美月 2019-03-24 16:45:05 |
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太鼓鐘)じゃあ、買えるか。皆が帰って来るのを今か今かと待ってるぞ。帰った途端、抱き着かれるかもな。美月は何も言わないみたいだし。
太鼓鐘は美月が、朝から晩まで顔を合わせないことを知らない。美月が麗奈の我慢を試しているからだ。
三日月)おや、麗奈帰ってきたのだな。
小狐丸)お帰りなさいませ。
太鼓鐘)言われたとおり、買ってきたぜ。麗奈が選んでくれたんだ。和柄の櫛だぜ。
小狐丸)これはこれは、持ちやすくて良い櫛ですね。助かりました。選んでくれて有難うございます。
小狐丸は麗奈を抱き上げて、抱きしめた。
太鼓鐘)そういや、美月は?
三日月)部屋にいるらしいぞ。
太鼓鐘)じゃあ、渡して来る。
美月は夢を見ていた。
美月)(夜空?ここは...なんだ?体も動かないし、口も...)
美月はあおむけの状態で動けずにいた。すると、見上げた先に何者かがいた。しかし、黒いフードを被っていて、誰かは分からない。そして、何かを言っているが聞き取れない。すると、男は何かを投げ入れた。それは、頭蓋骨だ。そう、美月がいるのは深い穴の中だ。頭蓋骨は美月のすぐ隣に転がる。
美月).....
美月は恐怖で震えそうになったが、体が動かない今、震えることは無い。男はすると、再び、何かを入れた来た。土だ。
美月)(まさか、埋める気!)
男は、次々とシャベルで土を入れていく。美月の顔にかかり、少しずつ視界が奪われていく。
美月)(やめろ...やめてくれ...嫌だ...頼むから...)
美月はそこで目が覚めた。
美月)やめろぉぉぉぉ。
太鼓鐘)美月、どうした!
太鼓鐘は美月の部屋の戸を開けた。美月は荒い息を吐いて汗はびっしょり、顔は青ざめていた。
美月)はぁ...はぁ...
美月)だ、大丈夫だ。ちょっと湯あみしてくる。
美月は、湯あみ道具を持って湯あみに向かった。
三日月)美月、大丈夫だったか?
美月)大丈夫だ、気にするな。
美月は、足早に去った。脱衣所に着くと、座り込んだ。
美月)はぁ、びっくりした。簗夢見た後は、風呂に入って一杯やるか。
美月は服を脱ぐと、風呂に向かった。
小狐丸)美月殿のために酒でも用意しましょう。確かキルシュが好きだったはずです。
小狐丸は厨へ向かった。
小狐丸)麗奈殿?ちょっとお願いがあるのですが...(にっこり)
小狐丸は一旦厨から出て、麗奈を呼んだ。
美月)ふぅ、だいぶ楽になったな。
美月は湯に浸かり落ち着いたのか気持ちよさそうにしていた。
小狐丸)では、行きましょうか。
美月)さっぱりした~。
美月は着替え、脱衣所を出ると、太鼓鐘がいた。
太鼓鐘)大丈夫か?
美月)心配かけてすまなかったな。
太鼓鐘)大丈夫なら、いいんだ。これ、土産の櫛。紺色で星と月の柄が入ってるんだ。
美月)綺麗だな。ありがとう。
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