語り手 2019-01-06 21:47:19 |
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(きしきしと、乾いた音が足元が小さく響く。力を籠めれば穴が空きそうなほどではないにせよ、それなりの古さを察せられる床の冷たさは皮膚に厳しいものがある。血で汚れた舞台衣装でも正装を模した格好でもない用意された寝巻の裾を翻しながら自室───自分ともう一人が暮らす───へ夜目を頼りに向かう。冷気が奥にまで染み渡るような寒い寒いと震える季節は室内であれ、一つの電燈すらなければ外と同じ。蝋燭だけでは鼻で笑ってしまうほど。それで民家を燃やせば爛れるくらいに暑く、熱くなるのは容易だが。呼吸の出入り口から現れる白い息を幾度か繰り返していたら、目の前には見慣れた扉が立っている。つまみに手をかけて室内へ入ろうと開けた。すると暗闇にいる少女がこちらを見ている。海底はきっとこうであろうと思わせる瞳が、更に暗い。はて今晩はなんなのかと思い、数時間前の興奮は既に消えた声色で云ってみせ。)
……美夜子か。どうした?腹の中の虫が目を覚ましたのかい。
(/絡み文を提出してくださり、ありがとうございました!ではではこちら背後も退出させていただきますね。)
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