美月 2019-03-24 16:45:05 |
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美月は目を開けた。涼しい風が吹き、紅葉とイチョウの葉が揺れる。
美月)相変わらず、美しいな。我が神域は。まぁ、自分の好みに合わせて作ったから、どの刀剣も自分の神域は美しいのだろうな。
美月は、そう言うと、敷地内に歩いて行った。
美月)敷地内は手入れはしなくてもよさそうね。中はどうかな?
美月は屋内へと入る。すると、美月の横を何かが横切った。
美月)あ、式神の座敷童が定期的に掃除してくれてるんだっけ?
美月の式神である座敷童は同じ座敷童と話したり、一人笑いながら、丁度掃除をしているところだった。
美月)とんだ杞憂だったな。戻るか。
美月は再び、現実へと戻るため意識を集中させ、現実への扉を開いた。
美月)また、くるよ。直ぐにね。
太鼓鐘は自分の部屋で自分の櫛を眺めていた。
鶴丸)随分と気に入ってるな。
太鼓鐘)だってさー、なんかお気に入りが見つかると嬉しいじゃん。
三日月)さっそく使っているのか。
小狐丸)ええ、とても使いやすいですし。手に馴染みます。
美月)麗奈も結構頑張るのだな。所有物になったというのに。
美月は、部屋で絵を書いていた。しかし、やはり何も思いつかない。描けば描くほど、いろんな色を重ねよく分からない色になってしまう。
美月)やっぱり、分からないな。目で見れば綺麗かどうかは分かるのに、絵を書くのではこんなに違う。
美月は紙をくしゃくしゃにすると、くずかごに入れた。
三日月)美月、どうしたのだ?寝転がって。昼寝か。
美月)いや、私絵がうまく書けないんだ。浮かんでくるのは炎ばかり。紙に何か書くと色と色を重ね合わせて、よく分からない色になっていく。三日月はどうだ?絵はうまいか?
三日月)俺は、そうでもないな。しかし、色から連想されるものを書くのが一番の近道だと思うぞ。例えば、青なら、空。橙なら夕焼け。そうやって書いていったらどうだ?
美月)色から連想されるものか。分かった。ありがとう。
美月は、ピンクから連想されるものを考えた。ふと麗奈のロリータを思い出した。美月は、少しずつ麗奈のロリータを書いていった。
美月)た、確かこんな感じ。
美月は次に薄橙を取って麗奈を書いていった。最後にロリータの帽子を被せ
美月)出来た。
麗奈は1年ほど前から新たにTwitterを始めていた。
従来の自分のアカウントとは別に新たなユーザー名で新規登録し、ロリータ系の服を着た自分(もちろん顔は写さない)や日常の様子を投稿していた。
従来のアカウントは非公開設定にしているため、外部から見ることはできないが、新規は後悔しているため、フォロワーが増え続けていた。
美月)うまく、出来すぎたな。麗奈に見られたら恥ずかしいし、隠しておこう。
美月がそう言って、紙を隠そうとしたとき、誰かに取られた。
美月)あ!
鶴丸)うまいじゃねぇか。隠すなんて、もったいない。見せてやるよ。
美月)鶴!まて、返せ。
太鼓鐘)おっと、悪いが追い付かせねぇぞ。
太鼓鐘は美月の後ろから抱き着き、動きを封じた。
美月)放せー!
鶴丸)麗奈ー、いいもん見せてやるぜ。
美月)鶴、頼むからやめろ。太鼓鐘、放せ!
太鼓鐘)鶴さんの用が終わったらな。
美月)くっ!
鶴丸)お、堀川。見てくれ、美月が描いた麗奈の絵だ。上手にかけてると思わないか?そろそろ、相手してもらうついでに見せようと思ってな。
鶴丸は麗奈の部屋に着いた。
鶴丸)おーい、麗奈。今開けていいか?
そのころ、美月は
美月)太鼓鐘、頼むから放してくれ。
太鼓鐘を引きずりながら、必死に歩を前に進めていた。しかし、太鼓鐘の力が強く、あまり自室から離れていない。
太鼓鐘)美月、あんまり暴れると、こうするぜ。
太鼓鐘は美月の背中に手を入れると擽った。
美月)ひゃっ!おい、やめろ!それ、無理。
太鼓鐘)やめろと言われたら、したくなる。そうだよね。
美月)ちょっ!やめ...ははは!
鶴丸)美月が書いた麗奈の絵だ。上手だと思わないか?
鶴丸は麗奈に絵を見せた。そのころ、美月は
美月)はははっ!きゃははっはhっ!ちょっ本当にやめっ!足の裏は無理!無理だって!
太鼓鐘に擽られていた。
美月)はー、はー。もう遅い、見られた。
美月はうつ伏せで、ポツリとそう言った。
太鼓鐘)うまく出来たんなら、見せればいいじゃないか。何で恥ずかしがるんだ。
美月)褒められるのに、私はあまり慣れておらぬゆえ、弱いのだ。あまりにも恥ずかしい気持ちになる。
美月は、顔を真っ赤にして言う。
美月)うまく出来すぎると、どうしても隠してしまうんだ。
太鼓鐘)そのこと、鶴さんには?
美月)話してない。ネタにされると思って。
太鼓鐘)そ、そうか。
美月)はぁ~、見られてしまったかぁ。
鶴丸)おう。じゃあ、これは麗奈にやろう。
鶴丸は麗奈に、美月が描いた絵を渡した。
鶴丸)美月~、麗奈喜んでた...ってどうした!
鶴丸が見た姿は、美月が床に突っ伏している姿だった。
鶴丸)そ、そんなに、嫌だったか?それは悪いこといたな。美月、謝るから機嫌直してくれ...
美月)ぐー
鶴丸)寝てたのかよ!
鶴丸)しょうがねぇ、部屋で寝かしておこう。
太鼓鐘)もうすぐ、夕餉だな。
鶴丸)よし、今日も巻いて楽しい...
太鼓鐘)同じのは飽きられるぞ。
鶴丸)でもな~材料が残ってるんだ。
太鼓鐘)なら、海鮮丼にして、小さいうどんでも出せば、いいんじゃねぇか?
鶴丸)流石は貞坊だ。和泉守たちに手伝ってもらおう。
鶴丸は和泉守に夕餉の話をした。
鶴丸)そういうわけだ。また手伝ってくれ。
鶴丸)残念だなぁ。今度こそ驚きの仕込みをしようと思っていたんだが。
三日月)麗奈よ、そろそろ俺たちにも構ってくれんか。夜は美月と一緒にいるのだろう。
鶴丸)まぁ、じゃあ今日はどっちも和風な。
鶴丸は、昼間に出されていた美月と日本号のグラスを洗いながら言った。
鶴丸)さぁて、取り掛かるか。
太鼓鐘)麺の玉、出しとくぜ。
鶴丸)昨日はでかくて良かったけど、今日は小さく切った方がいいよな。
三日月)ようやく、構ってもらえるな。待っていたぞ。
小狐丸)好きなだけ、相手してあげます。
三日月)緊張せずとも、ほれ。
三日月は自分の膝に乗せ抱きしめた。
三日月)麗奈の髪はサラサラで触り心地が良い。小狐とまた別の心地よさがある。
小狐丸)確かに三日月は、私の髪をモフモフだと言いますが、麗奈殿の髪は私からしてもサラサラです。
三日月)よいよい、今は俺たちに身を任せよ。
小狐丸)ええ、ゆっくりしていてください。
それを遠くで見ていた、美月。もうとうに起きていたのだ。
美月)身を任せるのは、私だけだったはずなんだがな。
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