月 2019-04-17 23:06:06 |
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>Aquila
(先程までは何かいないか、誰かいないかと近くを探すだけで気付くことのなかった城。ぼうっと夜闇に浮かんでいる様な白、どうして気付かなかったのだろうと思う程に目を引くその造形はテーマパークの様でなかなかに美しい。けれど此処からは結構な距離がある様に見受けられる。歩いていけとでもいうのか──と、つい口を飛び出しかけた文句は突然手を引っ張られたことによって相手に届くことなく消えていった。「おい!」と声を張り上げるのも虚しく引き寄せられるまま滑らかな動きで抱き上げられて。いくら見た目がこうだからといって歴とした男である自分が、こうも軽々と持ち上げられていることに驚き。相手の意図が汲み取れず怪訝に眉を顰めるも、まさかその大きな翼で飛び立つ気なのではないかとハッと思い至り「……ッ下ろせよ、おーろーせー!」もしそうであるならば、今までに乗ったどんな乗り物よりも恐ろしい。それならば歩いていった方が幾分かマシなようにも思えて、じたばたと軽い抵抗をしてみせて)
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