義賊のギルス 2019-11-25 23:28:40 |
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嗚呼、有難う。
( 此方の申し出を彼は責めることなく受け取めてくれて甘口カレーの入ったお皿から渡さればお礼を言って受け取り、子供たちの座る大きなテーブルの端へと彼と並んで座り。いつものように祈りを捧げてから手を合わせては早速スプーンを手にして緊張の面持ちで一口カレーを口に運ぶ。野菜と林檎の甘みと豚肉のうまみが溶け出したルゥはとろりと口の中で白飯と混じり合い、その始めて食べる味に頬を綻ばせて。「 おいしい…。とてもおいしいよ。子供たちと共に一緒に作ったからだろうか…今まで食べてきた中で一番おいしく感じる。特別良い食材を使っているわけではないのに子供たちでも作れて美味しくて栄養も取れる。カレーは素晴らしい料理だな。 」と思ったまま感嘆の声を漏らして。すると子供たちは目を丸くて『 アレック兄ちゃん変なのー。 』『 カレー食べたことないの? 』とクスクス楽しそうに笑い出し、それに対して「 嗚呼、始めて食べたよ。君たちのほうが物知りだ 」と僅かに微笑み返しては一度スプーンを手に置いて彼の手元にある辛口カレーのほうを見遣り。すると先程の会話を聞いていたのか悪戯が好きなユウトがニヤリと笑い『 ギルス兄ちゃん、あーんしてやれよ 』とからかいの笑みを浮かべ、それに周囲の子供たちが乗っかりやれやれと野次を飛ばしたりする子供たちが現れ。その外にも『 ちょっとあんた達食事中だからやめなよー 』と止めつつ興味津々に此方に視線を向ける子供や、あわあわする子供、騒ぎそっちのけでカレーを食べる子供などざわざわし始め。「 …ギルス…、 」子供たちの期待の視線にどうしたものかと思い、そもそもあーんが良く分からずに助けを求めるように彼に視線をむけて )
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