義賊のギルス 2019-11-25 23:28:40 |
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ん…ギ、ルス…?……ああ…すまない。眠ってしまっていたんだな。
( 微睡みの中、遠くで相手の温かな声がしてその心地よさに身を委ねていたが段々頭が回ってきて覚醒してくれば瞼を僅かに揺らしてぼんやりと目を開けて。暫くぼーっとしていたが視界に綺麗な彼の顔が映ると、そう言えば今自分は彼の家に来てたのかと思い出して。ソファに片手をついて少し傾いていた身体をまっすぐに正すと目を軽くこすりながら謝る。小さい頃からの教育でこんなところでうたた寝するなんて言語道断のため失敗したなと眉を下げるも鼻腔を良い匂いが擽れば自然と表情が和らいで。「 …夕餉が出来たんだな。この匂いを嗅いでいたら食欲が湧いてきた。 」そう言って自分のお腹を擦ると小さく微笑み既に準備されている食卓に目をやっては温かいうちに食べたほうがいいだろう思い立ち上がってテーブルへ近づいて。その素朴ながら温かな料理たちを見ては目を少し輝かせる。確かに王族の料理は高級食材をふんだんに使った豪華な料理ばかりで腕の立つ料理人が作る美味しいものばかりだった。文句なんて1つとしてない。でも心の奥底では今目の前にあるような何処か温かい優しい料理を望んでいて。「 …すごく美味しそうだ。…眠っていて不躾だが食べてもいいか? 」目を細めて微笑んでは早く食べたくてうずうずする気持ちを抑え、彼に振り返り伺いを立て )
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