御鏡 2019-03-23 18:45:40 |
通報 |
やはり御鏡さんの小説は素晴らしいですね!
自分なんてまだまだです…。
では、お恥ずかしながら新しい小説を一つ…。
大好きな獄都事変にオリキャラを投入した
オリジナルのほのぼの日常小説を…。
〈参蔵さん〉
うつらうつらしていた僕は、その呼び掛けに
しばし目を開けずに考える。
この呼び方は…伍浄くんでもないし、
砕藤さんでもない。
だとしたら…斬島くんか?
「…斬島くんかい?」
〈はい〉
どうやら、当たっていたらしい。
「何かあったのかい?」
〈いえ、捌彌副隊長の回収を…〉
捌彌、というのはうちの脳筋金棒野郎である。
すぐ谷裂くんと手合わせしたがるんだから…。
「…ああ、捌彌ね。分かった、すぐ行くよ」
僕は座っていた椅子を立ち上がり、
いつもの場所へと向かった。
『おりゃぁぁ!』
するとやはり、異常に大きな声が聞こえてきた。
捌彌だ。
「捌彌!」
僕は捌彌を呼びつけた。
後ろには血みどろで、金棒を支えにして
かろうじて立てているような谷裂くんがいた。
…相当やったな、捌彌。
『んお?あ、隊長ー!』
捌彌は動きを止めるなり、こちらに
飛び付いてきた。
「暑苦しいよ、離れてくれ…」
僕はやんわりと捌彌を引き剥がす。
捌彌はされるがままになってくれた。
〔あらあら、元気ねぇ〕
後ろから穏やかな声が聞こえてくる。
獄都の大黒柱、食堂のキリカさんだ。
「ああ、キリカさん…。はい、元気すぎて
困ってますよ」
僕は後ろを振り向いて返事をする。
そこにはにこやかな笑みを浮かべている
キリカさんの他に、家政婦のあやこさんも居た。
「おや、あやこさん。こんにちは」
僕は一番穏和だと思う笑顔で頭を下げる。
【………こんにちは】
あやこさんもお辞儀を返してくれた。
〔もうそろそろお昼時よ。遅れたら…
ご飯抜きだからね♪〕
キリカさんは悪戯っぽく言って、去っていった。
僕らは顔を見合わせると、谷裂くんもそこそこに
食堂まで走っていったのだった。
トピック検索 |