執事長 2019-05-03 19:58:05 |
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……え?お喋りしに、来たの?……わ、分かった。今開けるからちょっと待ってね(扉をじっと見詰めたまま、此方への要求は何か。緊張から生じる唾を一度飲み込み、向こう側から返ってきた返答に間の抜けた声を上げてしまう。淀み無く並べられる自己紹介と、傷付ける意思は無いとでも言うような主張。そんな事があるのだろうか。パチパチと睫毛を揺らし迷いが生じるも、先日出会った黒い包帯を巻いた彼女や人狼の彼。赤毛の少女に継ぎ接ぎの彼等との交流から、その言葉を信じてみたいとも思え。寝癖で跳ねたキャラメルブロンドの髪を手櫛で前髪や後ろを軽く整えてから、一呼吸置きドアノブに手を掛け、扉を開き「わぁ……不思議な眼。それに変わった服だね。イメージしてた死神さんと全然違う」其処に居たのは、一人の青年。明るい赤茶色の髪に白であるはずの部分が黒く変色した中に輝く、果実を彷彿とさせる鮮やかな緑の瞳。そして初めて眼にする身に纏う靄のような黒いコートに興味津々、珍しそうな眼差しを向け。死神から連想させられる大鎌や骸骨、黒いローブとは異なる雰囲気に強ばらせていた声を和らげ「優しい人狼さんやお姉さん以外にも、思い出話を聞きに来る人も居るんだね。とうとう食べられちゃうのかってヒヤヒヤしたよ。期待される程心揺さぶられる大層な思い出話が私に出来るかは正直分かんないけど……どうぞ中に、もしくはどこかで散歩でもしながらお喋りする?」カラカラと笑いながら感想を述べ、肩の力を抜いては中へ招くように扉を支え。切実さの伺えた言葉にハードルを下げてもらうよう付け加えつつ、最後にちゃっかり外へ歩きたい願望混じりの選択肢を出し)
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