双子は玩具を取り合い

あ、俺人間の血ぃ嫌いなんだよな～…。
匂いが無理っていうか、何つーか。
(苦笑いをするとまた頬を掻き)

は、お前吸血鬼なのに？レイヴンも？
（突然言われたことに驚き目を見開いて）

レイヴンは…輸血パックよりまだマシっつって
人間の血ぃ飲むけど。
(くあ、と欠伸をして貴方を見つめ)

ふーん…真逆なんだな、お前らの性格
（ふーんと興味深そうに頷くとレイヴンが引っ込んだ部屋と目の前の相手を見比べて）

そーそー、俺ら双子なのに全部反対なの。
(目を輝かせ、貴方に詰め寄り)

うわ…近い。そして何でそんな目を輝かせるんだよ…
（レイヴンが引っ込んでいった部屋から相手に視線を移すと目の前にいて驚き。さっきとは変わった目の色に呆れたように笑いつつ）

…ヴェイン？なにしてるの？
(緑に薔薇の刺繍がされた、裾を床に引きずるほど長いワンピースを着た眠そうな幼い少女がとことこと階段を降りて来て)

あ、ジュリー！起きたのか？
(くる、と少女の方を振り向き)

…あれがジュリーか…
（予想とははるかに幼い少女が目に入り軽く頭を下げて）

…このひと、だあれ？おきゃくさん？
おうじさまじゃ、ない？
(貴方をじっ、と見つめる瞳には怯えと微かな好奇心が籠められ、抱き締めているウサギのぬいぐるみを更にきつく抱き締めて)

…俺はね、鈴原伊吹っていうんだ。ヴェインに道を迷ったところを助けてもらってね、怖がらせてしまったと聞いた。すまなかったな
（立ち上がると目線を少女に合わせて優しい声で話し）

…よかった…あのおうじさまじゃ、ない。
わたしこそ、ごめんなさい。
(ぺこ、と頭を下げ)
ヴェイン。わたし、もうねるね。
(とことこと階段を上がっていき)


…ジュリーの王子様は重度のロリコンで
粘着ストーカー気質の王子様だったからなぁ。
ジュリーもまだ怖いんだろ。
(ぼそ、と独り言のように呟き)

そうなんだな…気持ち悪い王子様だな
（いえいえ、と少女に笑うと階段を上がる姿を見送り。見えなくなると立ち上がり聞こえた独り言に答え）

そうそう。超気持ち悪いんだよ。
(うえ、と舌を出しながら答え)

ここまで来たことはあるのか？
（首をすくめながら）

一回だけな。俺達が追い払ったけど。
(ぴ、と人差し指を立て)

うわぁ…最低だな。お前ら二人は生まれたときからここに住んでるのか？
（一度はあるのかと持っていたが本当にあり想像してみると本当に気持ち悪く思い）

ん？多分そうだと思うぜ。
物心付いたときにはここにいたからな。
(にか、と微笑み)

へぇ…ふわ…
（微笑み相手に笑い返すが急に眠気が襲い欠伸をして）

んあ、あんたもう眠いのか？
(首をこて、と傾げて)

いつもはこんな時間には眠くならないんだが…
（自分自身欠伸が出たことに驚いた様子で）