼へ身を任せていれば――感じたのは風の流れ。それから、豊かな潤いを内包し馥郁と漂う花々の香り。「……いい匂い。」くるり首を回して、見えぬ景色を想像しては目を和やかに細める。「夜の…調べ?何だろ、楽しみだなぁ。」彼の曖昧な話には一瞬だけ怪訝そうに唇を結び、しかし彼の物言いに悪い事ではないとまた嬉しそうに綻んでいく。空気の微かな揺れに彼の歩みを悟り、その肩に置く手へ僅かながら己が身を支える力を強めて大人しく、やがて下ろされれば素直に腕を離して背凭れへと沈む。触れるものの無くなった身は些かそわそわと、丸まりたげに膝や脚の辺りを緩慢に擦っていたものの、問いが届けばそれも止めて声の方向に顔を向け、「……うん。オレちゃん、甘いの好きだし、貰おうかな。」一つ、首肯を。続けて、「……今なら、多分大丈夫。飲める、と思うから。」普段よりも、少しばかり弱気に。自らに言い聞かせる音を含めて彼に伝えた、その後。ぽすん、と緩やかに傾けた身体の重みを極軽く隣の彼に添わせて、「ごめんね、クォーヴ。…触れてないと、何だか不安で。」ジョークを織り込む苦笑いの陰、組んだ十指は固く、手の甲に爪が立つ程強張っている。「……ちょっとだけでいいから、こうさせて。」合わずとも瞳は恐る恐ると睫毛の下へとその我欲の熱を隠し、今度は静謐に頼る台詞を作り込んで、細やかな彼との触れ合いを願った。)


  • No.935 by ミゲル  2024-05-20 18:11:41 



>グレン(>>933)


……いま、誤魔化したでしょ
(二つ返事で明確な解が返ってこなかったことに何となく求められていたのは自分という個ではないのだと察しが付き表情を暗くさせてゆくも、続けられた言葉には釈然としないもののきちんと貴方の目を見て、ジトリとした視線にて向き合うことができ。とっても大事な質問への答えは先ほどとは異なり信ずるに足る明快さで、合わせているつもりの視線の奥に自分と同じく暗いものが見え隠れすればそれは無形の不思議な親近感となって幽霊の警戒心を更に弱め「 人間がみんな君みたいだったらよかったのに 」その夢想は今となっては何の意味も持たないもの。それが分かっているからか、どこか唾棄するような笑い混じりの呟きとなって廊下に落ち。きっと自分のために空けてくれたであろうスペース、次に貴方の朗らかな顔を交互に見遣って「 そ、そんなに嬉しい…? 」困惑と照れ臭さが入り混じったように首を傾げながらもいそいそと室内へ足を踏み入れ「 お邪魔します… 」小さな挨拶と同時に片方の腕でもう片方をぐっと握り締める。明らかな緊張の見て取れる様子はまさに借りてきた猫、この先どうしてよいか分からず扉から数歩しか入っていない所で立ち止まり挙動不審に視線をあちこちへ向けて)


  • No.936 by クォーヴ  2024-05-20 18:26:06 



>ニール(>>934)


(内緒のお茶会には例え自身の使い魔であっても水を差されたくないのか、珍しく自らの魔法で準備を進めて。見えない指揮棒を小さく振るうような仕草でまずは少し温めに温度設定された甘ぁいカフェオレと、自分には揃いのマグに入った魔族専用の飲み物を用意して――そこで暖かなものが肩に触れて動きを止め「 ああ…勿論、 」その儚さすら感じる願いを聞き届けない理由は無く、二つ返事で穏やかに了承を返し「 ごめんね、気付かなくて。僕がついていながら心細い思いをさせてしまったね 」心から悔いる言葉ではあったが、声は努めて柔らかく。右側にいる貴方を自らにより密着させるように肩に手を回し、想像よりやや華奢なそこをさすりながら「 ごめんね、冷たくて。寒くない? 」怪物ゆえの体温の欠如を口惜しく思いながら問い掛け、空いている手で貴方の分のマグを掴み「 はい、どうぞ。火傷は可哀想だから、少し温めにしたよ。飲めるかな? 」貴方の手へとほんのり温かいマグをそっと触れさせて。自分で掴んで自分で口へ運べるだろうか、否、能力そのものにはなんの問題もないだろう。今夜の様子から見てきっと貴方はどうしようもなく飢えていて、それを少しでも埋めるために必要なのはきっと貴方を甘やかすこと。途中でそれに気が付いては、ふっと笑って「 それとも僕が手伝おうか? 」先ほどと同じく、あくまで最終的な選択権は貴方へ委ねて)


  • No.937 by ニール・グレイ  2024-05-20 20:30:41 



>クォーヴ(>936


…謝らなくていいよ。クォーヴが、悪い訳じゃないから。
(願いが届いた了承に、肩を擦る掌に、強張りはほんの少し解けて吐息が零れる。続けてまた、至極静穏さを持った音でお詫びを摘んだ次、気遣う問いには、大丈夫、と微笑む唇で返して。ふと手に触れた何か……彼の言葉に予想を付けるなら、飲み物の満たされたマグの温かさに指先が微かに跳ねた後、「うん、ありがと。」そっとそれを両手で包んで顔の前へと。そのまますん、と湯気を纏う匂いに鼻を利かせて、「……カフェオレだ。」気付いた中身の正体に、声には喜色が滲み出す。次いで頬も綻びかけた所で――思わぬ申し出に、それまでの動きが全てぴたりと止まって。「……え、と、」表情の作り忘れでお面の如き“無色”に落ちる顔、平坦になる声。追い付かない言葉の代わりは小さな牙の音が一度担った後、「い……いい、の?」ぎぎ、ぎい、と普段とは真反対、錆びたブリキのような鈍さで首を傾げて。彼の方を見上げる盲の瞳には期待と、衝迫とした渇欲が渦を巻いて熱を帯びる――そんな、“作り物ではない”動揺と葛藤を剥き出しにした数秒を経て。「……あは。それじゃあ、頼んじゃおうかな。」ようやっと表情は“いつも”に戻り、託されていた選択に軽やかな是を。「ごめんねぇ、さっきオレちゃん変な顔してたでしょ。そういうのに慣れてなくて、ちょっとびっくりしちゃったんだ。」それから妙に空いてしまった反応の間を自らジョークに昇華し、更にもう一つ重ねて朗らかに、するする滑らかな弁明を紡いだ最後、「……でも、嬉しい。」告げる感情は確かに籠められて。「これで貴方の姿も見る事が出来てたら、もっと良かったけど…ふふ、そこは我慢だねぇ。」欲張る“飢え”を茶化す笑みに溶かし込みつつ、「そうだ、ねぇクォーヴ。見えない代わりに、貴方のお顔に触れても良い?」隠しきれず雄弁な瞳の奥の“ケダモノ”の騙しに、まるで子供の戯れ合いにも似た提案を編み出し、それを彼へと申し尋ねた。)


  • No.938 by グレン  2024-05-20 20:33:15 





>ミゲル ( >935


……みんな僕みたいだったら、きっと大変だよ
( 呟くように紡ぎ出された言葉は返答を期待していないものだっただろうか。己みたいに求めるものへの際限が無く、己みたいに本心を偽り隠している人間ばかりだったら──自嘲交じりの声で紡ぎ出した言葉のそんな真意はきっと彼には伝わらないであろう。「 もちろん 」 開いた扉は開けたままの方が彼は安心するだろうか、と悩んだ結果勝手に閉まったら閉まった時と開け広げたままにした最終的な判断は、屋敷の一員たる彼がこの部屋にいる事と万が一のお守りもあるという二つの慢心によるもの。きょろきょろと辺りを見渡すように視線を移動させるのが傍目に見てもわかる様子に思わず小さな笑い声が漏れ出て 「 ……ふ、ははは…。緊張しなくて大丈夫だよ。ほら、ここ座りなよ 」 すっと大きく一歩踏み出し未だ連れ去られてきた時と相違無い室内の中、彼に勧めるのはローテーブル付近の扉に近いスツール。客人に下座を勧めるなど以ての外ではあるも、きっと彼は上座よりも扉に近い方を好むだろうと。遠慮をする様子があれば先に椅子へと腰掛けてから再度座るよう促すだろうが、そうでなければ彼が腰を下ろしてから対面する位置に置いた椅子へと座するつもりで。「 改めまして、僕はグレン。キミの名前教えてもらっても良いかな?」 先程の自己紹介はあのダークエルフのお気に入りという点で吹き飛んだとも同意だろう。対面して以来、彼の名前を聞いた記憶が無い事に思い至ればゆるりと首を傾げ )



  • No.939 by クォーヴ  2024-05-21 08:43:58 



>ニール(>>937)


(流暢に回る舌、巧緻な笑みを形作る顔、普通の人間と遜色ないその様子こそが貴方にとって人の皮と呼ぶべき仮面なのだろうか。まだ貴方と一緒の夜を過ごせるのは二度目だけれど、初夜からは良い意味で想像の付かなかった“素顔”を垣間見たことにふっと表情を綻ばせては、自身と違って体温のある手からゆっくりマグを借りて中身を口に含みそのまま顎へ手を添えてこちらを見上げるように向かせては甘い液体を口移し。怪物の舌には人間が口にするものの味は何もかも感じられないけれど、なぜだかこの一口だけは甘いように思えたのは気の所為だろうか「 僕は……さっきのニールの方が好きかな? 」なぜ冗句に変えてしまうのだろう、埋められない空白を抱えたような、機械仕掛けの獣のような貴方の方が作られた振る舞いよりもずっと惹きつけられるのに。そう感じながらも声に乗せる言葉は柔らかく、すり、と顎をさすってから一度手を離して。目が見えていたら、その言葉にはふふと小さく笑って「 良い子だね。我慢すればするほど、きっと解き放たれた時のニールは魅力的になるよ 」それは励ましでもありながら、記憶を肥え太らせる死神の本音でもあり。隠れてしまったと思いきや瞳の奥底に棲み着く本性がちらつくと嬉しそうに微笑み「 ふふ、勿論。僕ばっかり君に触れるのは狡いもんね 」冷たい手を、今度は貴方の片手へと伸ばそうか。そうして淡く導く先は自身の頬、あと少しで触れるか触れまいかのところで導きを止め「 おいで、僕はここだよ 」鬼ごっこの逃げ子が鬼を呼ぶような、挑発よりも戯れの色合いが濃い声を発することで自らの頭の位置を教えて)


  • No.940 by ミゲル  2024-05-21 08:59:45 



>グレン(>>938)


……どうして?だって君は多分…優しいし、……イケメンじゃないか
(どう考えたって殺人鬼ばかりの世界よりも、一見穏やかで見目麗しい貴方のような人間で溢れる世の中の方が素敵に見える。閉じこもりがちな幽霊ゆえの狭い視野が窺えるような安直な言葉は、だからこそ飾り気のない本音として大変実直な響きを持ち。「 …僕と違って 」稀有なほど端正な顔立ちは最早妬ましさを通り越して諦めを抱かせるものなのだろう。どう足掻いても陰気な自分と無意識に比べてしまってはぼそりと暗い呟きを落として。招かれる経験など乏しいために落ち着きどころを探して彷徨っていた視線は貴方の助け舟によってスツールの一点へと収束し「 …ぁ、ありがとう 」意味を成さない一音で助走をつけて紡いだ謝意は短いながらも今の自分の精一杯で。おず、と腰掛けては背後の扉が開いたままと気付いて「 その…閉めないの?危ないよ…? 」それが自分を安心させるための措置であると気付けないのは今まで他者の思い遣りに触れてきた経験が乏しいため。止められなければ一度立ち上がって静かに扉を閉め、また腰を下ろして。改まっての自己紹介はどうしても気恥ずかしく、二度告げられた名前によろしくの一言も返せないまま「 ……ミゲル。気付いてるかもしれないけど、ゴーストだよ 」もじもじと目線を合わせること能わず、照れ臭そうに短く名を明かしては薄っすらと透けた足元に視線を落として。どうにも落ち着かないこの状況、何を話せばいいかも分からずただ沈黙を恐れるままに「 ハイネを…呼べばよかったんじゃ、 」ふと湧いた疑問を声に乗せて、その怪物の名前を出したことによってより強く知覚するのはこの部屋に色濃く残る彼の魔力の残滓「 どうしてそうしなかったの? 」ちろり、貴方の顔へと目を向けて)


  • No.941 by ニール・グレイ  2024-05-21 20:31:50 



>クォーヴ(>939


(手の中から去る温もり、頬に触れる冷たさ。その手に従順に上向いて、口腔を満たしていくそれを喉へ通す。飲み干して、唇に残った雫さえ舐め取って、「……美味しい。」吐き出した短い吐息は、甘い給餌への恍と喜びが溶ける。…茶化し濁した“それ”が好ましい、など。発条宜しくきりきり曲げた首に、ぱたぱた瞬く睫毛が、その驚きを音吐朗々語って。「……そう?獲物らしい獲物の方が、怪物さんがもっと近付いてくれるかと思ってたけど、もしかして怪物さんによりけりかな。」その後に続いたのは気遣いではなく、しかし怪物への油断や侮りでもなく。ただ填め違えた歯車や測量の誤差を正すような、無機的な音声。しかしそれも励ましにするり解け、「うん。…オレちゃん、もうちょっと良い子、頑張るねぇ。」はにかむ口でそれを素直に受け止める。――触れる許しを得た片手は、彼に優しく引かれるままに伸びる。それが離れた戯れに、「何処かな、クォーヴ。クォーヴ…ここ?」此方も楽しげ、花弁の如く指を漂い舞わせて、「……捕まえた。」ひたり。温度の無い頬に添い、遊びのお決まりを放って微笑む。それから、もう一方の五指も反対側の頬へ。掌で輪郭を、指の腹で唇や目元の形をなぞり視た不意に、両手は彼の首元を通ってその肩に滑り落ち。そのままするすると腕を回していく仕草には、ただ甘えて抱き付いた無邪気さよりも――好餌に纏わり、絡め上げるような暗澹さが滲んで。「……クォーヴ。」触れて知った瞳を合わせ、盲の奥底、同じ衝動混じりの熱を籠めて彼の名を呼ぶ。口説にも似た一声の後、その首筋へと顔を近付け、「――、っ…」かっと開いた口が、寸での所で留まる。その後で、些か苦しげな、ぐるぐる唸る音を喉に、空振らせた牙の音を咥内に鳴らして。堪える沈黙から数秒、腕を解いてゆっくり戻した顔は、決まり悪く唇が結ばれて、「……ごめんねぇ。あんまり楽しくて、クォーヴの事うっかり齧りそうになっちゃった。」自らの指をもじもじと弄び、肩を縮こめ身を揺らす。そんな、親の叱りに怯える子供じみた所作を象りつつ、「わざとじゃないんだよ。…ね、怒らないで、クォーヴ。」ゆぅらり、“いつも通り”に首を傾げ、眉を下げた弱気に顔を染めて彼の機嫌を窺った。)


  • No.942 by クォーヴ  2024-05-21 21:10:02 



>ニール(>>941)


僕達は、幾星霜の時の中で沢山の人を見てきたからね。個性的な子の方に惹かれる住人の方が多いんじゃないかな
(それは暗に、人の世が何度も何度も移り変わるほどの古から怪物たちが黒薔薇屋敷へ縛り付けられている事を示すだろうか。いずれにせよ、有象無象の無個性な獲物にはすっかり食指が伸びなくなってしまった住人ばかりであることは自分を含めて確かな事。しかし、良い意味で人間らしい貴方の思考回路にはくすくすと笑って「 難しい事は考えずに、ありのままのニールを見せてほしいな 」またしても見せてくれた無機質じみた振る舞いに可愛いものを見た時のように思わずといった形で吐息の笑いを零して、いいこいいこと柔らかな白糸を慈しむように撫でよう。「 ああ、捕まっちゃった。ふふ…上手 」きちんと自らを探り当てた貴方の髪へご褒美のキスを。首に回される腕には、柔らかくて暖かいのにまるで物言わぬ冷たい鋼で出来た茨に雁字搦めにされるような感覚を覚えるも、そこに一切の恐怖も拒絶もなくされるがままに受け止めて「 …どうしたの、ニール 」何もかも受容し籠絡してしまうような甘い響きを持つ声で名を呼び返し。噛まれる、そう思っても微動だにしないのはそれすら甘受する気でいるからで、離れていってしまってはむしろ残念がるように微笑みを維持しながらも眉尻を下げて「 怒る…?ふふ、どうして? 」庇護欲を掻き立てるような一挙手一投足に、そのまま滅茶苦茶に壊してしまいたくなるような狂気が一瞬胸に去来するも、凶暴な怪物の側面は欠片とて表には出さず「 さっき言ったでしょう?ありのままを見せて、って 」もちろん、責めるような調子ではなくただただ人を甘やかし堕落させる罠のような、真っ黒に濁った蜂蜜のような色を持つ声で「 それとも、僕が噛んでしまおうか? 」貴方にそれが出来ないのならお手本を示すまで、と。せっかく脱げかけている人の皮、こうなればハイネより先に少しでもその片鱗をお目にかかろうではないか)


  • No.943 by グレン  2024-05-21 21:21:07 





>ミゲル ( >940


( 皮肉や世辞の類では無い純粋な言葉に僅かに瞠目させた後、礼を言おうにもきっと要らない付属品まで出てきそうな言葉は飲み込みゆるい笑みを浮かべるだけに留め。「 ?開けたままの方がキミは安心かなって 」 扉が開いてようが閉まってようが自身は然程気にする事では無い為、彼が扉を閉めるのならばそれを止める事なく見送り。漸く知れた彼の名にふっと表情を和らげて 「よろしくね、ミゲル 」 握手を求めるように手を差し出すも、ゴーストなら触れられないのではと思い至り 「あー……っと、ゴーストって事はやっぱり触れられない? 」 途中まで差し出しかけた手は彼の返答次第では伸びるだろうが、想定通りの返答だったとしても行き場を失ったまま暫くその場に残るはずで。どこかそわそわとした様子の彼からの問いかけにはほんの少し、どう返すべきかと悩む素振りを見せて 「 交流を持つ事に制限は設けられて無かったからね 」 言葉として紡ぎ出すのが本日二度目のそれは理由というには弱く感じるだろうか。他の住人達との交流を図りたい、それは本心ではあるものの、どこか己と似た空気を感じる彼には隠すだけ無駄だろうと「 ……それに、来ないって決めたハイネが来ると思う? 」 一呼吸置いた後に続けるのは諦めにも似たそれ。あくまで己はハイネの “ コレクション ” であって、ハイネの “ トクベツ ” では無い。けらりと軽やかな笑い声で覆い隠したのは生まれてこの方、誰かだけの特別な存在になれた試しが無く慣れているから。物分かりの良いお人形さんをしていれば、どれだけ愛でられても満たされる事の無い心の穴を知らないフリができる事を知っているから。けれどもこの部屋に彼を呼んだのは己のエゴ。初めにハイネのお気に入りだと知った彼の様子を思い出せば 「 ……もしかして、ミゲルはこの部屋の居心地悪かったりする?」 明らかに落ち込んだような効果音が付きそうな、そんな表情を浮かべゆる、と首を傾げ )



  • No.944 by ミゲル  2024-05-21 22:04:01 



>グレン(>>943)


(不用心な扉は自身を慮っての事と知れば、浅慮の余りじくじくと胸が痛むのを感じて此度は謝意を紡げずぎゅっと服の裾を握り締め。こちらに伸びてくるであろう手と、ステレオタイプな問い掛けには特に表情は変えず「 やっぱり、そういうイメージだよね… 」何ら落ち込むではなく、ただただ種族への偏見を実感するように溜息を交えながら呟き「 実際、触れないやつの方が多いんだ 」だから仕方ない、そんな風にあっけらかんと告げる内容はお化けの類を信じない人間にとっては荒唐無稽と一笑に付されるであろう内容で。しかし伸ばされかけた手が自身を害するためでなくむしろ友好の印のためのものであると理解しているからこそ、おず、と此方からも若干透けた手を伸ばして「 …僕は、大丈夫 」実体を有するタイプの幽霊である、と。もし握手が叶ったのなら、どこかこそばゆいような困ったような顔をしながら目を逸らし、すすすと腕を引っ込めてまた腿の辺りの衣服をぎゅっと握るだろう「 つまり君は、自分の意志で色んなモンスターと会ってみたいってこと…? 」怪訝そうな色が血色のない顔に浮かび上がるのは、黒薔薇屋敷へ攫われてきた獲物の中でそんな価値観の存在を見たことがない為で。もちろん自分が必要最低限しか獲物と接触してこなかったためサンプルが少ないというのもあるだろうが「 へんなの…。 」それが失礼に当たる可能性は考慮できず、思ったままを訝しさ満々の声で呟いて。「 来ないって決めた?…なんで分かるの? 」次ぐ問い掛けには怪訝ではなく興味が滲み出て。もしかして毎晩のように今日は行く、行かないと連絡を取り合っているのかな…と邪推しては、相当懇ろな仲なんだなとおめでたい感想を抱いて。最後の質問には、改めてゆっくりとこの部屋を見回し「 なんか…、…なんだろ。見られてる…みたいな…? 」張り巡らされた蜘蛛の糸が発言のひとつひとつに小さく震えるような、はたまた見えない目玉が無数に浮遊しているような。もちろんそれは空想に過ぎないのだが、きっとこれは侵害するための力ではなく宝物を守護するような力だと捕捉したため不快そうな様子は見せず「 よっぽど大事にされてる…?んだね、 」獲物と怪物の間にそんな絆のようなものが築かれることがあるものなのか、と。それを否定するでもなく、むしろ気難しい怪物にそこまで執心される貴方への興味がまたひとつほんのり色付いて)


  • No.945 by グレン  2024-05-21 23:12:49 





>ミゲル ( >944


( 彼の返答で頭の片隅にメモを取るのは演技の糧になるという一種の職業病のようなもの。手を伸ばしてくれるのであればこちらからも再度彼の方へと伸ばし、ひやりと冷たい手を取って。行動ひとつで色々な表情を見せてくれる彼に満足気に口元を弛めながら、引っ込めた手は組んだ足の膝の辺りをもう片方の手と抱えるように組んで。「 そうなるかな。縁は大事だからさ 」 捕食の対象として見る人ならざる者達との縁を繋ぎたい、そんな思考はおかしなものだという自覚はある。訝しさの滲み出る彼の言葉には苦笑いを返すのが精一杯だったのだが、それは発言に不快感を感じた訳では無く自己を満たす欲望に忠実すぎる思考は矢張り理解されにくいものなのだと再確認した為 「 普通に考えたら変だよね 」 きっと一般的には彼の感覚の方が正しい。頭ではそう理解をしていても、欲を留めることが出来ないのだから仕方ない。そんな諦めにも似たものを含んだ声は彼にどう届くのだろうか。「 うーん……勘?」 興味津々、そんな言葉がぴたりと当てはまるような声は何かを期待してのものだとしたら申し訳ない。「 暇だな、何をしようかな、って考える前に来るからさ 」 だからきっと今日は来ない日、なんて眉尻を下げたような微笑みを。彼の言葉に一層首を傾げるのは己にはそれを感じる事が出来ない事と、ハイネがそんな小細工をしていた記憶が無い為。行動の真似をするように辺りをきょろきょろと見回した後に、ふと初日の夜のダークエルフの発言を思い出せば左手中指に嵌る指輪へと視線を 「 ……もしかしてさ、それ部屋じゃ無くて “ これ ” が原因かも 」 目前の彼が己の視線の先へと目を向けるのならば見やすいように手を彼の方へと向ける事だろう。「 今のところは、だけどね 」 ハイネとの間にある約束のような、契約のようなそれは特段他者へと伝える事では無いと思っている為のそれで )



  • No.946 by ニール・グレイ  2024-05-22 19:23:07 



>クォーヴ(>942


そう、そっかぁ…
(目の前の死神も含む彼ら怪物は、永い永い時を過ごしているのだろう。読み取れたその一文と、“個性”の単語を飲み込めぬ釈然の不出来に、返す声には戸惑う音が滲む。しかし髪を柔く滑る感触に、目元は心地好さに細められて、自らそれを求め掌へと擦り寄る。――精霊ノッケンの、歌声のような。そんな、危ういと解っていても抗い難い甘く優しい言葉。弱気を被っていた言動は、吊り上がる口の端からひび割れて、「…お、上手ね、クォーヴ。」茶化した、つもりだろうか。紡いだその台詞は殻だけで、中身など欠片も在らず。空っぽの笑いが零れたその後に、表情は誘惑に惹かれて仄かに潤む。「……だめ、ダメ。いけない。俺を、呼んだひと。俺に、触れたひと、」回り始めた熱っぽい声には、焦った速度だけが押し込まれてちぐはぐに、さながらエラーを吐き出す機器が如く。「初めての、大事な、クォーヴ、」文にも成れず滅裂と散らばる言葉の中に、牙を堪えたその訳を。葛藤に再び唸りが洩れて、かちかち何度も主張を鳴らす牙を両手で押さえつけ一度髪を振り乱す。「…欲しい、欲しい。見えないなら、もっと、寂しくなる、のに、欲しくて、」押さえて尚、溢れる言葉。……唇に垂らされた蜜を、堪える事は叶わない。ゆっくりと、指の檻は滑り落ちて、露になる口許に、歪に大きく裂けた三日月が浮かぶ。「…クォーヴ。」何も映さない筈の目は瞳孔が見開かれて、隠せなくなった飢えと渇きが彼を獲物と捉え、炯々と貪欲な光を湛えてそちらを見つめている。――ふと、ソファーに置かれた両手が、ずるり座面を這い、触れた彼の身へ巻き付くようにじわじわと上っていく。「ひとくち、だけ。」一音一音発するだけで手一杯の、拙く途切れたねだり。是非など既に聞いておらず、ただ八重歯の尖る口を躊躇いがちに開いたまま、ゆらり頭を揺らしながら牙の標的を探し求めた。)


  • No.947 by ミゲル  2024-05-24 22:57:39 



>グレン(>>945)


自分を食べちゃうかもしれない相手との縁も、大事…?
(どこか答えを気にするように、そわ、と指先が落ち着かなさげに開いては閉じて。肯定を返してもらえたのならば、それは怪物に他ならない自分との縁も貴重なものという意味と同義。他者に怯えながら他者に必要とされたい面倒な性分の幽霊は分かりやすく期待の色を乗せた視線でちろりと目を向けるだろう「 このお屋敷は、そういうひとを選ぶのかな 」安い価値で売買され誰に惜しまれるでもなく屠殺されるような鶏は調達係の使い魔に選ばれる事もないのだろう。目の前の貴方は紛れもなく鶏群の一鶴、つまり人知を超えた怪物の嗜好を満たすに足る或る意味異質な存在なのか、そう考えればハイネの寵愛を受けていることと貴方の異常性がすんなりと繋がって独り納得したように顎に手を当て。「 なんだ…そういう事か 」種明かしには勝手に期待をしておいて失礼なことにふっと息を吐くと同時に僅かに肩を落とし。これ、と紫に淡く輝く指輪を示されては「 ふぅん… 」どれどれ、と言わんばかりに少し身を乗り出して注目を。特段意識をしなかったこれまでとは異なり、明確な意志を以ってそれを注視して数秒、ぞわわと背中が粟立つ感覚を覚え「 っひ…! 」一瞬の間に目を瞠って歯を食い縛る恐怖の形相を見せれば脅威から身を守るように両手でキャスケットの端を掴んでぎゅっと目深に被り直して「 わかった、もういい、それだ、絶対それだ…… 」滑稽なことに、俯きながらきゅっと縮こまるその姿はまるでオバケを見た子供を彷彿とさせて「 ……呪いだよ、それ… 」うわ言のような、それでいて心から恐れるような少し震えをまとった声でぽつり落とした音は静かな部屋にやけに響くだろうか)


  • No.948 by クォーヴ  2024-05-24 23:17:59 



>ニール(>>946)


(魂を刈る宿命に従事している時も、この屋敷へ永劫に囚われの身になってからも、ヒトがヒトでなくなる瞬間はそう頻繁にお目にかかれるものではない。死の間際に本性が出るというのは事実だが、平凡な人間の本性もまた記憶に留めておく価値もないほど退屈だった。だがどうだ、月明かりを受けて煌めく牙を持つ人面獣心の蛇の子は――黒煙の如くちらちらと揺らぐコートが、炎が燃え上がるように一瞬ぶわりと膨らんで「 ……綺麗だね、ニール 」それは心の底からの言葉。自分でも半ば肉声に乗せた事に気付いていないのかもしれない、そうして貴方が必死に衝動を堪える理由を断片的な言の葉から何となく拾い上げては思わず小さく笑いを零して「 ふふ、健気。偉いね、良い子だね… 」こちらから手を伸ばす事をしないのは、自ら引き寄せるのではなく貴方の決断、その意志で獣性に身を任せる姿こそ真に求めるものだから。手塩にかけて世話をした小さな花の蕾が今目の前でゆっくりと開花してゆくような、そんな神秘性さえ感じて「 …うん 」名を呼ばれては、目の見えない貴方の為に故意に優しく返事を。拒絶の恐怖を薙ぎ払い受容の大海原にいざなうような甘やかな声はその短い二音にぎゅっと濃縮されて「 おいで 」そう口にしたのは自身の身体を這い上がる手を受け入れ、そして余さずその牙も受け止めるという赦しに似た何かを貴方へ贈るため。ぷち、ぷちと自らのリネンシャツのボタンを外せば月明かりに透けて消えてしまいそうな白くしなやかな上体を晒して「 この“初めて”も、僕に頂戴 」屋敷で最初に貴方に触れた怪物、その栄誉にも飽き足らず更に欲する言葉を告げては貴方の髪を一度だけゆるりと撫でよう)


  • No.949 by 執事長  2024-05-25 10:16:14 



>ご新規様・常連様・お試しの方問わず、置きレスにてのんびりお相手様を募集中です[ 今夜の案内役:キルステン ]


>現在新たな住人(1名)を準備中


▼ 提供一覧 ▼

https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/monsters


▼ PF作成はこちら ▼

https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/welcome


▼ 世界観・ルール ▼

https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/world


▼ 大切な" お食事 "のメニュー ▼

◆ルシアン(>>19
◆ザカリー・アーバーン(>>93
◆レオ(>>147
◆ニール・グレイ(>>244
◆シャラメ(>>395
◇ミネルヴァ(>>489
◇プリケル(>>559
◆リーパー(>>576
◆グレン(>>644


▼ 現在のブックマーク(最長1ヶ月間保持) ▼

●ニール・グレイ × クォーヴ ⇒ 【 >>948
●グレン × ミゲル ⇒ 【 >>947


▼ 日常イベント ▼

https://grand-guignol.hatenablog.com/entry/events


▼ 宝箱(https://www.saychat.jp/bbs/thread/646097/) ▼


  • No.950 by 執事長  2024-05-25 10:18:39 



>どのルートを選べばいいか分からず悩んでいらっしゃる方へご案内


【 ルートについての補足 】


>前提として
 ・どうしても選択肢を絞り切れない場合は、優先順位さえ明確であれば全てのルート分岐を視野に入れて交流することができます
 ・もしくは、ルートを" 選ばない "という選択も可能です。この場合、基本ルートである捕食ルートに進む方向性で物語が始まりますが、もちろん方向転換は可能です


>捕食ルート
 ・当トピの基本ルートです。物語中に特にアクションを起こさなければ、ほとんどの怪物は遅かれ早かれ貴方を捕食します
 ・捕食されそう!となっても、他ルートへ分岐するフラグを立てれば捕食を回避し、方向転換することが可能です
 

>恋愛ルート
 ・捕食ルートを希望しない場合は、こちらが基本ルートとなります
 ・恋愛ルートに限らず、提供との親睦を深める手段として、「怪物が人間界で唯一美味しいと感じるもの」についてのイベントを起こす事が有効です。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせを!


>隷属ルート
 ・捕食ルートとの共通点は、物語中で一度命を落とすという点
 ・捕食ルートとの相違点は、命を落とした後は使い魔に転生し、提供と交流が出来るという点
 ・恋愛的な意味では提供と結ばれませんが、同じ魔族として永久に共に過ごす事が出来ます


>共依存ルート
 ・恋愛ルートに歪みを加えてドロドロに煮詰めた、非常に濃厚なルートです
 ・達成にはとある怪物3匹の手助けが必要であり、エンド達成には積極的な行動力が不可欠です
 ・もちろん、物語の中でこちらから順次ヒントを散りばめていきますので、ある種RPGの様に楽しんでいただけるかもしれません


>秘密の共犯者ルート
 ・メリバ中のメリバルートです。基本的に黒薔薇屋敷に救いはなく、そのダークな側面に真っ向から立ち向かう勇気が必要です
 ・第三者から見れば身勝手な狂気も、一人と一匹にとっては焦がれるほど純粋な愛情。まさに恋は盲目を体現するルートとなるでしょう
 ・恋愛ルートをドロドロに煮詰めたうえ、その鍋の毒々しい中身を周囲へ容赦なくぶちまける、そんなイメージです


***


 以上、ルートについてのご不明点やご質問等ございましたらいつでもお気軽にお問い合わせください。


  • No.951 by ニール・グレイ  2024-05-25 10:48:55 



>クォーヴ(>948


(声が聞こえる。己の全てを包むように柔らかで、温かな、絹の如き甘い声が。たった三文字、誘うそれに彼の身を絡める腕は淡くも確かな力が籠もり、開いた唇は、纏うものの払われた肩へと緩やかに落ちる。髪を滑る感触に短い吐息が洩れた後、触れているそこに、齧り付く。――刹那。追憶への微酔いが瞳に滲み、夢見心地にうっとり溶けて伏せられて、「……ん、ぅ…」鼻に抜ける儚い声も同じく惚ける。肌へ立てた牙は、その一箇所だけに幾度もぐっと押し込んで、真っ新なそこに濃く深い印章を残してようやっと持ち上がった。くらり一瞬揺れた顔が彼を覗く位置へと擡げられ、まだ微酔いの余韻を残した目が、窺える筈も無い水色の虹彩を探して惑った数秒後、「――見えない。」さあっと、表情も声色も失せた呟きが零れ、頭は再び牙の痕跡の上に落下する。「見えない、見えない。貴方の瞳が、俺が、俺の痕、見えない、」ぶつぶつと譫言を紡ぐ音からは熱が冷えきった代わり、自らを絞めあげるような、拘泥とした仄昏い執着が。「……ない、俺が居ない、いない、いない…何処にも、俺が…っ、」それを見留めねば己を失うと、自分が消えてしまうと、承認欲求とは似て非なる“存在証明の希求”こそを、悲痛に、苦痛に叫び訴えて。彼を捕らえる指先が、白く染まるほどに強張る。「俺は何処、嫌、いや、こわい、」はらはらと瞳から流れる雫が、反して一つも動かないままの眦と頬を伝って譫言と彼を濡らし、「……“寂しい”。」その一言に、出尽くした煩悶と懊悩の何もかもを詰め込んで。「寂しい、よ。…クォーヴ。ねぇ、クォーヴ、俺を見て、」一度齧ったからこそ飢えを増したケダモノは、浅い呼吸で彼の名を何度も縋り呼び、一口だけと決めた筈のその牙を今度は首筋に向けんと、じわじわ唇を開いていく。)


  • No.952 by クォーヴ  2024-05-25 14:21:24 



>ニール(>>951)


(肩にじくじくと疼くような熱を感じたのは決して痛覚の類ではなく、人が持つ体温とその吐息を間近に感じたため。噛みついた先が人肌だったのであれば赤く血が滲むのだろうが、死神のそれは圧力によって一時的に無色の痕が残るに留まる。噛み心地は極めて人肌に近いだろうが決定的に違うのは人の咬合力では決して傷一つつかないこと。その肩へ凭れ掛かる重さを受け止めながらいくつも吐き出される言葉を邪魔しないように沈黙を守り、そうして貴方は自らの噛み跡を自らの眼で捉えることによって自分が存在している実感を得ているのだろうとまたひとつ新たな気付きを得て「 ああ…ニール、 」なんて哀れで、なんて愛おしい。人にも怪物にも成り切れないその半生はきっと孤独と苦悩に満ちていたのだろうと容易に想像できれば労うように濡れた頬を撫で。首筋に狙いを定めた唇を拒むことはせず、むしろ受け入れるようにそっと頭を傾けて首を露わにしながらも、黒い靄のコートの裾をゆっくりと伸ばしては鏡合わせのように貴方の首へと巻き付け「 見えなくても、君がここに居ることを教えてあげる 」まさに真綿で首を絞めるが如く、黒煙はしかし質量を以ってゆるゆると真っ白なそこを絞め上げていき「 その窒息感も、きっと君の存在証明になるよ。味わって 」一貫して優しく甘い声はどこまでも貴方を本能の最果てに導くようで)


  • No.953 by グレン  2024-05-25 15:17:41 





>ミゲル( >947


うん、僕にとってはね
( 期待を滲ませる問いに間を置く事無く肯定を返すのは、彼の望む回答をと考えた訳ではなく己にとってそれ以外の答えを出すという選択肢が浮かびすらしなかった為。少なからず自分は、その意を含ませたのはきっと求めているものが己と似ているゴーストが、小さなものだったとしてもきっと自身に興味を抱くだろうという撒き餌にも似た期待を込めて。「 どんな形であったとしても、求められたいって思ってしまうんだよね 」 薄く笑みを浮かべながら視線はぱっと見彼へと向けられているように感じるであろう場所へと向けられているも、過去の体験を思い出している為かどこか遠くを見つめているようで。「 どうだろう。ただ、僕が歪んでいるのは確かだろうね 」 屋敷が呼び寄せる基準なんて知った事では無いが、事実己が一般的な思考とかけ離れている事だけは理解している。底なしに求めてしまうこれがきっかけになったのならば、なんて考え込んでいては彼の落胆した様相に気がつく事は無く。覗き込むようにして彼が指輪を見詰め数秒、小さな悲鳴にも似た声に僅かに瞠目した後原因を察すれば眉尻を垂れさせ「 ごめんね、ミゲル。キミを怖がらせたかった訳じゃないんだ 」 一目見て怯えていると、そう思わない人はいないであろう程の様子を見せる彼に、しまったと思うのは対面してから今迄の間に自身をコレクションだとそう名言するダークエルフに対する恐怖心を見せていたにも関わらず軽率に指輪を差し出してしまったから。差し出さずとも尋ねる事は出来たのに、そう反省しながら左手は背の後ろに持っていき彼の視界に入らないように。椅子から立ち上がり中腰の状態で右手を彼の方へと伸ばし、振り払われないようであれば頬へと触れようと )



  • No.954 by ミゲル  2024-05-25 16:56:16 



>グレン(>>953)


そっか……、へへ
(少なくともミゲルとの縁が大事と名言されたわけではないのに、もじもじ照れ臭そうに小さく身体を数度横に揺らしては一瞬子供のような無邪気さで小さく笑って。獲物に好感を抱きつつある幽霊と、幽霊ではなく追憶を見つめる獲物。幽霊の方は向けられた言葉が上辺だけなのではという最初の疑いを徐々に溶かしつつあるのは、もっと耳触りの良いことを聞きたい、更に言えばそれを自分への心からの好感だと信じたいからなのだろうか「 ……?……うん、わかるよ 」どんな形であっても、の部分にはいまいちピンと来なかったのは腐っても捕食者だからかもしれない。例え怪物の糧となり生命や魂を黒薔薇に奪われるとしても、怪物がグレンだけを切望するのならば――そんな仮定は欠片も想像がつかず、だけれど求められたいという欲求には頷きを返して。「 …いつだか、ハイネが誰かと話しているのを聞いたことがあるんだ。美っていうのは、何もかも完璧に整ったものじゃなくて、特別な歪みを孕んでいるべきなんだって 」歪んでいる。その自己評価にはさらに辻褄が合ったようにぱっと顔を上げ、パズルのピースが上手くはまっていくような細やかな高揚感が普段吃りがちな口を饒舌にさせ「 ハイネはそれを…なんだったかな…そうだ。揺らぎ、って言ってた 」それがあの怪物が所有物に望むものの一つであると。あくまでも主観だが幽霊はそう結論付け、でもそれ以上この話題にどう触れればよいか分からず一旦口を噤んで。手がこちらへ伸びてくる、それだけを視界の端で察知すれば思わず腕を淡く交差させて拒むような姿勢を取るも、指輪がはまっていない方の手だと分かればそれ以上の抵抗はなく頬に触れる体温を受け入れ「 その…僕……っ、 」情けなく怖がる姿を獲物に晒してしまった羞恥心と、それを起点に湧き上がる自分へか貴方へかの区別もつけられない苛立ちと、予想外に他者から与えられた温もりに対する喜びと、全てが綯い交ぜになってキャパオーバーを起こした幽霊は言葉の続きを紡ぐことを放棄する代わりに性急な動作で立ち上がり「 だめ…もうむり…っ 」これ以上醜態を晒したくない、その自分勝手な一心でぼそり呟けばまた顔を隠すようにキャスケットをぐいと引っ張って、例え引き留めてもらえたとしても急いで部屋から出て行こうと扉へ向かうだろうか)


  • No.955 by ニール・グレイ  2024-05-25 17:52:23 



>クォーヴ(>952


(頬を撫でる冷たさも、己を呼ぶ声も、今は“寂しさ”を埋めるほどの要ではなくなって。せめて遠い記憶に残る充足の残り香を、煮詰まり溢れる衝動の慰めを求めて、その牙を振り下ろす。……一口目と違ったのは、痕跡を残すよりも前に、彼の言葉を捉えて理性を一雫帰した事。「……なに、」その意味を問い返しかけ、ぎぎ、と錆びた動作で頭を持ち上げた直後、首に巻き付く何かの感触を認識する。「あ、……っ?」それが徐々に絞まっていく事に気が付いたのはもう少し後、呼吸の狭まる感覚が確かなものになってから。両手は彼から離れ、そこにあるものを触れて視んと自らの身に移る。しかし、指は己が首筋をなぞり空振るばかりで何も解りはしない。「っ、クォ、ヴ……?」かふ、と呼吸をし損ねた音に混ざり、彼の名を疑の代わりに掠れた声で質した、その甘い答えに。全ての動きがぴたり止まって、頬や瞳の表情さえ抜け落ちきった後――顕れたのは、喜悦と心弛びの薔薇色。尖りを押し込まれて反れる喉から十指は下り、また彼の身にゆっくりと這っていく。……肺に何も満たせなくなる、意識だって白んでいく、己以外から与えられる強烈なその苦悶を無抵抗に甘受する瞳は、状況とは不釣り合いに、親に抱き締められた子供のような安堵に温む。やがて這い上って見付けた彼の頬に両手を添え、クォーヴ、と息を持たない唇だけで彼を呼び、『ありがと』などと。幼いケダモノは酷く歪に、でも純粋に、大きく口を開けて無邪気に笑みながら、上気した血潮に釣られて深い紅に染まった、熱を湛える盲の瞳で彼を見詰め声無き礼を告げた。)


  • No.956 by クォーヴ  2024-05-25 19:45:09 



>ニール(>>955)


(片方は首を噛み、片方は首を絞める。倒錯的という表現では生ぬるいほど甘い猟奇に満ちた月下の庭園、ふと二人を包むように淡く鳴り始めたのはまるで鈴虫が秋の夜長に奏でるような澄んだ音色で。蛇の子と死神が絡み合うソファーをまばらに囲うように、或いは羨ましげに火に寄る羽虫のように、ある人は蛍、ある人は鬼火と表現するような妖しい光がぽつぽつと現れゆらゆらと浮遊するたびに鈴の音を儚く響かせて。それはまるで貴方をこの黒薔薇屋敷にて祝福する最も聖なる福音のようで、死神はゆるりと微笑みを深めては唇の動きで謝意を伝えてくれた貴方の耳へと顔を寄せ「 聴こえる?…夜の調べがやって来たよ 」優しい声は窒息寸前の貴方にとっては暢気な響きを持つだろうか、首を絞め上げる黒煙は絶妙に弛緩のタイミングを挟んでいるため継続的な苦しみを与えながらも意識を刈り取る程ではなく「 今夜は一等良い音だ…きっとこの子達もニールを気に入っているんだね 」片手で貴方の後頭部を引き寄せ自らの胸板へと体重を預けるように促してみようか。酩酊感に似た息苦しさと、心地よく鼓膜を揺らす人外の音色――それはいつしか疲れ切った貴方を微睡みの縁へ誘うに足るのだろうか)


  • No.957 by ニール・グレイ  2024-05-25 21:50:51 



>クォーヴ(>956


(真っ暗で、己の姿も曖昧な中。自らの手では成し得ない苦しさが延々と続いて、しかしそれにこそ安心を得た頬は歪な嬉々に惚ける。生きる本能だろうか、喉が弛む瞬間に身体は勝手に呼吸を取り込んで、白む意識をこの場に引き戻し、また窒息を享受する。――ふと、耳に美しい調べが擽った。幻聴かと疑いを思考の回らない頭に浮かべた直後、それが現実だと彼の言葉が注がれて、音や首肯で答えられない代わりに、潤んで溶ける瞳を意図的にゆっくりと瞬かせ、『きれい』と唇だけの言葉を紡ぐ。すっかり強張りの抜けた身は任せるまま、彼へと重さを預けて、流れて滑り落ちた両手も畳んで相乗る。……甘く痺れ、考える事を止めた頭の内。子守唄のように優しく響く鈴の音、冷たくも確かに抱き留める身体。ろくに眠れていなかった己が身は、今度は休息を求めて瞳に帳をかけ始める。頬を寄せているのは、今以て自分の首を絞めている死神の胸元だというのに――とろり安堵しきった、夢うつつの笑顔で。浅い眠りを往き来する最中にもう一度彼を見上げて、“クォーヴ”と弛んだ口から浅い吐息で呼んだ後、至福を滲ませた顔のまま瞼を下ろした。)


***


こんばんはぁ、退き時みたいだからお顔出してみたよ。
今夜からは人魚さんが案内役なんだねぇ。ふふ、宜しくぅ。
クォーヴにはいっぱいいっぱい甘えちゃって、何だか申し訳なくなっちゃうっていうか、ちょっぴり照れくさいっていうか…でも、とびきり嬉しくて楽しい時間だったよ。

次はいよいよ、ハイネとの約束の夜だね。…はは、今のオレちゃんと会って、ハイネはどんなお顔するのかな。今から楽しみだなぁ。
それでさ、約束の夜はどうしようか。オレちゃん目を返して貰う瞬間まで飲まず食わずにはなると思うから、大人しく部屋で丸まって訪問を待ってるのももちろん良いけど、到底歩けなさそうなこの身体で、それでもふらふらお部屋の外を“散歩”して出会すのも捨てがたいなぁって思っちゃってねぇ。…どっちにしても、シーツをくるくる頭まで巻いて包まってるから、初見じゃオレちゃんのお顔は見えない感じを想定してるかな。あとはどっちでも、必要があればどんな状態か描写を綴る事も出来るから、気軽に喋ってね。

……うん、オレちゃんからはこんな所かなぁ。他に何かあったりしたら、何でも言ってねぇ。それじゃあ、またねぇ。


  • No.958 by グレン  2024-05-25 22:16:30 





>ミゲル( >954


へぇ……、なるほどね、
( すっと目を細めるのは件のダークエルフが求めるものの話へとなったせい。歪み、その言葉に思い当たる節が無いわけではない。口元に手を添えてからたっぷり数十秒程、添えた方の人差し指でトントンと口端を軽く叩きながら思考を巡らせるのは次なるダークエルフとの時間をどう過ごすかを思案するため。そんなことをしている間に饒舌に回っていた彼の口が止まった事を確認すれば軽く首を傾げ 「 ミゲルは、どう思う? 」 彼が口にしていたのはあくまで自身をコレクションだ、とそう言うダークエルフの話だろうと首を傾げて見せ。頬へと添える手を受け入れられたなら、ひやりと冷たい頬へと触れ親指の腹で隈の目立つ目元を軽く撫でるように動かし。然し彼が立ち上がり踵を返すのを引き止めることはせず、扉を開く間際に口を開き 「 ……ミゲルさえ嫌じゃなければ、また話し相手になってくれる? 」 もし部屋の扉へと急ぐ彼が少しでも振り返ってくれるのならば、孤独への不安を滲ませる表情で首を傾げる姿が視界に入るだろう。無論、返答が無かったとしても彼宛の手紙を送る算段を頭の中で巡らせて )


****


こんばんは、そろそろミゲルとの邂逅は終わりかなって事でお邪魔させてもらったよ。いつもの事ながら描写の返答はあっても無くてもどちらでも構わないよ。
ミゲルとは求めてるものが似てる部分があるから、何回も素が出ちゃいそうになってヒヤヒヤしたよ。でも、そうだな……飾らないでいられるし、またミゲルと話せる機会があると嬉しいかも。

さて、次はハイネとのお出かけの約束だね。僕の方から出させてもらうなら【 服を選びながらハイネを待つ 】ところで出させてもらうし、勿論キミから出してくれても構わない。どこに連れて行ってくれるのか楽しみにしているね。



  • No.959 by クォーヴ / キルステン  2024-05-26 08:06:55 



>ニール(>>957)


(貴方が意識を手放す直前、まるで安眠のおまじないでもかけるように指先で目許をそっと撫でて「 おやすみ、ニール 」極めて静かな声でそう告げれば、何かを察した夜の調べはゆらゆらと包囲網を解いて各々庭園へと散っていき。親がソファーで寝てしまった子をベッドに運ぶように、壊れ物のようにそうっと抱き上げてはここへ来た時と同じように今度は貴方の部屋へと空間を飛び越え。きっとそれはそれは安らかな寝顔なのだろう、ふと困ったような微笑みを浮かべて「 …ハイネに悪いことをしてしまったかな 」そう呟いたのは魔の言語、人には理解はおろか聞き取ることも困難な発音。旋風に舞い上げられる砂埃のように、死神の姿は無へと霧散した)


***


Hi、アルビノちゃん。そ、今夜はアタシの番ってワケ。
なァに言ってんの、アイツは甘ったるいことやらしてなんぼなんだから何にも気にせず甘やかされときなさい。お互い幸せな夜に変わりはないんだから。

そうねえ、あの性悪を呼んで来なくちゃ。お部屋でお利口にしてるかどうかはアンタにお任せするわ、どんな状態かもきちんと把握しておきたいから導入文をお願いしてもいいかしら。
アンタこそ、何かあればすぐアタシに言いなさいよ。例えば――ハイネに何かヤなことをされたりとか。その時はこのアタシが間に入ってあげるわ。


  • No.960 by キルステン / ハイネ  2024-05-26 08:30:25 



>グレン(>>958)


ハァイ、Hottie。ミゲルに優しくしてくれてアリガト。
自己中チキンゴーストの事だもの、あの場面でアンタに対して何も言えやしないわ。でも招待状には応える筈…多分ね。
ああ、アンタの素が拝める時が楽しみね…それを引き出す促進剤として役に立つなら、またあの子を呼んでやってちょうだい。

アンタはおめかししながら待ってなさい、その間にアイツを呼んできてあげる。
何処に、……そうねえ。あのヘンタイのことだから、良くも悪くも普通の場所じゃあないでしょうね。何かあればすぐアタシを呼ぶのよ、あの高飛車なニヤケ面を引っ叩いてやるわ。


***


ハイネ:
(美しいものを見せびらかしたい気持ちと、誰の目にも触れないよう閉じ込めておきたい気持ち。その狭間で揺れる感覚を思い出させてくれた獲物――コレクションに思いを馳せながら、別のそれらの手入れに忙しない夜を過ごし。ふと魔力を経由して貴方の部屋にかけた封の解錠される音が聞こえてくれば、ニンマリと微笑みを深めたのだろう。さてようやく貴方をエスコートする場所の準備は整った、向かった先の扉はノックすることなく廊下側から開いて「 こんばんわ、俺の可愛いグレン 」指先までぴしりと伸びた手を恭しく胸元に添えて挨拶を。後ろの扉は魔力にて勝手に閉まり、その音の直後「 貴方の我儘を叶えに来ましたよ。早く準備をなさい 」敢えて恩着せがましい言い方を選びながら、自分の部屋のように遠慮なく歩を進めてどっかりとソファーの真ん中に腰を下ろしては長い脚を組み「 ああ、そうそう。鍵、きちんと使えて偉かったですねえ 」くすくす、ささやき声のような喉奥の笑いを転がしてはご機嫌そうに褒めそやして)


  • No.961 by ニール・グレイ  2024-05-26 10:05:51 



>クォーヴ/キルステン(>959


ふふ、そっか。じゃあこの甘い一時、胸張って自慢しちゃおうかなぁ、なんてね。

うん、うん、了解。それじゃあ、遠慮無くお外出ちゃおうかな。お部屋でじっと待つだけじゃ、何だか勿体無いからねぇ。ここまでじっくり育てられたオレちゃんが、どんな事になってるか……ちゃあんと知っておいてね。
ありがとねぇ、キルステン。貴方、とっても頼もしくて素敵だねぇ。そう、何か言いたい時は貴方に耳打ちしに行くから、その時は受け止めてねぇ。

それから、今お支度中の怪物さんの事も楽しみに待ってるよ。ふふ、早くお話したいねぇ。
それじゃあ、オレちゃんハイネに会いに出掛けてくるね。いつか貴方と会えた夜には、一緒にお歌でも歌おうねぇ。


***


(幾夜を経て、ベッドの中で目を覚ます。瞼を閉じても開いても変わりの無い暗闇で思い出すのは、牙に残る感触と、甘い甘い窒息感。ひたり自らの喉に掌を当て、それから口許に指を這わせて、幾度もそれを反芻しては頬を弛めていた。――しかし。繰り返し至福を飲み込む度、肚が空いていく。“あれ”はあまりにも強烈で、鮮烈で、だからこそより一層とケダモノは貪欲に満たされたがって思考を食い荒らす。「……たりない。」シーツに包まるその内側、痕がびっしりと犇めき、所々赤が滲む程に立てた牙を肌から離し、呟く。「寂しい、」ヒトらしい感情の色など、含み忘れた音声で、言葉と裏腹に口の端を大きく裂きながら。……牙が疼いて仕方が無い、ヒトの営みなんてしている暇は無い。今はただこの飢えを、己が消える寂寥を、“存在証明の渇求”を、苛烈な甘味で埋めなければ。――ふらり、立ち上がる。栄養も摂らず削れた身体を、衝動と熱が突き動かす。世話をする使い魔を振り切って、覚えたドアまでの道を辿り、部屋の外へ。何処にも頼らない鈍い歩調、故に進む度ぶれる上体。乱れた髪も痩けた手足も、纏めて包み目深に被るシーツの尾を、ずるりずるり引き摺って。「……だれ、か、」裸足が鳴らす弱々しい音の陰に、他者を求める吐息を時折零しながら、いつ何があるとも知れない通路を彷徨い歩いていく。)


  • No.962 by グレン  2024-05-26 10:11:41 





>キルステン / ハイネ ( >960


はは、それを聞けただけでも良かったよ。応えてくれるまで何回でも出すつもりにしてるから、さ。
そんなに普段と変わりないと思うけどね……嗚呼、でもミゲルと会ってる時に見せたら人間嫌いに拍車をかけちゃうかな。そこだけ気をつけておかないと。

お言葉に甘えて着飾りながら待たせてもらおうかな。一応僕の方ではミゲルと会った日から何日とかの記載はしていないから、擦り合わせでもし必要だったりしたら提示してくれると嬉しいな。
ふふ、どこに連れて行かれたとしてもキルステンが飛んできてくれるなら安心だね。こっちは何も問題が無ければ返信不要だよ。


****


( 起き抜けからほんの少しそわそわとしている様子の窺える使い魔たちに、ふと察しがついたのは経験の積み重ねか。食事もそこそこにクローゼットに向かい、考え込むのは “ 自分で ” 何かを選ぶという事が少なかったのが起因だろう。動きやすい服、動きやすい服、なんてブツブツと小さな声で服を探し最終的に手に取ったのは白いシャツに緩くタイを結び、パンツとベストは同色の、所謂スリーピーススーツをラフに着崩したような格好で。これでメガネでも掛けて腕時計をすれば商社勤だと言っても信じる人が出てきそうだ、なんて考えつつ髪を弄るためにドレッサーの辺りへと移動をしたところで何の前触れもなく開いた扉。緩慢とした動作で視線を向ければ、この部屋の鍵を外から開ける事の出来る唯一の姿 「 おはよう、ハイネ。やっぱり来てくれたんだ 」 普段着用している服とは異なり衣装然とした節があるからか、緩い弧を描く口から出るのは暗い窓の外には似つかわしくない挨拶。ソファへと座る彼の姿を鏡越しに視線で追いかけながら、慣れた手付きで片側サイドの髪を編み込んでいき 「 でしょ?もっと褒めてくれても良いんだよ 」 上機嫌な彼の様子に、一瞬鍵の存在を忘れていたなんて言葉にするのは無粋かと胸中に仕舞い込みつつ満足気な笑みを浮かべ。編み込みが丁度耳の後ろ辺りまで到達すれば普段の癖でドレッサーの上を探した後、探し物が見付からない理由を思い出し 「 ……ねぇ、ハイネ。ヘアピンか何か貰えたりしないかな? 」 片手で解けないように押さえつつソファへと足を運び、彼の隣にすとんと腰掛けて )



  • No.963 by ハイネ  2024-05-26 10:48:01 



>ニール(>>961)


――おや、おやおやおや。
(約束の時が満ちる間、永いようで短いような十四回の夜を悠々自適に過ごした怪物に反して、獲物の方はどうだったのだろうか。対面すれば分かる事を考え込む性分ではなくその部屋へと向かう長い長い廊下――その向こうからのろのろと蠢く何かの影。濃くなった匂いでそれがすぐに今夜の主役だと勘付けば大仰にかぶりを振りながら肩を竦め「 悪い子ですねえ。あと少しくらい、お部屋で待てなかったのですか 」小馬鹿にするような声は平素と変わらず、何やら豹変の香りを纏う貴方とは正反対だろう。一歩、また一歩と上等な跫音を響かせながら歩み寄っていき「 馬鹿な事を。有象無象のバケモノの怖さを前夜教えてあげたと言うのに 」理性も名もなき只のケダモノ、自身の到着前にもしそれに嗅ぎつけられていたら。その先は態々想像するのすら馬鹿らしいほど陳腐な結末が待っているわけで、死神とはこれまた対照的な詰り口調に容赦はなく「 約束を反故にしたも同然の振る舞いですよ。ねえ、ニール? 」ニヤニヤと顔に張り付く佞悪な笑みはきっと声にもその笑気を滲ませているだろう。お互いがあと一歩踏み込めば手の届く間合いの距離にて足を止めれば腕を組んで貴方を見下ろし)


  • No.964 by ハイネ  2024-05-26 10:59:18 



>グレン(>>962)


久々の響きですねえ、それ
(永遠に朝が封殺されたこの世界で、少なくとも住人たちの間では使われるのことない文句。特段何の感傷もなく、返答を求めない独り言に近い言葉すら微かに浮かれたような響きを孕むのはやはり鍵を活用されたからだろうか「 普通の、ですか?それともこの俺の? 」求められた小道具を与える気であることは勿論、そこからもう一段先の指定を要求して。前者と回答があれば蝶の使い魔が何の変哲もない黒いヘアピンを持ってくるだろう、後者を選ぶならたちまち怪物の手中にほんのりと紫の光が集約してあっという間に淡く紫に光る指輪と揃いのヘアピンが出来上がるだろう「 髪も弄って偉いですねえ。さあ、よく見せなさい 」どちらにせよ、今夜のコレクションの完成形を待ち侘びているのは事実。服を選ぶだけでなく、指定していないヘアスタイルまで自分で創意工夫をしたことに上機嫌に首を傾げてはその全体像のお披露目を待とう)


  • No.965 by ニール・グレイ  2024-05-26 12:54:42 



>ハイネ(>963


(己以外の、音が響いた。途端足はぴたりと床に揃って、“それ”が近付いて来るのを佇んで待っている。その間に、首はぎいぎいきりきり、ぎこちなくも傾いで捻って回してと忙しなく。絡繰り仕掛けの玩具にも似たその仕草は、名を呼ばれた瞬間半端に止まる。「……ハイネ。」いやに静かな、ただ書かれた文字を読み上げたような無味の声。そこに小さな唸りを続けた後、「――ふ。ふふ、ごめんね。」シーツから覗く口元だけが、弧を描いてゆっくりとお詫びを。それから、「でも、今日が約束の日、でしょ?いっぱい、我慢したから、早く貴方に、会いたくて。」彼方此方から切って張って繋ぎ合わせた、そんな抑揚も感情も滅裂極まりない言葉を紡いで。「ねぇ、」一歩、進む。するり、捲り落ちるベール。その下から露になった、盲に濁る瞳が――寸分違わず、目の前の彼の金色を捉えた。「許して、ハイネ。」見えている筈も無い、しかし確かに彼の瞳を見詰めて離さない。その内に再び、ぎりぎりきいきい、首が回って彼の音を探り出す。「約束。破るつもりは、無かったの。」歪なまま固められた唇から、牙を数度鳴らしながらも赦しを乞うのに、その視線はケダモノそのもの。……一度人間の味を覚えた獣が、今度は意図してそれを狩るように。明確に彼を獲物と認識した蛇の赤目は、この貪欲な飢えを、強欲な渇きを、“貴方で満たしたい”と赫々煌々、雄弁に彼へと訴える。「…お願い、ね、ハイネ。」首の動きが止まる。空洞だらけのおねだりと共に、両手がゆらゆら持ち上がり。視線と同じく真っ直ぐ迷わず、彼の組まれた腕を目指して伸び始めた。)


  • No.966 by グレン  2024-05-26 17:29:55 





>ハイネ ( >964


じゃあ、ハイネの
( ほんの一瞬、考え込んだ際に、ふと瞬間的に脳裏を過ったのは先日の幽霊の発言。“ のろい ” だなんて言っていたが、それは彼ら怪物にだけ感じる感覚なのか、それとも人間でも感じる感覚なのか。どちらにせよ──少なからず今の、ダークエルフに目を掛けられている状態の己にとってはのろいでは無く “ まじない ” の類に分類されるものだろう。「 出来たら2つもらえたら嬉しいな 」 きっと一つでも十分に留まるだろうが、なにぶん細くアレンジには向いていない髪質だという事は舞台に立つ前のヘアメイクに費やす時間で理解している。万全を期すために追加のおねだりをした後、ぼうっと彼の掌の上に集まる紫色の光をぼうっと見詰めて 「 ハイネの魔力が形になるの、好きだなぁ 」 ぽつ、と溢したそれは意図せず口をついて出たもの。願い通り二つ出来上がったのなら、受け取り二本が交差するような付け方をして編み込みが解けないように留めるつもりで 「 でしょう?もう少し髪が長かったら出来る事も増えるんだけどね 」 室内の灯りを反射して鏡のようになっている窓で確認をした後に立ち上がり。シャツの袖を捲ったり締めているネクタイが緩かったりと着崩しが目立つが、己が自我を持つ事を望む彼はきっと形式通りに着るよりも “ 考えた跡 ” が残る方が喜ぶだろうと。座す彼の目前へと立ち 「 ……どう? 」 ゆると首を傾げさも自信無さげな声色を作り出すも、似合わないなんて自分自身思ってないためか不安の色は一切無く )



  • No.967 by 代理  2024-05-26 22:41:48 




こんばんは。お屋敷を尋ねるのにはこちらでよかったかしら。こちらの演者様でもないのに、不躾にごめんあそばせ。
わたくし予てからこのお屋敷に興味があって、特にミゲル様、といったかしら。確かはじめてここを訪れるものではお会いできない方と伺っているのだけれど。
今日は彼についていくつかお話を聞いてみたくて、お屋敷の敷地を跨がせてもらいましたの。一応事前にこちらで用意させている者たちがわたくしを含めていくつかいるのだけれど、どれも癖の強いじゃじゃ馬ばかり…。いずれも慎み深いミゲル様には不釣り合いな者たちだらけで、お恥ずかしいばかりですわ…。
ミゲル様について他の方と比べてお食事の好みも明確に記されてはいなかったから、どんな方ならば彼とお話しするに値するかお聞きしたいの。
…ああ、そうだわ、お初にお目にかかります。わたくしは今回代理として来たものですわ。こちらではそうするのが礼儀であるとお聞きしたものですから。なにかご無礼があったらごめんなさい。
そう、ミゲル様のことですわね。話が逸れてしまったわ。彼はどんなお人がお好きなのかしら。

例えば、頭が少し足りないお馬鹿さんよりも、大人びて口達者なほうがいいとか。はっきり主張する少しお節介な性格よりも、どこか緩いイエスマンのような性格のほうがいいとか…。あと、そう…面と向かって聞くのは少し恥ずかしいけど…、11年生きただけの、わたくしのような子供でも相手にしてくださるのかしら…とか。
…ああ、挙げればキリがないわ。でも部外者があまり長々とお話しするのも失礼ですもの。ごめんなさい、興味を惹かれたものにはつい饒舌になってしまうの。悪い癖ね。
必要であれば、こちらで控えている者たちの軽い自己紹介もお出しできますので、判断がつきかねるというのであればそうおっしゃっていただけるとこちらとしても助かりますわ。
…夜闇も濃くなってまいりましたし、今宵はここで失礼いたしますわ。長々とごめんなさい、お返事お待ちしておりますわ。


  • No.968 by ハイネ  2024-05-27 11:22:46 



>ニール(>>965)


(常軌を逸した独占欲の業火に灼かれ続ける怪物にとって、可愛いフェロメナを他者に――あろうことか下等生物と侮る人間に預ける事が全く惜しくないわけではない。が、あの最初の夜に相見えたどこか茫洋として掴みどころのない雲のようだった貴方と今夜の蛇の子は本当に同一人物だろうか、そう見紛うほど機械じみた胸の奥で凝縮されたナニカの気配を感じ取れば期待を色濃く表すように「 …見違えましたね 」そう来なくては、と静かながらも高揚を湛えて、しかしあろうことか獲物に獲物と見られていると勘付けば筋金入りの唯我独尊を地で行く誇り高き魔族はすぅっと興を醒まされたように冷たい声にて「 許しを請う相手は俺で合っていますよ。ですが、求める相手は違うでしょう? 」組んでいた腕を解いてゆらりと手首を振るえばその手に乗馬鞭を顕現し。艶のある質感は廊下を控えめに照らす蝋燭の灯りを受けてなまめかしく光を宿し、それを以ってこちらへ伸びてくる手をピシャリと打とうか。音の割に与える痛みは大したことはないだろうが、例え激痛を伴ったとしてケダモノと化した貴方をこの程度の事で御せるとは考えておらず「 お仕置きも、今の貴方にとってはご褒美ですか? 」全く違和感が無いほどぴったりとかち合う視線に、見えるはずもない挑発的な笑みを向け「 十四夜の苦痛をもっと見せてご覧なさい 」幾ばくか熱を取り戻した口振りの後、手にした道具を用いて獣性を覆い隠しているようなシーツをぱさりと剥ぎ取ってみせよう)


  • No.969 by ハイネ  2024-05-27 11:24:41 



>グレン(>>966)


(追加の要求は造作もない事、肉声での返答を行う代わりに二つ分のピンを手のひらへ顕現させたことによって応えて。自分にとっては見飽きた光景でも、住んできた世界や生きてきた時間が異なる人間にとってはこんな事ですら特別に映るのだろうか「 俺も、夜毎異なる姿の貴方を見られるのが愉しみですよ 」自分の世界に奇跡的に現れた美丈夫、ここ最近自身の注意や時間を占める割合が確実に増えてきている存在へと横目を向けて「 伸ばしても構いませんよ。胸より長くなれば、いつか俺が髪を乾かしてあげましょう 」強制するような響きはなく、故にちっぽけな約束も泡沫のように淡く。品定めをするように口元に手を添えて文字通り頭の天辺からつま先までゆぅっくりと目線を滑らせていき、その途中途中で織り込まれた工夫を注視する。見る人によってはだらしがないと評価されようとも、一点の欠けもない完璧なものより魅力に昇華された揺らぎを欲する自身にはフォーマルな装いにアクセントを添えるしどけなさが却って好ましく思えて「 美しいですよ 」目許口許を同時にするりと細め、ソファーから立ち上がっては冷たい手を貴方の後頭部へと添えやんわりと引き寄せて両頬へと触れるだけのキスを落とし「 では参りましょうか。今夜はそれをお望みなのでしょう? 」繊細な指先を首から顎へ伝わせて、最後の瞬間まで体温を味わうようについと手を引いて。エスコートの際、普段ならば曲げた腕を差し出すところだが今夜導く相手は自らの所有物、ゆえに背後へ手を回しては自らの方へぐいと腰を引き寄せて廊下へと繰り出そう)


  • No.970 by キルステン  2024-05-27 11:28:38 



>代理様(>>967)


ハァイ、Little lady。アタシは今夜の案内役、人魚のキルステンよ。何でも気軽に話してちょうだい。
先ずはこんな辺鄙な所までご足労サマ、こうしてお屋敷の扉を開いてくれて嬉しいわ。アリガト!

……ふ、アハハ。失礼、ミゲルを慎み深いって…すごく良いように表してくれているから可笑しくって。アタシに言わせりゃあのコはただのチキンだから。…アンタ、優しいのね。
まず間違いなく言えるのは、ミゲルはアンタみたいな優しいコが好きよ。陰気臭いゴーストだから、溌剌として気が強いタイプよりは落ち着いていて包容力のあるひとの方が最初の相性は良さそうかしらね…丁度、ミゲルもマリーシュカに懐いている事だし。ああでも、自分から相手にズカズカ踏み込んでく勇気は無いから多少お節介に振り回してくれるコの方が距離感は縮まりやすいかも。
ミゲルの甘えたな部分を引き出せるのは大人っぽい方かもしれないし、逆にアンタみたいなLittle ladyには頑張ってお兄さんぽく振る舞おうとするかもしれないわ。上手くいくかは別としてね。どっちにしたって話してみなきゃホントの相性は分かンないから、あまり気にしすぎず参考程度にしてネ。

あと、そう、ミゲルの指名について少し補足させてちょうだい。
本登録後でないとあのコを指名できない理由はね、人間を怖がって関わりを持とうとしないから、わざわざ新入りの人間に会いに行こうって扉をノックするタイプじゃないこと。それと、ミゲルに限った話じゃないけれどそもそも初夜の案内に向いてないってのもあるわね。…難儀な怪物でしょ。
お望みなら既にミゲルと面識のある状態で一晩お試しすることも出来るから、その時はまた声かけてちょうだい。

新しいお客さんが嬉しくってついついアタシも長話しちゃったわ。知りたい事に全て答えられているなら特段のお返事は要らないし、他にお話したい事があれば文量の多寡に拘らずにメッセージを残してちょうだい。いつかLittle ladyに会える夜を楽しみにしてるわ。


  • No.971 by グレン  2024-05-27 13:09:11 





>ハイネ ( >969


( 返答を求めていなかった呟きに思いの外肯定的な返事が返ってきた事に数回目を瞬かせるも直ぐに破顔させ 「 ……ふ、ははは、約束だからね?」 思わず漏れ出た笑い声は飾る事の無い年相応のものだろう。アレンジをするなら肩から鎖骨の辺りまでの長さがあればある程度の事は出来るだろう、なんて思考を巡らせて。品定めされるように視線が全身を滑っていくのは何度経験しても慣れないもの。然し、居心地の悪さや不快感を微塵も感じないのは視線の主が彼であるからか。返ってきた予想通りの肯定的な反応ににんまりと口端を持ち上げるもそんな表情は長くは続かず、ひんやりとした感覚が頬へと触れれば目を細めて。「 エスコートされる側になるのは初めてだな 」 輪郭をなぞるように移動する指先が首筋へと触れた際くすぐったさを感じほんの少し肩が跳ね上がり、問い掛けには明確な肯定を返す事はなく。手を取られ連れられるのかと思い片手を差し出そうとしたところで彼の手が伸びてきたのは己の背後。腰に回された手で引き寄せられれば少しバランスを崩し数歩程ふらつくだろうか。「 ……ハイネは誰にでもこういう事してる訳? 」 振り解いたり離れたりとする事はないものの、慣れた様子でエスコートする彼にどこかむす、とした顔を向け )



  • No.972 by ハイネ  2024-05-27 15:30:56 



>グレン(>>971)


(時折溢れる無邪気な笑い声、聴く機会は数度目だがふと湧いた疑問をぶつけることは淡い約束の保証よりも優先されて「 グレン、貴方の年齢を聞いていませんでしたね 」落ち着いていて大人びているかと思えば子どものような生意気さも持ち合わせるアンバランスなコレクション、自身の見立てでは成人前後だが長く楽しめる可能性が高いという点ではなるだけ若い方がよいか。長い廊下を進みながら「 こういう事、とは? 」不満げな顔を横目で見てはそういった表情もまた可愛いと反射的に感じ、少し意地悪をするように質問を返して。視線を真っ直ぐ正面に戻して「 仮に誰にでもしているとして、何か不都合があるのですか 」無論これもまたお気に入りに対する特別扱いなのだが、それをストレートに伝えるのは勿体ないと感じて婉曲を重ね「 それとも、お手々を繋ぐ方がお好きですか? 」と戯けたような声色で追撃を。やがて一つの大きな扉の前に立ち、それに手をかざせばゆっくりと両開きに重い扉が開いてゆき――ふわりと香るのは甘いようなスパイシーなような、少しエキゾチックな芳香。そこはハイネの集めた魔界植物の温室で、立食パーティーでも出来そうな広大さ。いくつか透明な垂れ幕で区分けされた小部屋があり、その向こうではゆらゆら何かが動いている影が見て取れる。室内には人間の世界には無い姿形や色合いの、中には本当に植物かと疑ってしまうような奇々怪々な出で立ちのものも混じっており「 小部屋には一人では入らないように。それ以外はお好きにご覧なさい 」どうやら垂れ幕の中には仲良く整列させられた植物たちと一線を画する何かが置かれているらしい。するり、腰に回した手を解く様はちょうど首輪に繋がったリードを根本から外すような感覚で)


  • No.973 by グレン  2024-05-27 19:00:47 





>ハイネ( >972


ん?嗚呼、確か18になる年だったはずだよ
( スラスラと言葉を紡ぐ中、不安な要素を残すのは今迄己の誕生日や年齢に大して興味を持たなかったことの表れで。コツコツと廊下を靴裏が叩く音がやけに響く中、尋ね返す彼の声色に楽しむようなそんなものを感じたのは邪推のし過ぎか 「 聞き返すのは無粋じゃ無い? 」 きっと尋ねた内容は理解しているはずだと視線で訴えるように彼の横顔へと投げ。「 ………別に、無いよ 」 真っ直ぐ前を向いている彼の視界に映る事は無いのに、ふいと視線を逸らすのは大袈裟な動きをしていた舞台役者としての性。続く言葉には声を発する事はせず、僅かに空いた隙間を埋めるように体温の無い身体に擦り寄る事で示そうか。辿り着いた扉の先、見たことも無い植物の数々に数度目を瞬かせ。腰から彼の手が離れれば、ゆらと瞳の奥を不安に揺らすのは喩えるなら、慣れない場に連れて来られた犬猫がその意図を読み取るようで。恐る恐る一歩踏み出し、温室の中をゆったりとした足取りで見て回るうちに慣れが生まれてきたのか、一つ一つ観察する様はまるで美術館にでも来たよう。ふと足を止めたのは一つの植物の前で 「 ねぇ、ハイネ。これは? 」 きょろ、と彼の姿を探した後に見付ければその場を動く事なく。目の前にあるのは百合の花のようで、それでいてなんとも言い難い色をしたそれで )



  • No.974 by ニール・グレイ  2024-05-27 19:16:35 



>ハイネ(>968


(指は彼へ辿り着くその前に、派手な音を立てて打たれる。痛みよりもじんとした熱さの方が勝る手、しかし彼の声が纏う冷たい響きを前に、それ以上不用意に伸ばす事はせず、自らの胸元へと退いていく。「ああ、ごめんね。寂しくて、ついうっかり。」それから謝罪を口にはするが、その顔には安堵の赤みが差して、ほんの少し滑らかになる声にも同じ温もりが溶け、台詞と噛み合えはしない。「…そう、嬉しいね、」ずっと胸元で握り込んだままの両手、だがそれは痛みを押さえている訳でも、怯えて強張っている訳でもなく、“贈られたもの”を大事に包むうっとりと愛しげな仕草で、「…俺がいる。」挑発へ熱の籠った言葉でくすり笑んで、彼に向けては恐らく意味も通じぬ筈の喜びを顕して。――身体を包む幕が剥がされる。身より大きなそれが床へと落ちる緩やかな重みに引っ張られる事さえ、身体は耐えきれずに足が蹌踉めくが、それは二歩立ち位置を乱したばかりでまたその場へ留まる。……まず顕れるのは、以前会った頃より窶れた体躯。牙の慰めに邪魔なジャケットは脱ぎ捨てられて、元より着ているシャツは辛うじて肩に引っ掛かり、ずり落ちずに済んでいる。加えて袖を捲られたままの両腕に、所々皮膚を破り赤を滲ます己が牙の痕跡が隙間無く、ともすれば鱗と見紛うほどに詰め込み刻まれて。またゆらり揺れる身体は、立って歩く事自体有り得ないような、倒れた瞬間折れかねない脆い細さが目立つというのに、身体の持ち主はお構い無しに爛々と彼と瞳を合わせ、喜悦を口元に浮かべていたが、「……あ、」不意に俯き視線を移した先は、大切に握っていた心臓上の手。熱さの去っていく其処に気が付いて、表情からは色の何もかもがすっと失せた後。その手を持っていったのは、彼の身ではなく、自らの口元。「……まって、」まるで親の背を追う子供のような独り言を、消える熱に溢した刹那。林檎一つも丸飲み出来そうな程に、唇を大きく大きく開いて――がり、とその肌に牙を立てる。肌を貫くのも構わず、与えられたものを惜しんで喰らうその仕草から少々。「ああ、ハイネ、」血と混ざる唾液の紅糸を引いて牙を離し、また上げた顔には、表情を形作れない真白い面だけが置かれて。かち合う瞳は変わらず、けたたましい渇求と飢えを湛えながらも、本能的に“彼を狙ってはならない”と獲物に向けるぎらつきは鳴りを潜めて。「俺の、対価、足りる?」今更ようやっと、彼との約束を思い出して尋ねる折に、自らでは絞め損ねた爪痕が引かれた喉を晒すように、ぎいっと首を傾げてみせた。)


[PR]リアルタイムでチャットするなら老舗で安心チャットのチャベリ!
ニックネーム: 又は匿名を選択:

トリップ:

※任意 半角英数8-16文字 下げ
利用規約 掲示板マナー
※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※必ず利用規約を熟読し、同意した上でご投稿ください
※顔文字など、全角の漢字・ひらがな・カタカナ含まない文章は投稿できません。
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください

[お勧め]初心者さん向けトピック  [ヒント]友達の作り方  [募集]セイチャットを広めよう

他のトピックを探す:オリジナルキャラなりきりチャット







トピック検索


【 トピックの作成はこちらから 】

カテゴリ


トピック名


ニックネーム

(ニックネームはリストから選択もできます: )

トピック本文

トリップ:

※任意 半角英数8-16文字

※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください
利用規約   掲示板マナー





管理人室


キーワードでトピックを探す
初心者 / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 部活 / 音楽 / 恋愛 / 小説 / しりとり / 旧セイチャット・旧セイクラブ

「これらのキーワードで検索した結果に、自分が新しく作ったトピックを表示したい」というご要望がありましたら、管理人まで、自分のトピック名と表示させたいキーワード名をご連絡ください。

最近見たトピック