異世界魔王が家に来た

そんな拗ねないでくださいよ。( 正面に座っては苦笑いこぼして、) 褒美、ですか...分かりました。じゃあ何がいいですか？俺に出来る範囲なら何でもしますよ。( よしよしと頭撫でてはにこり、柔らかく微笑んだ。) 魔王様に見合うのが、何なのか俺にはまだ分からないですわ。

拗ねてなどいない。（　プイッ　）ほぅー、撫でられるのも良いな。（　ご機嫌　）うむ、我に見合うものか…、魔界にあるものだったらすぐ浮かぶのだがな…人間界の物はよく分からん。（　少し考え　）あ！あれだ、『すいーつ』？なるものが食べたい！！前に『てれび』とやらでやっていたぞ！！（　キラキラ　）

はいはい。そうですね、( ははは、) それは良かったです。( 撫でる手引っ込めば安心したように吐息洩らして、) スイーツ..、ああ。駅前のパフェの事か。( 手ぽん、) て言うか、テレビのつけかた分かるようになったんですね。偉い偉い、( よしよし、)

ぱ…ふぇ？『ぱふぇ』と言うのか、あれは！（　目を輝かせ　）おい、勝手に撫でるな。（　ふにゃふにゃになりつつも強がって。　）偉い…、そうか！これはいいことなのか！！私が『てれび』を点けることができて貴様も嬉しいか？（　なるほど　）もっと褒めろ！

そう、パフェ。甘くて美味しいですよ、エレナ様なら直ぐに好きになります。( 可愛らしく目を輝かせる彼女うんうん、と頷いて、) それはすみません。以後気をつけますね。( 満更でもなさそうな表情を見れば謝りながらも再び撫でて、) はい、めちゃくちゃ嬉しいですよ。エレナ様すごーい、かっこいー。( ははは、)

ほう。（　コクリ　）うにゃー！！だから勝手に撫でるなと言っておろうが！！（　ジタバタ　）ふ、もっと褒めろ！（　嬉しそうに　）我のことがもっと好きになったか？（　興味津々　）

嗚呼、すみません。撫で心地良かったもので。( は、と我にかえれば手離して、) いやもう素晴らしいです。流石最強の魔王様。( 手ぱちぱち、) ...それは、まぁ...はい..、そう、ですね。( かああ、顔逸らして、)

最強…、我にふさわしい言葉だな。（　フッと笑うとその言葉に浸って。　）…何故顔をそらす？（　相手の頬に手を寄せ。　）恥ずかしいのか？本当のことなのに？（　首を傾げ　）我も『のざき』のことを好いておるぞ。（　ニコリ　）

それはそうでしょうね。魔王ですし、( 同調するように数回頷いて、) いや、ちょ....それは、そうですけど..、( ?を触る手にちら、と視線だけを向けるが直ぐに逸らして、) ッ...！！( 耳まで顔を真っ赤にすると言葉を詰まらせて、)

くく、耳まで真っ赤じゃのう。（　愉快そうにニヤリと笑って。　）好きと言う言葉は顔を赤くするだけの効力しかないのか。嬉しい…か？（　恐る恐る聞いて。　）魔界ではこういった愛を囁くようなことをしている奴は珍しいからな、楽しいぞい。（　純粋な笑顔で　）今度は我が撫でてやろう。（　手を伸ばし、よしよし。　）

..まぁ、そりゃあ好きな人に言われたら嬉しいですよ...。( 合わせられない視線を右往左往させながら頷いて、) 左様ですか。それは良かったです。( 純粋な笑顔に自然と笑みはこぼれて、) ...はは、ありがとう、エレナ。( 嬉しそうに目細めて、)

好き…か。（　にやけて　）なるほど、貴様も頭を撫でられるのが好きなのか。（　ふむふむ　）今日は存分に撫でてやろう！我に感謝するがいい！！（　ふんぞり返って、偉そうに。　）

...なーににやけてんですか。( じー、) まぁ、頭撫でられるのが嫌いな人はいないんじゃないんですかね。( こく、) そりゃどーも。有難いですね、( ふは、) それはそうと、魔王様の手下さん達が最近この辺りをウロついてるの目撃した人がいるみたいですけど大丈夫ですか？( よっこらせ、)

なんじゃ、そうなのか。（　頷き　）ん？また探しに来たのか。（　真剣な顔をして　）魔界には帰らないと言った筈だがな。（　考え　）そうだな、今夜そいつらと話すために出かけよう。先に寝てくれて大丈夫だぞ。（　ニコリ　）

またって事は、何回かあるんですね。こーゆー事。( ふむ、) ...いや、そういえば魔王様って何で魔界に帰らないんでしたっけ？( ふと、疑問に思って、) いや、それは心配なので俺も付いていきます。( にこ、)

あぁ、貴様に合う前に2度ほどな。（　あの頃を思い出し　）うーむ、両親が過保護すぎるところとか早く結婚しろと言われるからとか色々理由はあるが、これだ！っていうのは無いんじゃ。（　伸びをして　）心配せんでも、ちゃんと帰ってくるぞ！（　ぷくー　）

え、そんなにですか？それは知らなかった。( ふむ、) 結婚...ああ、結婚ですね。結婚....、( ぼそぼそ、) いや、そういう事じゃなくて、僕が心配なんです。なんかあったら、嫌じゃないですか...。( ぼそり、)

でも1回目はバレなかったぞ！！（　えっへん　）どうした？具合でも悪いのか？（　オロオロ　）なんか…？（　首かしげ　）私を誰だと思ってるんだ、魔王だぞ！返り討ちにしてやるわ。（　偉そうに　）

バレなきゃいいって問題じゃありません。( ?むにぃ、) ああ、いや。具合悪いわけじゃないですよ...そうだよなぁ、結婚...どうしたらご両親に認めてもらえるかな。( はああ、) いや、だからそういう事じゃなくて！女の子一人だけで行かせたくないんですよ！しかも僕の彼女なんですから尚更！( 肩がし、)

うぃー、なへなんは。（　「なぜなんだ」と言って　）多分すぐ許しくてれると思うぞ！そこまで厳しい両親じゃなかったからのう。まぁ、魔界に行ければの話だがな。（　キャッキャッ　）うおっ、そ、そうか。（　少し顔を赤くし　）彼女…なんだかいい響きじゃー。（　むふふ　）